1987年 アメリカ映画 107分 アクション 採点★★★★
ロシア版のやつはさて置き、なにやらリメイクの話が出ている『コマンドー』。別に格段と話が面白いわけでもなく、ただ立ってるだけでも面白いシュワルツェネッガーという稀代の筋肉キャラがいたからこそ面白かった筋肉映画だと思うんですが。面白かった部分を思い出してみても、電話ボックスをなぎ倒したり、車のシートを引っぺがしたりと、概ね筋肉が活躍している部分ですし。まぁ、ジョン・シナ辺りに主演をやらせて、家族愛ってのをもうちょっと濃厚にした作品になるんだろうなぁとは思いますが、もちろん一度はロケットランチャー逆向きで撃ちますよね?弾は無尽蔵ですよね?雑魚キャラは板ですよね?

【ストーリー】
要人救助に南米のジャングルに向かった特殊精鋭部隊。難なく現地ゲリラを一掃するが、姿の見えない何物かが、彼らを一人一人血祭りに上げていく。

『ダイ・ハード』のジョン・マクティアナン監督によるSFアクション。
見るからに向かうところ敵なしのシュワルツェネッガーに対抗できるのは宇宙人ぐらいであろうという安易な発想ありきの作品のように思えて、実のところ全然そうでもない本作。ある意味、シュワルツェネッガーすらも噛ませ犬。
オープニングに宇宙船を出しちゃってネタを割ってしまっているものの、そんなことも忘れてしまう程のド派手な密林戦で幕を開ける本作。一人でも一個中隊くらいは相手に出来そうな精鋭筋肉集団の活躍を散々見せてから、一転彼らが追われる身となる急展開が面白い。一気呵成に見せておきながら、当時でも想定内の風貌をした落ち武者エイリアンが姿を見せてから、ややテンポも物語の面白味もトーンダウンしてしまうが、精鋭筋肉が束になっても敵わないってことで箔が付いたプレデターとシュワルツェネッガーの一騎打ちはやはり迫力十分。シュワルツェネッガーという一枚看板役者の作品であるにもかかわらず、敵役も看板もどどーんと立つ、80年代の忘れられない作品の一つ。

筋肉が付いてれば大体の難題は解決できる筋肉映画を確立した、『レッドブル』『トータル・リコール』のシュワルツェネッガーを筆頭として、いっそのこと『アクション・ジャクソン/大都会最前線』をずーっとシリーズ化し続けても良かったんじゃないかとも思えるカール・ウェザースと『ペイバック』のビル・デュークという黒い筋肉山脈に、腕っ節だけで言えば市長として最高位にいたであろうジェシー・ヴェンチュラ、プレデターを前に男魂に火が付いたはいいが、付いただけで終わってしまったのが残念なウォルター・ヒル作品の常連ソニー・ランダムといった、筋肉の佃煮的キャスティングが光る本作。非筋肉系ではあるが、『リーサル・ウェポン』『ラスト・ボーイスカウト』と、書く脚本は充分に筋肉な『キスキス,バンバン』のシェーン・ブラックも、俳優として参加。
舞台のジャングルと相まってギットギトな顔ぶれが揃った本作だが、やはり目玉はプレデター。“肉食獣”って呼び名になっちゃってどうにも野蛮な感じのプレデターであるが、何気に厳しい自分ルールに則って動いている様は、当初のタイトル通りまさにハンター。猛獣狩りを楽しむ人間と同様、最低限身を守る装備はしているが、基本危険と隣り合わせの状況を楽しむ様は、文明人そのもの。『プレデター2』では通過儀礼的なものも匂わせているが、本作でのプレデターの行動理由はあくまで娯楽。シュワルツェネッガーの頭の形を見て「ウフー」となるのも、頭蓋骨収集という趣味と娯楽の表れ。そんな理解のしやすさと、強者を求め続けるストイックさには、やっぱり男の子心をくすぐられる。
「ヴァン・ダムがやってた!」ってことでも有名なプレデターだが、まぁやってたにはやってたが、如何せん2日間だけなので、“やってたこともある”程度に。じゃないとなんか、体験入学が学歴になってるような感じですし。

シュワやピート・ポスルスウェイトのような頭蓋骨の形がお気に入りのようで
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汗と埃にまみれた肉体労働とか、男としての原点回帰を目指してたような世相なんでしょうねぇ。最近だと結局家庭に回帰しちゃうみたいな。だから、スタローンみたいな筋肉説教が、これまた新鮮。
プレデターってキャラクターを作ったっていうのが、この作品の一番の手柄ですね。
前半、後半でなんか違う作品のような分断感はあるのせよ、二枚看板でなんとかまとめきってしまった強引さがスゴいです。
シュワを食っちゃう存在感ですからねぇ、プレデター。プレデターズはまだ観てないんですが、そこそこの期待で観てみようかと。
高い知能を持つ狩人なのに、手傷を負っていながら深追いするという基本的ミスを犯したのは、そこまでしても欲しかった頭蓋骨だったからなんですね!
納得です(笑)
コレクターなんですよね、プレデター。それも結構マニアックな。チェ・ホンマンなんか見ちゃったら、ヨダレ垂らして喜ぶんでしょうねぇ。