2003年 アメリカ映画 95分 コメディ 採点★★★
いったいどこで息継ぎをしているのか分からないほどの勢いで、ありとあらゆるものを罵倒するコメディアン、クリス・ロック。ブッシュ政権に対し、早々と反対の姿勢を示していた彼が、イラク空爆の始まった2003年に公開した監督兼任作。民主党だろうが共和党だろうが、関係なく罵倒しまくります。毒気は、かなーりないけど。
【ストーリー】
せっかく推薦した大統領候補は飛行機事故で死んじゃって、今回の選挙は誰を代わりに立てても敗戦濃厚。じゃぁ、次期大統領選へ向けて党人気の獲得のために、選挙には負けるけど人気の出そうなのを探してみたら…あ、いた。黒人の市議会議員が。
民主党と共和党の政策の違いや、性格の違いについては、各自頑張って調べてね。書くと長いから。この映画に出てくる2大政党は、その両方をブレンドしてあるので、どちらかに肩入れしているわけではなさそう。劇中、その両方をコケにしているクリス・ロック自身は、確か民主党支持者だったはずだけど。まぁ、相手がブッシュじゃ、そうなるのも仕方がないが。
なんか、TVドラマを見ているかのようにスケール感に乏しい映画だったが、テーマと初監督でもあるこの作品に対する、クリス・ロックの思い入れだけはビシビシと伝わる。製作・脚本・監督・主演を兼ね、黒い『ズーランダー』にもなり得た作品だったが、残念なのはPG-13のレイティングに拘り過ぎたのか、彼の売りである“毒気”が全くない。必殺技を封印してしまった彼には覇気もパンチ力もなく、笑いも常に低空飛行。ミッキーさんだって、ネコパンチがなければ両国を沸かせることが出来なかったのだから、クリス・ロックもレイティングに囚われず、開き直って欲しかったところですね。どーせ、13歳以下には選挙権ないんだし。
劇中低迷を続ける黒いベン・スティラーを救うのが、バーニー・マック。彼の登場で、画面が一気に引き締まる。正直、擦り切れるほど観ている『チャーリーズ・エンジェル フルスロットル』くらいでしか見たことないので、どんな芸人なのかは分からないんですが、この作品では、どこかベテラン新喜劇芸人が放つのと同様のオーラを感じる。とにかくどつく。どついてどついてどつきまくる。恐怖と笑いの紙一重の場所に立っているバーニーの怪演と、ネイト・ドッグの歌声に★オマケ。
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