2010年 アメリカ映画 94分 コメディ 採点★★★
小学校を卒業後、地元から遠く離れた私立の中学へと進んだ私。顔馴染が誰もいない新しい学校生活の中、大人しくしていればいいのに如何せんこの性格、半端に目立って中学デビューは見事に失敗。まぁ、そんなんでへこたれる性格でもないので、3年間を適当にやり過ごしながら高校デビューを虎視眈々と狙ってた私でしたとさ。
【ストーリー】
中学に進学するグレッグ。家では兄にいじめられ、両親には叱られてばかりの冴えない彼だが、人気者として中学生活を満喫しようと奮起。あれやこれやと頑張るも、親友のロウリーのせいで笑い物に。ところがある日、ひょんなことからロウリーばかりが人気者に。それがきっかけで二人の友情にもひびが入り…。
全米でベストセラーとなった同名児童向け小説の映画化。早くも続編が製作されているようで。
一旦“イケてない”レッテルを貼られてしまうと過酷な学園生活を強いられる中学を舞台に、人気者になろうと躍起になるグレッグと、常にナチュラルでマイペースのロウリーとのコントラストから、“そのままの自分でいる大切さ”を描く本作。そのテーマは確かにロウリーには当てはまる。デブで幼稚であまりにあんまりなファッションセンスのロウリーだが、他者に優しく、素直なロウリーが人気者になっていく様はテーマに沿っているし、納得もいく。一方のグレッグだが、常にネガティヴ。全てにおいて否定的で、他者を妬み、自分を優位に立たせるためには友人すら陥れる。まぁ、文字にすると相当の悪人だが、どこにでもいる典型的な物事がうまくいかないタイプ。そんな対照的な二人の物語は、道徳の教科書であれば非常に分かり易く「これからちょっと気をつけよ!」となるのだが、映画となるとちょっと座りが悪い。
グレッグ一人を主役に据えるのではなく、対照的なロウリーと分担を二分しているのであれば“良いお手本&悪いお手本”的にまとまるのだが、あくまで主役はグレッグ。グレッグの自分以外を否定する目線で進んでしまうので、タイトルに偽りのないイライラするほどダメな子の主張のみが前面に出る作品に。ダメなままそれなりの結末を迎えるのであれば教訓にもなるが、唐突に丸く収めるエンディングを迎えてしまうので、なんともまとまりが悪い。着眼点は良いのだが、無難な場所へ逃げてしまった感が残念。まぁ、ロウリーの魅力と、もうちょっと出しゃばっても良い気がするイラストの可愛らしさが多少救ってはいるので、★オマケ気味で。
キャラクターとしての魅力はさて置き、子役としての愛らしさは充分だったグレッグ役のザカリー・ゴードン。でも、やっぱり本作の見所はデブでママ大好きなロウリーに扮したロバート・キャプロンに尽きる。怒ったら両腕をブンブン振り回しながら鼻水やら涙やらでグショグショになった顔で突進してきそうだが、まずそこまで怒ることはなさそうなロウリーにピッタリのその風貌は、今後他の映画で観ても「あ!ロウリーだ!」となること間違いなし。
その他にも、イジワルだが中学生活へのアドバイスが「目立つな!」と的確な兄に扮した、ちょっと男前になったジェイ・バルシェルみたいなデヴォン・ボスティックや、優しいんだか優しくないんだかイマイチ分からなかったママに扮した『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』のレイチェル・ハリス、『キック・アス』も楽しみなファニーフェイスながらほんのりと漂う色気も魅力的だったクロエ・モレッツなど、印象的な顔ぶれが揃った本作。
そしてなによりも、本作を手に取った最大の要因であった『パーフェクト・ゲッタウェイ』のスティーヴ・ザーン。今回はどんなスティーヴ・ザーンを拝めるか楽しみだったのだが、まぁ何か出ているだけって印象も。んー…、スティーヴ・ザーンが大活躍するであろう事を願いながら、続編を待つとしますか。しないとは思いますが。
もうちょっとすると、生えた・生えないが話題の中心に
↓↓お帰りの際にでもぽちりと↓↓
そうそう、そこなんです!
第三者の目線で、グレッグとロウリーを対比させながらなら良かったのに・・・
大人なら、グレッグの物事の捉え方はピントがずれていると最初から分かって見ていられるけれど、児童が見たらどうなんだろう?と気になってしまいました。
>スティーヴ・ザーンが大活躍するであろう事を願いながら、続編を待つとしますか
もうグレッグのことは見たくないと思いつつ、ザーン目当てに見てしまうと思います(苦笑)
ところで、フレグリーが山ほどトレイに乗せた真っ青なゼリー。
何味なんだろう・・・
アメリカって、何であんな凄い色の食べ物があるでしょうね。
確かにタイトルに偽りの無いダメな奴の物語ではあるんですけど、あまりにクズ過ぎて気分は良くないですよねぇ^^;
続編は、ジャケットにばばーんとザーンが出てればウッカリ観てしまうと思いますw
にしても、アメリカ人って極端に甘いとか極端に色が派手とか、食い物にすら極端さを求めているようにも。。。