1986年 アメリカ映画 87分 ホラー 採点★★
前作でジェイソン抜きでのシリーズ続行を模索し、二代目ジェイソンの誕生を匂わせておきながらも、「やっぱ、ジェイソン出ねぇと締まんねぇな」とばかりにジェイソンを復活させ、前作の事を色々とウヤムヤにしたまま仕切り直し。ジェイソン抜きでやってみようとした姿勢だけは、立派ですね。
【ストーリー】
少年時代にジェイソンと対決し、そのトラウマから長年精神病院に入っていたトミーは、そのトラウマと決別するために病院を脱走し、ジェイソンの墓へとやって来る。墓を暴きジェイソンの骸に鉄杭を突き差したその瞬間、雷が鉄杭に落ち、ジェイソンがババーンと復活。逃げるトミーを追って、いつものキャンプ場へと向かう。
本作より“死んでる”ってのが条件付けされたジェイソン。これ以降、物語の最大の関心ごとが“どうやって甦るか?”に集約される、ある種の絶頂期を迎えることに。
で、本作。「死んじまってるけど、やっぱジェイソン出せ!」と無理強いされた結果か、徹頭徹尾やけっぱちの香り漂う異色作。「もう、雷でいいんじゃね?フランケンみたいに?」と安易なネタで復活させ、007もじりのタイトルで迎えるオープニングから、もう怖がらせようってより笑かそうとする気満々。この前年に公開された『バタリアン』の影響も強いのか、笑えるホラー路線に果敢に挑戦。あんまり笑えはしませんが。
笑えるわけでも派手なゴア描写があるわけでもない本作だが、オープニングから出ずっぱりのジェイソンが、『ジェイソンX』まで破られなかった最多殺戮数を記録する大活躍を見せたって意味では、ダレ場も少ない痛快作と言えるのかも。アリス・クーパーの曲もたっぷり聴けますし。
今回で3度目の登場となるトミー役には、『バタリアン』で劇中の大半を「痛い痛い」言ってたトム・マシューズ、犠牲者の中にコッソリ『カフス!』のトニー・ゴールドウィンが出てたりもする本作だが、もちろん主役はジェイソン。
落雷で蘇るという荒業を成し遂げたせいか、何か吹っ切れた様子で、下手に小走りしたり、若者にしてやられたりすることのない、非常に堂々とした佇まい。マチェーテを構える姿もすっかり板に付き、これだけマチェーテが似合う男も、ジェイソンかダニー・トレホくらいじゃないかと。基本もうゾンビと同じ類なのに、しっかりと電話線を切ってから犯行に臨む用意周到さや、鈍重そうに見えて、走って逃げる犠牲者にあっさり追い付く見えない機敏さも見せるジェイソンさん。きっと誰も見ていない所で猛然と走ってるんでしょうねぇ。努力の人だ。
超能力少女のウッカリを静かに待つジェイソンさん
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