1985年 アメリカ映画 92分 ホラー 採点★★
“完結篇”と銘打って、派手にジェイソンを葬った前作でシリーズに終止符をうってはみたものの、虎の子シリーズをそう易々と手放すわけがないのは世の常。案の定シリーズ復活。ただまぁ、これまでも「実はまだ、ジェイソン死んでなかったよ」と強引に続けてたシリーズとは言え、さすがにあれだけマチェーテが頭に食い込んでれば「まだ大丈夫!」と言い切るのも難しいんで、どんな仕切り直しを見せてくれるのか、興味津津。
【ストーリー】
ジェイソンとの死闘で心に大きな傷を負ったトミーは、精神病院送りとなる。数年後、青年となったトミーは、とある診療施設へと移送される。やがてジェイソンの幻影に苦しめられるトミーの周囲で、死んだはずのジェイソンの手によるものと思われる殺人事件が発生し…。
“完結篇”と言い切った舌の根が乾かぬうちに再始動したシリーズだけに、どう続けるか頭を悩ましたんでしょうねぇ。きっと会議では、「模倣犯で!」「ボーヒーズ一家にまだ生き残りがいたことに!」「やっぱり、ジェイソンは死んでいなかったってのは?」「というか、前のなかったことにすればいいんじゃね?」などなど、大層盛り上がったんでしょう。
で、本作。結局そこらのオッサンが模倣犯だったってことで、その問題を解決。さっぱり解決したようには思えませんが、まぁ解決。1作目同様ジェイソンが出ないこともあり“新たなる始まり”と銘打っているからか、舞台もクリスタル・レイクから診療所へ変更され、物語も犯人の正体がなかなか明かされないサイコスリラー風味に、小生意気な黒人の子供をコミックリリーフにと、あれこれ新要素を投入。観た感じはそのどれも機能していない、いつもの13日の金曜日なんですけが。まぁ、格別驚くような仕掛けもないが、やたらと目を中心に痛みつける殺し方にも工夫の跡が垣間見えるし、脱ぎ役の女優も盛大に脱いでくれているので、退屈もしない。なんか、このシリーズのレビューは、“オッパイが出てるか否か”を基準に書いているような気にもなってきましたが、まぁそこも大事なんでいいかなと。
前作でジェイソンの頭にマチェーテを叩き込んだトミーが主役の本作。本来なら前作同様コリー・フェルドマンを使いたかったそうだが、如何せん『グーニーズ』で大忙しだったようで断念。急遽物語を“トミーが成長した”ってことに変更。まぁ、どうでもいいことではあるが、この変更で過去3作が短い期間内で連続して発生したって設定だったので、時代が一気に飛ぶことに。これにより、前3作も微妙にそうだったのだが、本作以降公開年度より時代が随分先に進んだ近未来の物語になることに。ホント、どうでもいいんですが。
そんな、成長した途端に薄毛の格闘技使いの青年となったトミーが相手をするのが、なんとも細身でこじんまりとしたジェイソン(偽)。新調したホッケーマスクが上手くフィットしていないのか、なんか丸顔。そんな細身で丸顔という、外見的にあんまり怖そうじゃないジェイソン(偽)。パワー不足も否めないが、それを補うかのような中年ならではの工夫を凝らした殺し方が魅力。
仕切り直しの新シリーズを目論んでいたのか、ジェイソン(偽)から今後の活躍が期待されたトミーにジェイソンバトンを渡したのはいいが、「やっぱジェイソン出ねぇとダメだな」と当然の事に気付いた製作サイドが次回作でジェイソンを復活。新シリーズになるはずが、ちょっとした外伝に成り下がってしまう結果に。なんか、2代目ボンドみたいな哀愁すら感じちゃいますねぇ。
ある意味、13日の金曜日ブランドをジェイソンが追いぬいた記念碑とも
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