2001年 アメリカ映画 104分 コメディ 採点★★★★
「『スター・ウォーズ』でデス・スター破壊したのはいいんだよ。どうせ帝国兵士で一杯だったんだろうし。でもさ、『ジェダイの復讐』の時ってまだ建設中だっただろ?てことはさ、あちこちの星からムリヤリ連れてこられただろう大工やら配管工で一杯だったはずだよ。それ破壊すんのは、あんまりじゃねぇ?」
ケヴィン・スミスの第一作目『クラークス』でこのセリフを聞いて以来、ケヴィン・スミスにメロメロです。
当時、監督自身に起こったちょっとイヤなことに対する憂さ晴らしも兼ねて、第一作目からケヴィン・スミス映画を観続けたファンに贈る、ささやかなプレゼント的映画。それ以外の方々には、あんまり嬉しくない映画かもしれませんが…。
馴染みのコンビニの前で、ハッパを売りながら一日中たむろするのが日課のジェイとサイレント・ボブ。彼らをモデルにしたコミック『ブラントマン&クロニック』が映画化されることとなったが、その映画についてネット掲示板に大量の悪口が書き込まれている事を知った彼らは激怒。映画が製作されなければ、悪口は書けないという理論の基、製作を阻止する為ハリウッドへ向かう。
監督自身が演じる無口なサイレント・ボブと、監督の幼馴染でもあるジェイソン・ミューズ演じるお喋りなジェイは、第一作目の『クラークス』から登場。シャマラン映画のシャマラン同様、作品を重ねる毎に出番を増やしていき、遂に主役の座に。てことは、いずれシャマラン主演の映画が?それは、観たくないなぁ。
『クラークス』から前作『ドグマ』まで続いた、“ニュージャージー・クロニクル”の最終章と位置づけられ、これまで登場したキャラクターが一挙出演。打ち上げパーティーのような賑やかさが、作品に溢れている。実際この作品で、ジェイ&サイレント・ボブを終わりにしようと考えていたようで、メイキングを見る限り、まるでジェイソン・ミューズが死んでしまったかのような扱いだ。打ち上げとなれば俳優陣も豪勢で、ベン・アフレックやジェイソン・リーなどの常連はもちろんのこと、過去に出演したことのある俳優や、友達が友達を呼ぶ形式で、ものすごい大所帯に。ウィル・フェレルまでもが登場。その部分だけ、違う映画のようでしたが。この打ち上げムードの中、ちゃっかりルーク・スカイウォーカーとレイア姫も出演させ、自分の夢まで叶えるケヴィン・スミス。驚くことに、この二人が同じ映画に出るのは『ジェダイの復讐』以来だとか。
自身の身に起きた出来事を映画にするのは、いつものこと。当時、映画『マグノリア』について辛辣なレビューを書いたケヴィン・スミスに、“マグノリア・ファン”が猛反発。相当叩かれ、ご立腹。実際に書き込んだ人間ひとりひとりを叩きのめすのは不可能なので、劇中でその夢を実現している。というか、そのシーンを描くために映画を作ったとも言えますが。
劇中、228回も「ファック」が連呼されますが、ジェイのキャラクターなのでご容赦を。ケヴィン・スミス自身、聞こえのいい言葉だけを使うのに抵抗があるものと思われますし。また、ゲイネタが異常なまで多いのも、この映画の特徴。実際この監督の映画は女性との恋愛を描くものが多いが、非常に仲のよい男性二人組を描く場合も多く、それに対するひねったユーモアではないだろうか。ま、お上品な映画ではありませんけどね。
本作には監督の奥さんが宝石窃盗団の一人として出演。誰とは言いませんが、一人だけ浮いてますのでスグ分かります。監督自身も後悔しているようなので、許してやってください。また、ボブの子供時代を監督の娘さんがやってるのも、勘弁してやってください。親バカなだけですから。
この作品の後、ジェイ&サイレント・ボブの登場しない別の世界が舞台の『世界で一番パパが好き!』を製作し、本気で彼らが出る映画を作らないのかと心配しましたが、次回作は『クラークス2』。安心しました。彼らの出ないケヴィン・スミス映画は、シャマランの出ないシャマラン映画のようなものですから。ちょっと違いますね。
ケヴィン・スミス映画を未見の方と、網羅している方では面白さが格段に違う作品ですので、ご覧になる際は『クラークス』『モール・ラッツ』『チェイシング・エイミー』『ドグマ』の順にご覧あれ。面倒くさい?でも、『ロード・オブ・ザ・リング』を、いきなり『王の帰還』から観たりはしませんよね?
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それと、ケヴィン・スミスが「グリーン・ホーネット」の映画化で監督をするかも、というニュースは、その後どうなったんでしょうね?
ケヴィン・スミス本人はアクションシーンの演出が苦手なようなので、あの話は立ち消えでしょうねぇ。。。
でも、あの二人が帰ってくるなら(もちろんジェイ&ボブですが、ダンテ&ランドルも嬉しい!)文句なしです!
冒頭であげてらっしゃる『クラークス』の会話(スターウォ−ズの話)、わたしもしびれました^^
これからちょくちょく寄らせていただきますね!
ケヴィン・スミスの作品は『スター・ウォーズ』愛に満ちていて嬉しいですよね^^
これからもよろしくお願いします♪