1995年 アメリカ映画 85分 ドラマ 採点★★★★
良質の人情落語を聴いているかのようだった傑作『スモーク』。撮影終了後に、ちょこっと余った時間とお金を使って作り上げたのが、コレ。正直に言うと、『スモーク』より好き。なんで、DVD出てないの?
ブルックリンの街角にあるオギー・レーンの煙草屋。人種を超えた様々な人間達が行き交い、ドラマを生んだこの店がなくなるかも知れないという話が持ち上がる。
初歩的な状況設定と、10分間だけを与えられた俳優達による即興演技。ある時は楽しげに、ある時は気恥ずかしげに演じられるスケッチの間には、特に統一されたストーリー展開は存在しない。その街角の喧騒のごとき会話の数々によって、オギーが、煙草屋が、そしてブルックリンが如何に愛されているのかがヒシヒシと伝わってくる。
この実験的とも言える作品が、退屈する事もなく映画として最後まで完成されているのは、ハーヴェイ・カイテル演じるオギー・レーンのキャラクターによるものが大きい。ストーリー展開上は不要だが、人物の肉付けとして重要となる無駄な動作、とっさの反応などが統一されているため、キャラクターとしてリアルで、実際ブルックリンに行けば、オギーに会える気さえしてくる。私の実家の裏手にある玩具屋の旦那も、こんな感じの人だったし。
『スモーク』のスナップ写真の如く日々遷り変わるブルックリンで、変わることなく存在し続ける煙草屋。その店内で、人々の会話を小耳に挟んでいるかのような楽しさが、この映画に溢れている。
大人になったらミッキーさんになる予定の私ですが、オギーにもなりたいです。
こういう大人になれば、モテ続けられるかな
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