1990年 アメリカ映画 108分 アクション 採点★★★
PVで有名になって映画監督になるみたいな感じで、エルム街の悪夢シリーズも若手監督の登竜門みたいな時期がありましたねぇ。『ヒドゥン』のジャック・ショルダーに、『ブロブ/宇宙からの不明物体』のチャック・ラッセル、『クリフハンガー』のレニー・ハーリンと、錚々たる顔ぶれ。まぁ皆さん、失速するのも早かったですが。
【ストーリー】
麻薬組織との抗争が激化するロサンゼルス。激しい銃撃戦の末ギャングを追い詰めたハリガン警部補らが目にしたのは、何者かに無残に殺されたギャングたちの姿であった。仲間を失いながらも目に見えない殺人者を追うハリガン警部補の前に、プレデターがその姿を現し…。
シュワルツェネッガー主演で大ヒットしたSFアクション『プレデター』の続編。前作のジョン・マクティアナンに「潜水艦の映画撮るから忙しい」と断られたこともあり、『エルム街の悪夢5/ザ・ドリームチャイルド』で認められた『リーピング』のスティーヴン・ホプキンスがメガホンを握る。
前作のジャングルから、公開当時から見て近未来の大都会へと舞台を移した本作。記録的な猛暑に見舞われながらも、皆汗だくになりながら長袖&ジャケット姿なのも、まぁ近未来だからだと。戦争アクションに異星人という異物を放り込んだ妙な味わいが特徴だった前作から変わって、刑事アクションに異星人を放り込んだ本作。プレデター自体は既にネタが割れている上に、都会ならではのプレデター活用法も驚くほどの工夫がされていないのだが、プレデターがそこそこ弱いってこともあり、他の登場人物とのバランスが取れ、そこそこのアクション映画としての楽しみはある。ヴードゥーを絡めたちょっとしたホラー風味も相性が良い。如何せんダラダラと続くクライマックスは頂けないし、まがりなりにもアクション映画のヒーローが、低予算ゾンビ映画のゾンビみたいな白塗りの顔で立ちつくす決め顔は存分に笑わせてもらった反面、締めとして如何なものかとも思うのだが、遊び心で置いてみたエイリアンの頭蓋骨が観る者全ての夢をばんばん膨らまし、結果的に映画となったことを考えると嫌いにはれない作品。出来上がった作品が、夢のままで終わってた方が良かったと思えるような物でも。
両手を前に出し、中腰で「待て待て待て待て」と言ってる姿が真っ先に浮かんでしまう『ザ・シューター/極大射程』のダニー・グローヴァーが主演ってことに、まず驚いてしまう本作。とは言っても元々上手い俳優だし、絶対負けそうにないシュワルツェネッガーが苦戦したプレデターの相手を、どうにも勝てそうにないダニー・グローヴァーが相手をするってギャップは面白いし、活かされてもいる。なんと言うか、ヒョードルを前にした永田さんみたいな。で、永田さんが勝っちゃうみたいな。
そのダニー・グローヴァーが相手をする今回のプレデターだが、なんとも丁度良い具合に弱い。前作以上に装備を固めているのに、弱い。今回のプレデターが前回のと同等の力を持ってるとすると、ダニー・グローヴァーはシュワルツェネッガーより強いってことになる。いやぁ、それはないなぁ。前回のは、単身やって来たいかにもプロのハンターって感じだったのに、今回のはお連れが随分といる。しかも、長老っぽいのが仲間が倒されたのにもかかわらず、「よく頑張ったね」みたいに記念品まであげてる。なんか、どっかの部族の成人の儀式みたい。多分そうだ。大人の仲間入りするために、成人式で地球にやって来た青二才だったんだ。だから弱いんだ。納得。
で、そんなダニー・グローヴァーとそこそこ弱いプレデターが印象に残る本作だが、ざっと見渡してみると、『リーサル・ウェポン』でも共演済みである『ソルジャー』の怪優ゲイリー・ビューシイに、ラテン女の代表格として80年代に重宝された『ダブルボーダー』『マクベイン』のマリア・コンチータ・アロンゾ、プロフィールにわざわざ“アレック・ボールドウィンたちの兄弟とは関係がない”と書かれる『フルメタル・ジャケット』のアダム・ボールドウィン、相変わらずヘラヘラ芸に冴えわたる『ニア・ダーク/月夜の出来事』のビル・パクストンと、味のある顔ぶれが結構好み。
「こっから飛んだら大人だよ」って言われても…
↓↓お帰りの際にでもぽちりと↓↓
>「こっから飛んだら大人だよ」って言われても…
ってので駄目押しに爆笑しちゃいましたよ(笑)。今からでもVSじゃなくて正統の『3』、作ってくれんもんですかね…
なんか、ダニー・グローヴァーでハラハラさせようって感じだったんですかねぇ、このキャスティング。
>からでもVSじゃなくて正統の『3』、作ってくれんもんですかね…
そう!ファンとしては、リイマジネーションなんかじゃなく、土地土地の特性を活かした正当な3を観たいんですけどねぇ。
シュワちゃんより明らかに弱いグローヴァーがプレデターと戦う。
それだけでハラハラドキドキですよね♪
実はそれが今作の狙いだったのかもww?
まだ「1」のリメイク…リイマジネーションは観てないんですけど、どうなんだろ?
次は都会が舞台だ!…って続くのかな?
明らかにそこが狙いですw
『プレデターズ』は予告編以外の情報を知らないんでなんとも言えないんですが、アウェイ戦が続いたんで今度はホームだって感じに見えましたねぇ。で、主人公が既に強そうに見えなかったんで、シリーズが進むと、最終的に子供店長みたいなのとプレデターが戦うのでは?
肉体的には“そこそこ弱い”けど、頭脳と“そこそこの威力”を持つ狩用の武器を如何に使って、みんなよりも変わった頭蓋骨を集められるか!
それも、1人っきりでどこまで頑張れるかが、立派なプレデターの証!
そんなプレデターと言うキャラの習性・性格を補足説明した作品なのかな、と思いながら見ました。
普通続編と言うと、敵も味方もパワーアップするもんなんですが、これはその逆を行っちゃってるんですよねぇ。で、それでつまんなくなってるかと言うと、そうでもなく、かえってプレデターのキャラが磨かれることに。
宇宙船内に飾ってあった頭蓋骨は、きっと全部仲間たちのコレクションで、自分だけ良いのを獲得出来てなかったから焦ってたんでしょうねぇ、今回のアイツは。