プリンス・オブ・ペルシャ／時間の砂 (Prince of Persia: The Sands of Time)

監督　マイク・ニューウェル　主演　ジェイク・ギレンホール
2010年　アメリカ映画　117分　アドベンチャー　採点★★

初めてスーファミでプリンス・オブ・ペルシャをやった時は、いやぁ驚きましたねぇ。ゲームの内容そのものよりも、なんともヌルヌルクニャクニャ動く主人公に。ちょっと段差の高さを見誤ると即死したり、落下した先で串刺しになる残虐さにも驚きましたが。まぁ、如何せん飽きっぽいので、その動き方に飽きちゃうと、いちいち剣を抜いたり差したりする動作は面倒だし、同じ所を行ったり来たりしなければならない内容にウンザリして、すぐ放り投げちゃったんですが。



【ストーリー】
繁栄を極める古代ペルシャ。養子として王宮に迎え入れられ、第３王子として“ペルシャのライオン”と異名をとるほどの勇者に成長したダスタンは、兄らと共にある情報を基に聖なる都アラムートを征服する。しかし、何者かの企みで父親殺しの汚名を着せられたダスタンは、アラムートの姫タミーナと共に逃亡。この戦争の影に、彼が戦利品として手に入れた短剣に秘められた力が関わっている事を知り…。



マイク・ニューウェルによる、いまだに新作が出ている人気ゲーム“プリンス・オブ・ペルシャ”を基に映画化。
シャンパン色に染まった画面にハンス・ジマー風の音楽が被さり、何となく盛り上がっているような気になるいつものブラッカイマー風味溢れる本作。劇場でアトラクションとして楽しむ分には色々誤魔化せるが、じっくり観るとなると誤魔化しが効かないのも、いつものブラッカイマー風味。ゲームの映画化とは言っても、別に主人公がニュルニュル動くわけでも、ちょっとした事で崩れ落ちるように死ぬわけでもない、宣伝効果としてのゲーム映画って感じ。
展開的には可もなく不可もなく。と言うか、展開も人間関係の変移もなにもかも教科書通りに作った印象で、どこもかしこも既視感に溢れて新味なし。まぁ、イラク戦争の内幕を彷彿させるストーリーラインは、この手の作品にあって珍しかったですが、そのオチが「間違ってたよ。ゴメンねぇ。お詫びに弟やるよ」ってのは、どうだろう？
上手くいけばとてつもなく面白くなる可能性を持つ時間リバースネタも、肝心の“時間の砂”に「何が出来て、何が出来ない」「何処まで戻れて、その弊害は？」などの縛りが曖昧な為、都合が良い以外は特に盛り上がらず。全体的にソツのない無難な作りという印象以外、キツイ言い方だが思う事なし。



主役に、「あぁ、こういうブラッカイマー映画の主演をやるようになったんだなぁ」とちょっと驚いた、『ゾディアック』『ジャーヘッド』のジェイク・ギレンホール。けだるく醒めた眼差しが非常に現代的で、等身大の若者を演じると物凄い輝きを発する彼だけに、ちょっと今回は違和感。
若干主役に違和感を感じたものの、砂漠に出た途端にただのお転婆に成り下がる『タイタンの戦い』『００７／慰めの報酬』のジェマ・アータートンや、「実は私が悪役です」って名札を下げているかのようだった『シャッター アイランド』『ラッキーナンバー７』のベン・キングズレー、ヒゲと隈取りで肝心の目力が弱まっていた印象のある『ピンクパンサー２』『ダ・ヴィンチ・コード』のアルフレッド・モリナなど、差し障りのない適材適所的キャスティングが施されている。暴走させると結構いい味を出す『処刑島』のトビー・ケベルや、その濃い持ち味が発揮できていなかった『ラブリーボーン』のリース・リッチーの扱いは、ちょっともったいなかったですが。


攻め入る前に戻った方がいいんじゃないですか？誰も死なないですし。

↓↓お帰りの際にでもぽちりと↓↓
　　　

　　　　　　　　

　　　　　　　　

Comments

こんにつあーっ！

ディズニーアドベンチャー映画って
「鑑賞は劇場のみ突っ込み禁止」って但し書きが、どこかにあるはずです。絶対。

ハンパなくお金のかかった、こういう中身スカスカ映画は劇場鑑賞ではいいんですがね、DVDだとごまかしが効かないっていうか・・。む〜ん。

ジェイク・ギレンホールと格闘技好きな私には、見ごたえのある格闘シーン満載でそれだけでも充分OKでしたが、それにしても、びっくりなのがドーピング疑惑が出たほどのジェイクの身体。どうやれば、あれほどムキムキに？

Posted by かえる星人 at 2010年10月27日 09:40

かえる星人さま、こんにちは！
＞鑑賞は劇場のみ突っ込み禁止
ブラッカイマー映画って、面白そうな予告編で釣って、それっぽい画面と生理的に盛り上がっている気分になる音楽で面白い物を見ているって気分にさせて概ねゴールって感じなんで、アトラクションとして評価すればもちろん変わってくるんですが、落ち着いて映画として楽しもうとすると、もう散々＾＾；
とは言っても、物語が壊滅してても映画的に面白くなる作りをしていれば、マイケル・ベイの『ザ・ロック』みたいに楽しめるんですが、本作は壊滅していない分、突出もなく。
ジェイク・ギレンホールって、ちょっとムッチリした印象があったんで、ちょっと鍛えればすぐ筋肉質になるんでしょうかねぇ。

