1997年 アメリカ映画 104分 アクション 採点★★★
車やファッションに興味もなく、アクセサリー類も鬱陶しいので一切身につけない私。そんな私なので、ある日突然大金持ちになったとしても、何に大枚をはたくのかちょっと想像できない。まぁ、DVDとCDの数が更に増えて、食べたい物を迷わず食べるって生活にしかならない気もしますが。あ、あと釣竿が妙に立派になるとか。やりたい放題も、なかなか難しいもので。
【ストーリー】
大企業による有害物質の不法投棄が続く山間の田舎町に、同僚を殺され怒りに燃える環境調査員のセガールがやって来て、大暴れ。
製作・主演のみならず、劇中に流れる曲の大半も手掛けるセガールが、当時セガールの中でブームだった環境問題を取り入れやりたい放題にやった一本。
大企業による環境汚染問題を中心に、田舎特有の陰湿な空気、近親相姦に伴う親殺し事件など、普通に撮れば劇中でも語られる『脱出』のような陰惨な社会派サスペンスになりそうなものを、そこにセガールを投入しただけで、あら不思議。いつものセガール映画の出来上がり。脅迫なんてものともしない、というかいくら脅されてもちょっと気分を害するだけの絶対神セガールが、お得意の減らず口と見下した笑顔で悪党を一方的に不快にし、バキバキーボキボキーと一方的にぶちのめす本作。追い詰められた主人公が爆発するまでのハラハラを楽しむのではなく、「あぁ!そんなに近づいたら殴られるよ!」と悪党に対してハラハラしちゃうのも、いつものお楽しみ。
とりあえず環境に対する警鐘や、法律の不備なんかもテーマとして謳ってはいるものの、劇中の結構な時間を「オレの好きな音楽を、おまえらも聴け!」とばかりの音楽シーンに使われているので、テーマはおろかアクションシーンまでアヤフヤになってしまっているのは、ちょっと辛いですが。おかげで、体感時間が2時間を超えるマッタリ感が全編を覆うことに。
自前としか思えない奇抜なファッションで登場するセガール。まぁ、いつものことなんですが。設定上は武術とは縁遠そうな環境保護庁調査員ではあるものの、中身はいつものセガール。まだ絶頂期と言うこともあって得意のセガール拳のキレは流石だが、早回しも随分と使用し始めているので、ここから始まるダメセガール街道の兆しも見え隠れ。でもまぁ、減らず口も冴えわたっているし、“セガールが微笑み始めたら危険信号”の凄味も健在なので、最近のセガールにやられっ放しの身には嬉しい。ブルース歌手としてもなかなかの腕前を持つセガールだけに、劇中さらりと弾くギターや楽曲の数々に、「本当はイーストウッドみたいな人になりたかったのかなぁ」とも思ったりも。
共演に『ジャケット』『ブレイド3』のクリス・クリストファーソンと、『宇宙人の解剖』『ビッグ・バウンス』のハリー・ディーン・スタントンが登場。まぁどちらも、役者としてと言うよりも、音楽家として一緒にセガールが出てみたかったってのが本音なんでしょうねぇ。そう言った意味ではなかなかの顔ぶれが揃った本作のサントラなんですが、ただジャケットに写っている細面の男前は誰なんでしょうねぇ。
趣味と実益の兼ね過ぎ
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セガールの作品って、時々セガールとは似ても似つかぬ細面の人がメインに描かれてたりするから油断も隙もあったもんじゃない。