2007年 イギリス/カナダ映画 95分 サスペンス 採点★★★
男の嘘って、なんですぐばれるんでしょうねぇ?まだばれてないのに、目を見られただけでもうばれたと思ってドギマギしちゃいますし。しまいには、「これから嘘をつくぞぅ」と頑張ってアレコレ考えている内に、まだついていない嘘すらばれる始末。困った困った。
【ストーリー】
仕事も家庭も順調で、誰もが羨む生活を送っているニールとその妻アビー。ある日、娘のソフィーをベビーシッターに預け車で家を出た彼らだが、突如車内に潜んでいた男が銃を彼らに突きつける。その男はベビーシッターも仲間で、娘を返して欲しければ要求に従えと夫婦に告げる。その男の目的とは…。
ピアース・ブロスナンも製作者として名前を連ねる、一見犯罪サスペンスの一本。
突如現れた謎の男によって翻弄される夫婦の姿を描いた本作。見た目にも地位にも恵まれた全てにおいて自信満々の男のプライドをずたずたにする犯人の目的自体はぼんやりと分かるのだが、その動機や物語の着地点をぎりぎりまで明かさず、観客の関心を引っ張り続ける構成が上手い。その自信から来る傲慢さによって傷つけられ、絶望を味わった者による復讐という大枠も、知らず知らずの内に人を傷つけてそうなさり気ない傲慢さを序盤で描いているので、ストンと腑に落ちる物語でもある。犯人より告げられる意図の見えずらい指示の数々も、その結果を踏まえるとミステリーの仕掛けとしては面白い。
ただ、絶対逃げられないような策略に囲まれているように見えるが、実際は結構穴だらけ。主人公一人がその打開策に気付いていないってのは、やはり緊張感を削いでしまう。また、本来の目的が明かされるクライマックスのネタも、捻りが足りないのか、一気にワイド劇場を見ているかのような気分に陥ってしまう内容。まぁ、テンポも良いし、下手に膨らませ過ぎずにコンパクトにまとまっている作品ではあるので、土曜の午後2時くらいに観るには丁度良い作品なのではと。
素直に「ゴメンなさい」が出来ないばかりに、大きなしっぺ返しを食らうニールに扮するのは、『300 <スリーハンドレッド>』『男と女の不都合な真実』のジェラルド・バトラー。強い印象を放つ目の割に鼻から下が以外と短いので、無精ヒゲでもないとなんかジャガイモみたいになっちゃう彼だが、今回はヒゲなし。よって、ちょっとジャガイモっぽい。ヒゲを生やして精悍さを増しちゃうと誰よりも強そうになっちゃうので仕方がないんでしょうが、反面傲慢な感じもしないのでちょっと困る。
一方、その動機が切なすぎる犯人に扮するのが、この人のジェームズ・ボンド姿をもう一度観たいといまだに思ってしまう、『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』『007/ゴールデンアイ』のピアース・ブロスナン。珍しく悪役ではあるが、基本的に善人が已む無く悪に走っているって意味では、全く違和感なし。その怒ってる具合も、非常に様になる。
また、妻役で『アダルトボーイズ青春白書』『ザ・ダーク』のマリア・ベロが出演しているが、得意の“生活に疲れたかつての美人”役なので、これまた見事なハマり具合。チアガール姿といい、今回の赤いドレスといい、ついついイタい恰好をさせてみたくなる女優なんでしょうか?
因みに、腕がもげちゃったクライチェックとして私の中では有名な『カオス』のニコラス・リーも出演しているが、“怪しさスパイス”として出ているだけなので、全国のクライチェックファンはあまり期待をせぬよう。
素直に「ゴメンなさい」しなさい
↓↓お帰りの際にでもぽちりと↓↓
だから、土曜の午後2時くらいにCMカットで宜しくお願いします。
CM中に、ハッと気付いちゃうといけないので。
まぁ、土曜の昼なら多分ながら観になると思うんで、なーんにも気付かないまま進んじゃうんでしょうけどw