Posted by たお at 2010年10月27日 12:55

＞壊滅していない分、突出もなく。
うーん、言い得てますね。

「こんなところでどうでしょう。」
「まあ、そんなもんでしょうな。」
ってえ感じの映画でした。

あっそうそう、
「卒なく面白くはできてますけど、
　じっくり見ないでね」
って一言付け加えておかないと。

Posted by KGR at 2010年10月27日 16:20

“面白いところは予告を見れば充分”系でしたが（苦笑）、あの衣装とあの剣とジェイクのウニョッとした口元＆アクションが沢山見られたので、ＯＫということにしておきました（笑）

Posted by 哀生龍 at 2010年10月27日 20:28

はーー、ゲームってそんな感じなんですか！
映画見てる人に、ゲームのことを知ってる人はあまりいなかったように思いまして、とんと理解不能でした。
なるほど！！勉強（？）になりました。
ま、映画はブラッカイマーだからなあ・・で済んじゃうまでの人になったんだなあ、ということで。

Posted by sakurai at 2010年10月27日 20:57

ゲームの動きを再現した、ということらしかったですが、ゲームをしたことなかったので、素直にハーッ、ジェイク凄いアクションだわ〜、と感心してました（笑）劇場で一番大きいスクリーンで観たおかげもあったかも(^^;)　彼の意外な一面が観れたのがよかったです♪

Posted by りら at 2010年10月27日 21:16

たおさん、こんばんは♪
＞オチが「間違ってたよ。ゴメンねぇ。お詫びに弟やるよ」
笑っちゃいけないが笑っちゃった（＾＾）♪
ワクワク感は無くとも、アクションとか楽しめたはずなのに不満がやたらと残った映画でした〜。
ブラッカイマーさん、お金があって趣味的内容の映画を出してくれるのだから、もっとちゃんと作ってくれたらいいのに・・・。

Posted by りどる at 2010年10月28日 00:28

たおさんはゲームプレイ済なんですね！
私は普段ゲームはあまりやったことないので、もちろん原作ゲームも未プレイです。
ニュルニュル動く主人公ってスゴイですね(笑)

実写ディズニーといえば！
もうすぐ「トロン：レガシー」やりますね。
ストーリーはともかく、３Ｄ映像美に期待してるんですが、どうなんでしょう…？

Posted by むら at 2010年10月28日 01:54

KGR様、こんばんは！
打算的と言うか、「大丈夫！バレないよ！」みたいな安易さも。予告編で釣れれば万々歳なブラッカイマー作品なんですが、興行成績を見る限り、ばれちゃったようでｗ

Posted by たお at 2010年10月28日 02:43

哀生龍さま、こんばんはー！
この作品の評価が「ジェイクがいい！」に集中しているような気がしますねぇ、どこもｗ
まぁ、そこを褒めないと・・・ねえ？＾＾；

Posted by たお at 2010年10月28日 02:47

sakurai様、こんばんは！
ゲームをやったことがあるからって、どうってことなかった作品ですが＾＾；
まぁ、初代のゲームをリイマジネーションしたとかなんとかの本作と同名のゲームはやったことがないんで、一概に何とも言えませんが、多分べつにゲーム映画ってわけでもないんでしょうし。

Posted by たお at 2010年10月28日 02:49

りら様、こんばんはー！
ゲームの動きを再現したってことは、やっぱり初代ゲームの映画かじゃないんでしょうかねぇ。だったら、ジェイクはグネグネ動くはずだし、走って止まる度に、ちょっと滑るはずだし。

Posted by たお at 2010年10月28日 02:51

りどる様、こんばんはー！
あんな謝罪の仕方ないですよねぇ＾＾；
ブラッカイマーは、基本的に予告編で観客が来ればゴールな感じの人なんで、まぁこんなもんなのかなぁと。
なんとも、さっきからブラッカイマーのことばかり書いているような気が。

Posted by たお at 2010年10月28日 02:56

むら様、こんばんはー！
ずいぶん前にスーファミで遊んだ時は、その関節が人より一つ二つ多そうな動き方に、「スゲェ！」というか「気持ち悪！」と思ったもんです。
『トロン：レガシー』はまぁ、オリジナルもあんまりな作品だったので、ダフト・パンクの音楽に合わせて、アトラクションとして劇場で楽しむ分には、いいのかなと＾＾；
ジェフ・ブリッジスが前と同じ役で出ているのは嬉しいですが。

Posted by たお at 2010年10月28日 03:01

スーファミのプリンスオブペルシャ、
ヌルヌルクニャクニャ動く主人公を自在に扱えるようになるとけっこう楽しくて、
がっつりハマってしまった思い出深いゲームです。
続編はぜんぜんやってないけど。
映画はゲームとは別物だろう・・・と期待してなかったのですが、
思いのほかゲームっぽいアクションで楽しめてしまいました。

Posted by kenko at 2010年10月28日 22:21

kenko様、こんばんはー！
ハマる前に、ぶん投げちゃったくちです＾＾；
アクション自体はオールドスクールな感じで良いんですけどねぇ。。。

Posted by たお at 2010年10月29日 00:43