1991年 アメリカ映画 105分 アクション 採点★★★
子供の頃、小学校の校庭で楽しそうに野球に興じる姿と、子供心にはカッコ良く見えたユニフォーム姿に見事に騙され、カブスカウトに入ってしまった私。そこからズルズルとボーイスカウトまで続けてたんですが、楽しそうに野球をやってたのはたまたまその日くらいで、あとは延々とロープ結びやら手旗信号やらと、いつそんなスキルが役に立つのか分からない上に、役に立ったら立ったで、そもそもそんなスキルが役に立つ状況にいたくないってものばかり。まぁ、楽しかったは楽しかったですが、今の自分にそれが何を残したかと言われれば、さぁ。
【ストーリー】
かつては大統領の命も救ったこともあるシークレット・サービスだったが、今ではしがない私立探偵に身を落としたジョー。そんな彼のもとに、あるストリッパー、コリーの身辺警護の依頼が入る。しかし、彼女は何者かによって殺されてしまう。ジョーとコリーの彼氏で元花形フットボール選手だったジミーは事件の真相を調べ始めるが、その背後に政界も絡む巨大な陰謀が隠されており…。
観ている最中は確かに面白いのだが、劇場を後にした途端、頭の中からきれいに消え去っていくような作品を連発していた頃のトニー・スコット監督による、ハードボイルド・アクション。
共に華々しいキャリアを持ちながら、今ではその全てを失ってしまった男たちの戦いを、ハードボイルドタッチで描く本作。一つの殺人事件から巨大な利権が絡む陰謀が明らかになる探偵ものの面白さと、バディ映画の面白さを兼ね備えた物語を、歯切れの良い展開と派手なアクションできっちりとまとめ上げた、『デジャヴ』のトニー・スコットらしい作品に仕上がっている。短い時間ながらも、主人公の崩壊寸前の家庭状況や、人物関係図なども分かりやすく描かれており、小手先の技術と勢いだけに任せたって印象はない。まぁその辺は、シェーン・ブラックの脚本に因るものが大きいのかも。
惜しむべくは、ユーモアの欠如。どうにもトニー・スコットの苦手分野なのか、本来もう少し面白くなりそうな会話の妙や状況が、イマイチ活かされていない感じも。その辺が弾けてれば、同じシェーン・ブラックの『キスキス,バンバン -L.A.的殺人事件』のような、一癖も二癖もある面白い作品になったような気もするし、主人公と妻とがクライマックスに交わすいかした会話も、更にしびれるものになったのかなぁと。
『ダイ・ハード』でブレイクしたはいいが、それ以降迷走を続けていたブルース・ウィリスが、再びアクションに挑戦した本作。ただ、むやみやたらと強い単純なアクションヒーローではなく、“とても強そうには見えないが、やる時は結構やる男”ってキャラを演じるってのが、非常にブルース・ウィリスらしい。実際、ブルース・ウィリス主演で“ダイ・ハード”シリーズ以外のアクション映画らしいアクション映画って、数えるほどくらいしかないですし。アクションスターが勢揃いした『エクスペンダブルズ』でも、他のアクションスターとは微妙に違う立ち位置にいたのも、その辺に起因するのかも。
共演に、“最終絶叫シリーズ”で日本でもお馴染のウェイアンズ兄弟の、わらわら居る内の一人デイモン・ウェイアンズに、『ハーレーダビッドソン&マルボロマン』のチェルシー・フィールド、『デイライト』のダニエル・ハリスらと、如何せん20年も前の作品ということもあってか最近あまり見かけない顔ぶれが揃っているのだが、その中に、この20年でみるみる出世した『X-MEN:ファイナル ディシジョン』のハル・ベリーの姿が。お世辞にも上手いとは言えぬセリフ回しとぎこちない演技に驚いたが、その後『パーフェクト・ストレンジャー』でブルース・ウィリスと肩を並べるまでになったことを考えると、なんとも感慨深い。同様に、本作にちょろっと顔を出し、一瞬大ブレイクを果たした後に、今では立派な大阪人となったビリー隊長のことも、考えるとハル・ベリーとは別の意味で感慨深いなぁと。
こっから成功を手にしたのも凄いが、この時点での地位を維持し続けているのも凄い
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全編やる気無さそうなブルース・ウィルス。
アメフト選手だったとはとても見えないデイモン・ウェイアンズ。
ちょい役にしちゃキレイ過ぎるハル・ベリー。
なんだけど、お話しとしては上手くまとまってたなー。
ブルースの役も好きなタイプでした。
うざくない子役もとっても良かったし。
ラスト、ブルースがスタジアムで変なダンスするシーンなんか大好きです。
結構根強い人気を誇っている作品ですよねぇ、これ。
アクション映画におけるブルース・ウィリスのキャラって、この辺で完成した感じもしますね。