1986年 アメリカ映画 111分 SF 採点★★
今はどうか知りませんが、私が学生の頃って、下敷き代わりのクリアファイルに好きな切り抜きを入れるってのが流行ってましたねぇ。まぁ、中にはマックのメニューをそのまんま入れて、授業中ずーっと眺めてる食いしん坊もいましたが、概ね皆さん当時のアイドルの切り抜きを入れてた様で。私もやってましたが、私のはバイクで鉄条網を飛び越すマックィーンとかランボーとかデヴィッド・ボウイとか、今と変わらぬ色気のないものばかり。その中に一枚だけこっそり入れてたのが、本作のリー・トンプソンの切り抜きで。
【ストーリー】
地球で行われた実験の影響で、母星から遠く離れた地球に落ちてきてしまったアヒルのハワード。ひょんなことから知り合った少女の助けもあり、故郷へ戻る算段がついたハワードだったが、その計画も失敗に終わり、今度は宇宙の深淵に閉じ込められていた暗黒魔王がやってきてしまい…。
マーベル・コミックの原作を、ちっちゃい人が大好きなジョージ・ルーカス製作総指揮により映画化されたSFアドベンチャー。「なんで今更コレを?」と思われそうだが、ただ単にリー・トンプソンが観たかったから。
リー・トンプソンの可愛らしさと、トーマス・ドルビーの楽曲以外で褒める場所を探すのが困難な本作。逆を言えば、それだけリー・トンプソンが可愛かったんで、レビューなんか書かずに“リー・トンプソンが可愛い!”と50回くらい書けば事足りるような気もしますが、それだとなんかストーカーの日記みたいなんで、5回くらいに割愛。多分、“頭空っぽにして楽しめる、ハチャメチャSFアドベンチャー!”ってのを作ろうとしたとは思うんですが、ハチャメチャだったのも空っぽだったのも、全部作り手側だったようで。やぶれかぶれなストーリーと、しつこいくらいに繰り返される全く笑えないアヒルギャグ、「永遠に終わらないんじゃないか?」と不安になるカーチェイスなど、ネガティヴな方面では見所満載。子供向けなのか一般向けなのか、根本的な狙いも不明。靴底みたいなデザインの暗黒魔王も酷いが、200万ドルも掛けて何であぁなったのか疑問な、愛くるしさも手触りのソフト感も感じられないハワードのデザインも酷い。確かにオッサン臭いキャラなので愛くるしくするのは違うのかも知れないが、だったらオッサン側に思い切りシフトした方が、インパクトもあるしリー・トンプソンとのコントラストも効いたのかも。リー・トンプソン、可愛いですし。
本作の見所の9割以上を占めているのは、やはり『若き勇者たち』『わんぱくデニス』のリー・トンプソン。清純派のイメージを払拭したかったのか、ロッカー然とした髪型とセクシーな下着姿を披露。なんかこう、無理に背伸びしてグレてみたプチ家出少女みたいでしたが。まぁ、それはそれで可愛い。劇中で披露する歌声も見事なもので、トーマス・ドルビーの若干クセのあるメロディーラインもものとせず歌いきっている。当時、エンディングに流れる“Howard the Duck”の12インチシングルを買った記憶が。いや、買った。繰り返し聴いてた。
その他、暗黒魔王に身体を乗っ取られていようが、印象が然程『フェリスはある朝突然に』と変わらないジェフリー・ジョーンズや、当時試写で本作を観て「嫌な汗が噴き出た」と正直な心情を吐露した、『ミッション・トゥ・マーズ』『俺たちニュースキャスター』のティム・ロビンスなども出演しているが、如何せん残り1割の見所をアヒルらと取り合っているので、然程印象には。
ハワード、てめぇ…
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