2010年 アメリカ映画 92分 アクション 採点★★
思考回路は10代で止まったままですが、実年齢は結構シャレになんない事になってきた私。ヨボヨボだぁ。別に実年齢に抗ってるわけではないんですが、精神年齢がさっぱり追い付かない。そろそろ年相応になりたいなぁと思いつつも、なろうと思って簡単になれるもんでもないから困りもの。困った困った。

【ストーリー】
シングルマザーであるジリアンの恋人は、隣の家に住む冴えない中国人のボブ。ジリアンの子供たちは、そんな冴えないボブと母親が付き合うことに大反対。だって、カッコ悪いから。しかし、実はボブは中国から出向してきたCIAの凄腕スパイで…。

『ボクらのママに近づくな!』のブライアン・レヴァントによる、ファミリー向けアクションコメディ。観る前にこの監督のフィルモグラフィを確認しとくんだった!やられた!
ジャッキー・チェンがハリウッドに初挑戦した『バトルクリーク・ブロー』から30年経った記念碑的作品とこじつけはされているが、内容は“実は○○”の大人が子供に翻弄される、『キャプテン・ウルフ』とかあれやこれや色々あるジャンルに当たる本作。内容的にも、“ジャッキーが出てる”って個性以外は全てにおいて定番。これはこれで、ギャグもそれなりに楽しめ、子供たちも可愛らしければ他愛なく楽しめる一本になるのであろうが、如何せん本作の子供たちは可愛くない。ファミリー映画ばかり撮ってる監督だが、実は子供が大嫌いなんじゃないかと思えるほど、可愛く撮らない。「どうせファミリー映画だし」と、ハードルを目一杯下げているのも気になるところ。“ハードル”と“クォリティ”をゴッチャに考えているのでは?ジャッキー映画は“明るく楽しい”作品が多いが、だからといって妥協も甘えも見せないぞと。笑かす時は徹底的に笑かすし、アクションシーンは常に度肝を抜かれますし。
ギャグは笑えず、アクションも緩く、肝心の子供たちも可愛くないとくれば見所を探すのは困難。せめて『スパイキッズ』か『ドラゴン・プロジェクト』を目指して欲しかったもので。とは言っても、オープニングに流れるジャッキー映画名シーン集と、エンドクレジットのNG集は楽しめたのし、ちらっとデヴィッド・ボウイの話も出てきたので、★ひとつオマケ。なんか、フルコースの前菜とデザートと店内のBGMだけを褒めてるみたいな感じですが。

欧米人から見てアジア人は若く見えるとは言うものの、さすがに本作のジャッキーさんは役柄的に厳しいのでは。正直、メガネ姿もずーっと仲本工事を見ているような気になって厳しかったですし。「いつ白の体操着姿になるんだろー?」と、知らず知らずに待ってしまいましたし。
作品に組み込まれたアクション自体のクォリティが低いせいではあるのだが、ジャッキーアクションに強烈な老いを感じてしまう結果に。これが、“わかってる”監督と“わかってる”スタントチームであれば、年齢を巧みに使いながらきっといつもの驚きと興奮を与えてくれたんでしょうけど、如何せん妥協と甘えが見え隠れする監督なもんで、その辺は残念ながら。
その他に、『トランスポーター2』のアンバー・ヴァレッタや、売りがカントリーシンガーとしてよりは“マイリー・サイラスの親父”としての方に大分シフトしたビリー・レイ・サイラスなども出演しているが、特に印象はなく。子役らに至っては、まぁ…。あっ!猫は可愛かった!猫は!

「アワアワ」するのはそこじゃなく、アクションシーンでやって下さい
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とにかく子供がヘタッピーで、ちっとも可愛くない。
ハリウッド映画の子役はすごいのが多くて、ダコタ・ファニング、アナソフィア・ロブ、アビゲイル・ブレスリンなどは最初に見た映画でこの子はすごいと思わせたのに、こいつら(失礼)はなんだよってところです。
敵役の大人たちも安っぽい2時間ドラマと言うか、映画初挑戦タレント並みの出来でした。
「ファミリー映画だから…」ってのはエクシュキューズにならないし、して欲しくもないですよねぇ。ちゃんと面白いファミリー映画を真剣に作ってる人に失礼。まぁ、この作品に関してはジャッキーがどうとか子役がどうとか以前に、作り手があんまりにもあんまりだったってことなんでしょうねぇ。