2010年11月27日

シェルター (Shelter)

監督 モンス・モーリンド/ビョルン・スタイン 主演 ジュリアン・ムーア
2010年 アメリカ映画 112分 サスペンス 採点★★★

ミッション系の学校には通っていたが、別にキリスト教徒のわけではない私。仏教徒でもないし、もちろんゾロアスター教徒でもない。ましてや、特定の生き神様を崇めているわけでもない。なんかこう、典型的な日本人。でも、別に無神論者でもないんですよねぇ。「コレ!」ってのはないんですが、ボンヤリとした何かは信じてるんですよね。

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【ストーリー】
多重人格を否定する、精神分析医のカーラ。ある日、同じく精神分析医である父親から、デヴィッドという多重人格患者を紹介される。初めは愉快犯として信じなかったカーラであるが、次々と信じられない事実が判明し困惑する彼女。やがて、デヴィッドに潜む人格の全てが、過去に死亡した実在の人物であることが判明し…。

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スウェーデン出身のモーリンド&スタイン監督による、信心がカギを握るスーパーナチュラル・スリラー。脚本は、何でもアリ映画『“アイデンティティー”』のマイケル・クーニー。だからか!
台詞がボソボソと聞き取りづらいのでボリュームを上げると、突然デカイ音が鳴り響いてビックラかすパターンには辟易するが、こちらの予想がなかなか追い付かないストーリー自体は面白い本作。想像上のものと思われた人格が実在の人物であることが判明する展開は、科学的なものになるのか、超常現象的なものになるのか先が全く読めず、目が離せない面白さ。“呪い”の存在が見え隠れし始め、事態のカラクリが判明し始めても、多重人格者デヴィッドの目的も物語の着地点も読めず、やはり目が離せない。どう着地するのかワクワクさせるのだが、如何せん脚本があのマイケル・クーニー。予想の遥か斜め上を飛んでいく。及び、斜め下
些細な台詞や仕草で厚みの増した人物描写と、謎が謎を呼ぶ展開で期待がパンパンに膨らむデヴィッド。しかしながら、点と点が線になりそうな彼の行動が、実のところ意味がありそうで全くない点の羅列でしかなく、彼自身も単なる魂ハンターでしかなかったという着地点には、随分とガッカリ。母親の悲し過ぎる選択で終われそうな所を、無難な『スケルトン・キー』路線に逃げてしまうのも、同様に。中盤以降、それまで積み上げてきたアレコレを放り投げて飛躍するストーリーであっても面白さが揺るがなかっただけに、それらの点は非常に残念。惜しい。

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好きな女優の一人であるし良い女優だとも思うのだが、作品選びがいささか個性的過ぎる気もする、『フォーガットン』『トゥモロー・ワールド』のジュリアン・ムーア。地雷原の地雷だけを踏み抜いて全力で走ってるような。エージェントに「何か変な映画の仕事はない?」と聞いてるかのような選び方は、ある意味ニコラス・ケイジ的でも。そんな変な映画で見る機会の多い彼女だが、仕事振りは相変わらずお見事。母としての姿、娘としての姿、科学者としての姿と多面的な顔を持つ本作の役柄を、表情や声のトーン一つでアッパレなほど演じ分けている。そのまんま彼女が多重人格の役でも良かったのではと。ストーリー上意味がありそうでなかった“赤”を常に身にまとっている様も、髪色とリンクして非常に似合ってましたし。
ジュリアン・ムーアと同様に、細かい仕草やアクセントを変えて多重人格を見事に演じたのは、『パリより愛をこめて』『マッチポイント』のジョナサン・リス・マイヤーズ。年齢を上手く味方につけ、年々男前度が上がっている。仄かに漂う“気持ち悪さ”も巧みに利用し、正体不明の不気味さを表現。
ミスト』での先を悟った表情が印象的だったジェフリー・デマンなど、脇もしっかりと固まってた本作。何よりも好みの主演勢が良い仕事振りを見せてくれたので、★ひとつオマケで。

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紅葉が似合う女優ランキングでは常に一位。個人的には。

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posted by たお at 02:30 | Comment(4) | TrackBack(23) | 前にも観たアレ■さ行■ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
TB ありがとうございます

結果がそっち系なのかぁと ちょっと残念でしたが
俳優陣の好演といい
ストーリーも最後まで引き込まれて なかなかでした
Posted by リバー at 2010年11月27日 18:31
リバー様、こんばんは!
オカルトに行っちゃうのはまぁ良しとしても、そのオカルトを全く活かしきれてないってのはちょっと。。。
Posted by たお at 2010年11月28日 01:56
ジュリアン・ムーアの仕事の選び方、たしかに!(笑)
シッピングニュースとか、ああいうのに出てくれたらいいな〜と思うんですけど、一番いい脚本はよそに行っちゃうとか、そんな事情もあるのかもしれないですね〜。でも老いて困るタイプの女優さんでもないのがこれからの強みでしょうかね…。
Posted by inuneko at 2010年11月28日 14:00
inuneko様、こんばんは!
良い女優なんですけどねぇ。。。
居場所をトンデモ映画に定めちゃったんですかねぇ?
若い頃のジュリアン・ムーアは、なんともやかましい印象があって好きじゃなかったんですが、『ブギー・ナイツ』あたりから好きな女優に。
Posted by たお at 2010年11月28日 20:31
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