2008年 アメリカ映画 98分 コメディ 採点★★★★
三人兄弟の末っ子とはいえ、上とは呆れかえるほど歳が離れているんで“兄弟がいる”って実感は特にない私。なもんで、昔は友達の兄弟話なんかを聞いてると、ちょっとばかし羨ましく思ったもので。当の本人にとっては、「そんなに良いもんでもないよ」なのかも知れませんが。まぁ、歳の近い兄弟がいないままこんな大人になっちゃいましたし、今更欲しいとは思いませんが。お袋から「実はね…」とか切り出されるのも嫌ですし。
【ストーリー】
親同士の再婚により義理の兄弟となってしまった、39歳のブレナンと40歳のデール。互いに定職に就かず、経済的にも精神的にも自立できない二人はいがみ合うが、ひょんなことから意気投合。しかし、今度はこの二人が原因で親同士の関係が険悪となり、離婚することとなってしまい…。
製作に『無ケーカクの命中男/ノックトアップ』のジャド・アパトー、監督に『俺たちニュースキャスター』のアダム・マッケイという、『タラデガ・ナイト オーバルの狼』コンビで贈るコメディ。
いちいち面白い。
“ダメ男の再起”っていういつものアパトー風味に、フェレルをたっぷり投入した本作。精神年齢が小学男子の主人公らが繰り広げる騒動の数々も、掛け合いも、着ているTシャツも、観ているこっちが疲れてくる程いちいち面白い。“社会に適応した大人になろうね”って流れから微妙に外れた締めも良い。確かに、精神的に幼いのか計画的にすねをかじっている分からなくなる不安定なキャラ設定であるし、反則的に面白いウィル・フェレルとジョン・C・ライリーのコンビ技に頼り切っている部分も否めないが、四の五の言わせず笑かしてくれてるので、文句は全くなし。セガール映画の正しい楽しみ方や、80年代のビリー・ジョエルの存在意義を再確認できる本作には、「存分に笑った!」以外書くことも浮かばないので、レビューも短い!
幼稚さと鬱陶しさとジワジワと湧いてくる苛立たしさを駆使する『マーシャル博士の恐竜ランド』のウィル・フェレルと、中二男子の痛々しさと苛立たしさ表現する『ウォーク・ハード ロックへの階段』のジョン・C・ライリー。本作の原案も兼ねる、この『タラデガ・ナイト オーバルの狼』コンビがまず最強。本作の設定だけを用いて、コメディ番組のレギュラーコーナーとかにして毎週やって欲しいほど。
まぁ確かに、この二人の掛け合い部分は強烈に面白い半面、ストーリーがさっぱり進まなくなるって弊害もあったものの、その辺は『エルフ 〜サンタの国からやってきた〜』でもフェレルと共演済みである『噂のモーガン夫妻』のメアリー・スティーンバージェンと、『ザ・コア』のリチャード・ジェンキンスが受け持ってくれるので、安心。万が一、フェレル&ライリーですら物足りなくても、『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』のロブ・リグルと、アパトー組からお馴染セス・ローゲンとケン・チョンが飛び出してくるので、問題ないかと。それでも物足りないってのなら、んー…なにか別な映画を探されては。
ここまで来ちゃったら、親としては更に突き抜けてもらいたいと願うのみ
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