特攻野郎Ａチーム THE MOVIE (The A-Team)

監督　ジョー・カーナハン　主演　リーアム・ニーソン
2010年　アメリカ映画　118分　アクション　採点★★★★

“アメリカン・ヒーロー”や“特捜刑事マイアミ・バイス”などの海外ＴＶドラマはこのんで観ていたものの、そのあか抜けない感じからか、正直苦手だった“特攻野郎Ａチーム”。レギュラー枠だけの放映なら観なければ済む問題なんですが、結構な割合で日曜洋画劇場でもやってたんで困ったものです。来週の予告をワクワクしながら待ってる中でＡチームの予告が流れちゃうと、「なんだよぅ。またＡチームかよぅ」とぼやいたもので。そのくせ、観ていない割には色々細かい所まで覚えてたりもするんですが。



【ストーリー】
戦略家のハンニバルをリーダーに、変わり者だが精鋭ばかりが集まった特殊部隊“Ａチーム”。そんな彼らに、バグダッドから運び出されようとしている米ドル紙幣の原版奪還の依頼が入る。難なく奪還に成功した彼らだが、直後に将軍が爆死。原版も何者かに奪われてしまう。罠にはめられた彼らは収監されるが、自らの名誉の挽回と真実追求の為に脱獄。逆襲の大作戦を決行するが…。



日本でも人気のあった“特攻野郎Ａチーム”の映画化。リドリー＆トニーのスコット兄弟の製作の下、『スモーキン・エース／暗殺者がいっぱい』のジョー・カーナハンがメガホンを握った、アクションアドベンチャー。
全くＡチームを知らない新参者にも安心の、チーム結成から追われる身になるまでを見事にまとめた、パイロット版的一本。第一弾にありがちな作品の大半を状況＆人物説明に費やすこともなく、物語の展開の中で流れるように設定説明をこなす脚本も上手い。もちろん、ＴＶでお馴染の主要キャラや悪役のみならず、本作では結構あんまりな扱いの例のバンが出てきたり、オリジナルキャストが最後に出てきたりと、ファンを喜ばせる仕掛けも忘れていない。
アクションの描き方にも工夫が凝らされており、リアルなアクションとキャラクター映画としての破天荒なアクションのブレンド具合も上手い。もちろんキャラクターが立っていないと活かされない無茶なアクションだが、“頭脳・ハンサム・腕力・バカ”と非常に分かり易く分類されたキャラクターの魅力存分に描かれているので、途方もない無茶苦茶なアクションであっても「ヤツらならやっちゃいそう」と思わせる作りとなっている。
下手に小難しいストーリーに走らず、オリジナルの雰囲気を残したキャラクターの魅力や実力描写を、彼ららしい派手なアクションでテンポ良く描き切ったのが勝因である本作。これなら、是非とも続きが観たくなるってもので。



オリジナルでは『世界が燃えつきる日』のジョージ・ペパードが演じていたハンニバルに扮するのは、『９６時間』『タイタンの戦い』のリーアム・ニーソン。若干愛嬌には欠けるが、いつもの師匠的役柄なので、居るだけで何となく説得力と存在感が。頭も良さそうですし。また、色男フェイスに扮する『ハングオーバー！　消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』のブラッドリー・クーパーも、そのニヤけたレイフ・ファインズばりのハンサム具合を活かした好演。ただハンサムなだけではなく、ハンニバルを心から敬愛している様子も伺える、細かい仕事振りも良い。
一方、レナード・ニモイ以外のスポックが想像できないように、ミスター・Ｔ以外は誰がやってもしっくりこなさそうなＢ．Ａ．役に、プライドのリングでも活躍していた格闘家クイントン・“ランペイジ”・ジャクソンが抜擢。ミスター・Ｔの代りが本物の格闘家っていうのも安易な気がするが、モヒカンにしたウィル・スミスが出てきたりするよりは随分とマシ。また、さすがに“クレイジー・モンキー”とは呼ばれていなかったマードックに扮した『第９地区』のシャールト・コプリーの、若干まだエイリアンの遺伝子が抜けきっていない感じのするズレっぷりとバカっぷりも面白い。
メインキャストに喰われっ放しの印象もあった『ハード キャンディ』のパトリック・ウィルソンや、いつもならその胸以外にも、まぁ胸も含め、概ねその辺中心の魅力にメロメロになってしまう『チャックとラリー　おかしな偽装結婚!?』のジェシカ・ビールにいつもの魅力を感じなかったりと、脇が弱い感じもしないでもない本作であるが、メインキャラクターが輝いてなんぼの作品なので、問題なし。


緻密な作戦のようで、実のところタイミング一発勝負だったりも

↓↓お帰りの際にでもぽちりと↓↓
　　　

　　　　　　　　

　　　　　　　　

Comments

確かに　
Aチームとナイトライダーには

期待してもいないのに
なぜか観てしまうという
不思議なものがありましたねえ

僕もアメリカンヒーロー大好きでしたよ
アメリカンヒーロー→スパイ大作戦
と続く深夜再放送枠が
僕にとってはゴールデンタイムでしたし

ミスターTは確かに激しく同意

Posted by もる at 2011年01月08日 05:08

未就学の頃から、何と無く海外ＴＶドラマと海外アニメ（カートゥーン）を見ていた記憶が。
ストーリーは良く覚えていなくても、個性的なテーマ曲を聞くと意味も無くわくわくしちゃう番組が多いですね。

