2008年 タイ映画 98分 アクション 採点★★★
たまたま私が行ってる店がそうなのか、「今日はアジア映画を観るぞー!」と張り切ってアジア映画コーナーに向かっても、置いてあるのはお隣さんの物ばかり。タイ映画はおろか、香港映画の新作すらも、最下段の隅っこの方に申し訳なさそうにクシュっと置かれている。もちろんタイトル数も、極々僅か。「なんだい?ちょっと嫌気が差して観ていない間に、お隣さんの映画やTVが格段と面白くなったのかい?」と何本か手を伸ばしパッケージを隅々眺めるも、食指は全く動かず。「アジア映画が観たい!」って気分は変わらないので、結局家に帰ってもう何度観たか分からない『ポリス・ストーリー/香港国際警察』やら『ザ・ミッション 非情の掟』やらを繰り返し観る羽目に。おかしいなぁ。アジアに住んでるのに、アジア映画が観れなくなってきたぞ。
【ストーリー】
アユタヤ王朝時代のタイ。国王である父と母をラーチャセーナ殺されたティンは、辛うじて難を逃れるも奴隷商人に捕まり危機に陥る。そこを山賊ガルーダの翼峰のリーダー、チューナンらに救われ、彼らのもとで様々な武術を学ぶことに。立派な戦士に育ったティンを後継者にと考えるチューナンであったが、親を殺された復讐に燃えるティンを、単身ラーチャセーナ討伐に向かわせるのだが…。
“とりあえず死なない”をクリアポイントにした凄まじいアクションのつるべ打ちで魅了した『マッハ!』の続編。まぁ、続編とは言っても時代背景も人物も、それこそタイトルの仏像すらも関係ないんですが。トニー・ジャー自身が監督に初挑戦し、共同監督として前作や『トム・ヤム・クン!』でもアクション監督を務めたパンナー・リットグライが登板。
アユタヤ王朝がどんなんだったのか疎いので時代背景は分からないのだが、それでも全然大丈夫な定番的復讐物語で進む本作。そのがっちり土台の固められた物語の上で繰り広げられるアクションは相変わらずのレベルの高さだし、その迫力を損なわないようにフレームに収める手腕も見事。ムエタイはもとより、剣術、カンフー、そして酔拳までも取り入れたバラエティ豊かな格闘シーンは、観る者を飽きさせない。
ただ、そのアクションシーンが始まるとストーリーがぴたっと止まってしまうのは気になる所。その部分だけ“トニー・ジャー博覧会”の様相すら。結果ストーリーの配分バランスが崩れたのか、「復讐ばっかり考えてると、負の連鎖に巻き込まれるよ」ってメッセージがラストにドタバタと押し込まれたようになり、なんとも連載打ち切り漫画を読んでいるような感覚を覚えることに。まぁ、こっから『マッハ3』に続くんでしょうが、バトンタッチの仕方としては、やっぱり唐突。
剣術は若干苦手だったのかコマ落としでの表現が目に付いたのだが、ムエタイをはじめとする体術では流石の冴えを見せたトニー・ジャー。その華麗な技も、身体を張ったスタントの数々も目を見張る。ただ、そのトニー・ジャーの好敵手となる存在がいないのが気になる。トニー・ジャーを脅かす存在感を示す程身体が動く相手も出てこなければ、命がけスタントもほぼトニー・ジャー一人でこなしているようにも見える。なんと言うか、店長一人が頑張ってるお店のような感じ。製作するのに色々と揉めた本作らしいが、その辺が出てしまったんでしょうかねぇ?
良い部分が多いだけに、逆に色々目に付いてしまった本作だが、『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』のペレンノール野の決戦でのレゴラスを生で再現したかのような象アクションも見れたので、★オマケで。『マッハ3』にも期待してますし。評判は芳しくないようですが…。
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こちらにコメントするのは久しぶりですね。
以後よろしくお願いします。
>なんとも連載打ち切り漫画を読んでいるような感覚
あー、そうかもしれませんね。
『マッハ!弐』って、『聖闘士星矢』の大ヒットを受けて車田正美が似たような設定で始めた次回作『サイレントナイト翔』みたいな作品かもしれませんね(←例えが微妙)。
自分はこの作品をわざわざ劇場まで観に行ったので、ガックリ感も尋常じゃなかったです。
仮に『マッハ!参』があったとしても観に行かないですね、きっと(自分が最後に聞いた噂ではトニー・ジャー、『マッハ!弐』で何もかも懲りてしまって俳優業からも引退してしまった、って話ですが、、、なにぶんタイのことなんで真偽の程は定かではないですが。)。
ご無沙汰しております!
まぁなんとも困難だらけだったらしい本作。それがまんま出ちゃったような感じでしたねぇ。明るさの欠片もないストーリーも不評だったようで。でも、なんだかんだで3も観ると思います^^;