2010年11月22日

地獄の7人 (Uncommon Valor)

監督 テッド・コッチェフ 主演 ジーン・ハックマン
1983年 アメリカ映画 105分 アクション 採点★★★★

学生の頃は、自分の国なりよその国なりに怒りを覚えるってのは少なかったんですよねぇ。ニュースや歴史番組でクーデターやデモの様子を見ても、なんでそんなに怒ってるのかさっぱり理解できなかったものです。戦争アクションなんかを観た後の妄想タイムはもちろん“戦場のオレ”なんですけど、相手は全然明確じゃなかったですし。ところが、どうも昨今は腹が立つことばかり。先の事や複雑な実情の事なんぞ考えず、ただ感情に任せて「じゃぁ、一戦交わしちゃえばいいじゃん!」と浅はかな事すら思ってしまうこともしばしば。歳のせいなのか、そんなことを考えざる得ない状況になってしまったのかは、定かじゃないですが。

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【ストーリー】
ベトナム戦争が終結して10年。戦闘中に行方不明となった息子の生存を信じ続ける元空軍大佐のローズは、いつまでも行動を起こさない政府に見切りをつけ、息子救出のため自ら現地へ向かうことを決意。息子の戦友らと共にベトナムに向かった一同は、遂にアメリカ人捕虜を発見するが…。

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ランボー/怒りの脱出』や『地獄のヒーロー』などのMIA(戦闘中行方不明)救出映画の元祖的戦争アクション。製作は“もちろん”と言っても差し支えのない『若き勇者たち』のジョン・ミリアスが担当し、監督には『ランボー』のテッド・コッチェフという強烈な布陣。
息子の為ならどんな行動でも辞さない父親と、私財の全てを投げ打つことも臆さない父親。まずその二人の父親の強い思いに胸を打たれる本作。集められるメンバーたちも、強引な召集のように見えて、実のところそれぞれが掛けがえのない戦友と共に戦場に置いてきてしまった大切な“何か”の為に自ら平穏な生活を捨て集まる姿も感動的。娑婆に居場所がなく、戦場でしか輝けない男たちって時点で、非常に『ワイルド・ギース』的で堪らない。
彼らの前に立ちはだかる障害が敵兵ではなく、その命を掛けて守り愛してきた母国の政府である皮肉や、個性豊かなキャラクターたちの活躍と見事な散り様、死を目の前にすることで成長する新兵の物語に、諸手を挙げて喜び切れない苦い結末等、男心を鷲掴みにする描写の数々をしっかりと固められたドラマと派手なアクションで描き切った本作は、初めて観た時から30年近く経つが、いまだに好きな一本。確かに戦後10年も捕虜にしているメリットも見当たらないし、民間人が無許可で他国と一戦を交わすってのは物騒かつ無責任な話だが、感情的には全然理解できるし応援したくなる物語なので問題なし。

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筋肉が敵国に行ってウワーって暴れてるのであれば、ヒーロー自体を応援する勧善懲悪の戦争アクションで終わってしまうのだが、本作の主人公は息子を救うために全てを投げ打って現地に向かう老いた父親。主人公がアクションヒーローとして描かれているのではなく、あくまで強い思いを持つ父親として描かれている。冷静でタフだが、感情に流されることもヘマすることもある普通の父親。だからこそ仲間に信頼され、観客にも愛される。これはまさに、『エネミー・ライン』『目撃』のジーン・ハックマンにうってつけの役柄。本人自身は人っ子一人殴れない“超”が付くほどのリベラルを自称しているが、本作の主人公のように強く真っ直ぐだが、感情面での弱さを併せ持つ役柄が見事にハマる。
その他、元祖エリオット・ネスのロバート・スタックや、筋肉ウィリアム・カット然としたレブ・ブラウン、元プロボクサーの肩書を持つランドール・“テックス”・コッブに、“我らがレモ・ウィリアムス”こと『レモ/第1の挑戦』『ロード・トリップ』のフレッド・ウォードと、非常に男臭い面々が集結。その中に、男むさい連中に揉まれ成長する若造役として『若き勇者たち』『11:14』のパトリック・スェイジの姿も。少年らの兄貴分の印象強い彼も、さすがにこの面々を前にするとすっかり青二才。その青二才なりの意地と根性で猛者に喰いつき、成長していく姿は印象的。どういうわけか、彼を見るといつも若い頃の小林旭が脳内に。普段、小林旭のことなんて全然考えもしないのに、パトリック・スェイジを見る時だけはなぜか。

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ある種身近な題材だけど、日本じゃ作れないし作ろうとしない

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posted by たお at 01:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | 前にも観たアレ■さ行■ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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