>メインキャラクターが輝いてなんぼの作品
ストーリーはお手軽なものでいいので、年に１話ずつ正月特番等のＴＶムーヴィーをこのキャストで見たいような気がします。

Posted by 哀生龍 at 2011年01月08日 11:57

おーいえーす(笑)。
レギュラーメインキャラが立ってりゃオールオッケーでござんす。もっと言えば、シャールト・コプリーが可愛いけりゃ、ぶっちゃけ後はどうとでも(笑)。
続編はぜひとも、シャールトの出番をもっと多くプリーズ。
そうだ、本物リンチ氏は「マッドメン」のドン・ドレイパーだったんですから、彼を次の敵役にもってくるも良し。

Posted by お豆 at 2011年01月08日 15:24

ぼくも「日曜洋画劇場」で
このTVシリーズの予告が出ると、
「なんだよ〜っ」と思ったクチでした。
淀川さんも解説していなかったような…。

Posted by えい at 2011年01月08日 15:40

もる様、こんにちはー！
文句を言いながら、ついつい観ちゃう。そんなＴＶシリーズだったんですが、映画版は面白いですねぇ。
「オレがやんねぇなら出ねぇ！」とカメオ出演も断ったというミスター・Ｔ。確かに彼以外は想像つきませんからねぇ。アイス・キューブも候補になったそうですが、とりあえず強面の黒人ってのを探してたんでしょうねぇ。

Posted by たお at 2011年01月08日 15:40

哀生龍さま、こんにちは〜♪
土曜の午後は、海外アニメとドラマの再放送が楽しみでしたねぇ。何十年も前の作品を平気で観させられてたんですが、古さを感じさせませんでしたし。
もうホント、このメンツで毎年正月にやってもらいたい！

Posted by たお at 2011年01月08日 15:43

お豆さま、こんにちはー！
キャラクター映画として正しい作品でしたよねぇ。輝いてなんぼ。シリーズ化するなら、それぞれの見せ場と背景を順繰りに見せてもらいたい。
にしても、シャールト一押しですねぇｗ
確かにあいつは面白かった！
オリジナルキャストと言えば、フッテージを利用してジョージ・ペパード登場シーンも撮られてたそうなんですが、本編ではカットされたとか。レンタル版に特典がなかったんで確認できませんでしたが、販売用のブルーレイには入ってるんですかねぇ、そのシーン？

Posted by たお at 2011年01月08日 15:47

えい様、こんにちはー！
大人の事情で押しつけられたから、とりあえず流すってかんじだったんでしょうかねぇ？ｗ

Posted by たお at 2011年01月08日 15:48

オリジナルを何にも知らない私にも、やさしい作りでした！はい。
息子と見に行きましたが、禁中学生の場面もなく、非常に楽しく見せていただきました。
＞そのニヤけたレイフ・ファインズばりのハンサム具合
そうか。。。そうだったのか・・・。似てるかも。ちょっとショック。

Posted by sakurai at 2011年01月08日 16:06

sakurai様、こんにちはー！
＞禁中学生の場面もなく
劇中流れる歌の歌詞からも、セリフからもFから始まる4文字言葉がことごとく消されてましたからねぇ。
下品になった時のレイフ・ファインズに似てると思うんですよねぇ。まぁ、上品なレイフ作品をあんまり観ていないんで、私の中ではほぼイコールの似具合でしたがｗ

Posted by たお at 2011年01月08日 16:39

ＴＢありがとうございます。昔見たＴＶ版のようにハチャメなところが、このシリーズの魅力ですね。

Posted by はつゆき at 2011年01月08日 18:29

そういえば『スモーキンエース』はあんまり好きじゃなかったのですが
これはかなり楽しめました。
テンポよすぎてなにやってんだか分かんないところもあったけど（笑）

リメイク元の作品をあんまり知らないリメイク作品がおもしろいと、
たいてい元の作品も観たくなってしまうのですが
こちらは不思議とそんな気持ちになりません。
このメンバーでの続編は観たい！

Posted by kenko at 2011年01月09日 00:26

はつゆき様、こんばんは！
スケールのデカイ派手な映画ながらも、テレビのスペシャルっぽい風味もあるんですよねぇ。

Posted by たお at 2011年01月09日 01:39

kenko様、こんばんは〜♪
思い入れがあまりない分、映画だけで完結しちゃってる感じもしましたねぇ。なんか本作が、自分の中では“Ａチーム”って感じすら。

Posted by たお at 2011年01月09日 01:41

こんばんは〜(^^)
スカッと楽しめる映画でしたね〜♪オリジナルのＴＶシリーズのハンニバルが大好き（笑）だったので、ちょ〜っとだけ物足りなかったですが、でもしっかり楽しみました〜(^^)　あんまり楽しかったので、他にも好きだったTVシリーズの”冒険野郎マクガイバー”　とか　”ナイトライダー”も映画してほしいな〜、なんて思ったりしました（笑）

Posted by りら at 2011年01月11日 20:54

りら様、こんばんは〜♪
『パトカーアダム３０』とか『エアーウルフ』とか、映画になりそうなTVシリーズの宝庫ですからねぇ。映画化ありきでTVシリーズがそれに向けた１クールの宣伝でしかないどこぞとは大違いで。

Posted by たお at 2011年01月12日 17:55