1991年 アメリカ映画 101分 アクション 採点★★★
ところで、あのピザ配達人首輪爆弾事件ってどうなったんでしたっけ?近所の怪しい発明家やら、やたら周囲で人が死んでるおばさんとか出てきてたような気もしましたが。ま、どんな結末にしろ、“ピザ配達人首輪爆弾事件”ってタイトルのインパクトには敵わないんでしょうけど。
【ストーリー】
ちょっと先の近未来。ダイヤ泥棒に成功したものの、共犯の婚約者と親友に裏切られ刑務所送りとなったフランク。その刑務所では受刑者全て誰かと対になっている首輪爆弾をはめられ、その二人が一定距離以上離れると爆発するシステムが敷かれていた。ある日、ひょんな事からフランクは自分のパートナーを知り、遂に脱獄をするのだが…。
『アリゲーター』のルイス・ティーグ監督による、ずば抜けて面白いアイディア一本で引っ張り倒すSFアクション。
「首輪爆弾が出る映画って言えば?」と聞かれれば、真っ先に浮かぶ本作。同じようなアイディアを上手に使っていた『トランスポーター3』でも、3Dを想定した画面作りなんて一切していないのに、無理やり3D化して高い料金をふんだくろうとしている、余りの浅ましさに呆れかえるアレでもなく、本作。“首輪に爆弾”“誰かとペアになっている”“それが誰かは知らない”“その二人が一定距離以上離れると爆発”。もう、このアイディアだけで作られている本作。アイディアにオンブに抱っこ。ただ、そのアイディア自体が面白いし、アイディアをしっかりと活用しているので、全く飽きることがない。確かにそのアイディア以外の部分は、定番の監獄物に定番の逃避行物、定番の裏切り話と定番尽くしではあるのだが、だからといってそこらが極端に出来が悪いわけでもなく、随所に突っ込まれたゆるいギャグと共にのんびり楽しむことが出来る。深夜ふいにTVを点けた時にやってたら、とっても嬉しくなる作品の一つ。あと、『マニアック・コップ』とか。
受刑者とはいえ、根っからの犯罪者じゃないんで基本ヘタレな主人公に扮するのは、『ヒッチャー』『聖なる酔っ払いの伝説』のルトガー・ハウアー。本作で、決してタフではないがとことん頑固な主人公を演じている彼の顔だけを見れば、ジョン・ライダーやロイの精悍さがそのまま残っているのだが、首から下はまるで別人。樽から顔だけ出してる感じ。まぁ、『ブレードランナー』の時も、レプリカントにしてはって身体つきではありましたが。
そんなルトガー・ハウアーを筆頭に、トムちんの最初の妻だったって以外は特に話題もないミミ・ロジャース、ルーシー・リュー以前はアジア系女優の代表格であったジョアン・チェン、ウォルター・ヒル作品でお馴染だった『ガール・ネクスト・ドア』のジェームズ・レマーら、一時話題になった顔ぶれが集結。なんとも痛ましいというか生々しいというか、そんな顔ぶれが集結した本作だが、その中にひっそりと『マチェーテ』のダニー・トレホも。何気に一番の出世頭。で、ちょろっと出てきてちょろっと消える本作のトレホさんですが、「囚人役なら任せろ!」ってばかりに、見事なまでに刑務所に溶け込んでおります。囚人にしか見えません。さすが元本物。
ちょっと今から銀行に行って来てもらえないかい?
↓↓お帰りの際にでもぽちりと↓↓