ドミノ (Domino)

監督　トニー・スコット　主演　キーラ・ナイトレイ
2005年　アメリカ／フランス映画　127分　アクション　採点★★★★

ドン・シンプソンとジェリー・ブラッカイマーの手駒として、派手な映像と音楽の洪水で、観ている間は面白い気がするが、観終わった後スッカリ忘れてしまう映画を連発していたトニー・スコット。リドリーの弟。「あ〜、『トップガン』のぉ」と、いまだにカラッポ映画界の巨匠の冠が付きまとうが、自らのプロダクションで映画を作り始めてからは、だいぶ遊び心に溢れた映画を作り始めている。もう、「リドリー・スコットの映画から、中身を抜いたやつ」とは言わせない。

【ストーリー】
有名俳優の父とモデルの母の間に産まれたドミノ。恵まれすぎた家庭環境に虚しさを感じるドミノは、街へ出て賞金稼ぎとなる。その美貌とバックグラウンドから、メディアでも取り上げられるようになった頃、ある現金輸送車強盗事件の犯人確保の仕事が入る。しかし、その事件の裏には大きなカラクリが隠されていた。



冒頭に“実話のようなもの”と出るように、ドミノの出自といくつかの出来事以外はフィクションだ。ラストシーンに、クライマックスとなる舞台を背景に実際のドミノが姿を現すのは、事実と虚実の境が曖昧である事の証にも見える。“実話映画”の、実際の出来事に多少の演出を加えた作品を期待するのには、映画が進むにつれ虚実が加速度を増し入り込むのは、不快に思うかもしれない。しかし、それがドミノの人生なのだ。事実を基にしたキレイゴト実話映画なら、ロン・ハワードにでも作らせておけばいい。
裕福で恵まれた家庭と、犯罪が蔓延る街角。その狭間に生きるドミノにとって、どちらも真実であり、どちらも虚実である。いつも以上に過剰なまで映像をいじり、自身の監督作でもある『トゥルー・ロマンス』を空虚とも思える展開の下地にし、非常にハリウッド的なクライマックスを迎えるのも、虚栄の象徴としてではないのだろうか。その虚栄の象徴に実在のドミノを立たせる事によって、ドミノの心情を描き出している。



キーラ・ナイトレイについては、既にアチコチで書かれてるだろうし、ヌンチャク姿以外は特に心を躍らされなかったので、ここではやっぱりミッキーさんを絶賛で。「キーラかわいいー♪」とか書くのも似合わないし。
ネコパンチと整形手術の失敗でどん底だったミッキーさんも、ここ数年出番も増え始め、『ＳＰＵＮ　スパン』のアダルトビデオ好きの麻薬密造人役で完全復活。本作でも、絶好調。アダルトビデオ好きで、手痛い失恋経験を胸に秘め、「オレはなぁ、スティーヴィー・レイ・ヴォーンとステージに立ってたんだぜ」とヨタを飛ばす、素敵な大人を熱演。ドミノを仲間に入れる理由も、「だって、その方がカッコよく見えるじゃん」と、心しびれるセリフを吐いてくれる。あーゆー大人になりたいです。脇役のアフガン人より影が薄い二枚目役など、いてもいなくてもいいキャラクターが多い中、一人屋台骨背負ってるミッキーさん。どうすれば、あーゆー大人になれるんですか？


ほら、やっぱカッコよく見えるじゃん

↓↓ぽちっとお願いします↓↓
人気blogランキングへ

　　　　　　　　

Comments

TBありがとうございました(*^▽^*)
特殊な映像のせいでひたすら頭ガンガンして集中出来ない作品でした
私は昔からミッキー・ロークが嫌いなので、ブログではケチョンケチョンに書きましたが、若者が憧れるミッキー像はまだ健在みたいで、矛盾してますがホッとしてます(￣ｍ￣〃)

Posted by cherry@Cinemermaid at 2006年04月07日 07:21

cherry@Cinemermaid様こんにちは！
コメント＆ＴＢありがとうございます!!
まったく若者ではないんですけどね…。＾＾；
最盛期からファンだったんで、身体が逆らえないんですよねー。
これからもよろしくお願いします♪

Posted by たお at 2006年04月07日 12:29

コメントどうもでした〜
あの３ショットかっこよかったです
ミッキーロークも久しぶりによかった
なんかイメージ先行の作品でしたけど
とっても楽しめました
では〜

Posted by さくさく at 2006年04月11日 07:35

さくさく様、こんばんは！
コメント＆ＴＢ、ありがとうございます!!
作りこみ過ぎくらいが丁度いい表現を目指してたんでしょうねぇ＾＾；私はかなり好きな作品です♪

Posted by たお at 2006年04月11日 17:31

こんばんにゃー♪
私、作りこみすぎた虚実の狭間にうまく入り込めず拒否反応出てしまったみたい(^o^;
なんだか違和感が残りすぎて素直に楽しめなかった。
こうやってたおさんのレビュー見てると損した気分になっちゃった（笑）

※実話はロン・ハワードの下りには爆笑したわン♪

Posted by chibisaru at 2006年09月18日 01:08

chibisaru様こんばんは〜♪
あまりに評判が悪いので、私の観方が悪いのかと不安にもなる一本です＾＾；
でも好きなものは仕方がないですねぇ。
ロン・ハワードは、ソツのない映画を作り続けているうちに、いつの間にか巨匠になってしまった気が。

Posted by たお at 2006年09月18日 20:07

たおさん、こんにちわ♪♪♪

>クライマックスとなる舞台を背景に実際のドミノが姿を現すのは、事実と虚実の境が曖昧である事の証にも見える。

ド派手クラッシュと、肝腎なモノがはっきり見えないラブシーン(怒)の後、
トム・ウェイツが訳知り顔の牧師役で出て来ますが、
あの時点で｢･･･？？｣でありました(苦笑)。

>どうすれば、あーゆー大人になれるんですか？

食事代わりに三度三度酒を飲み、通り掛る街娼全員に声を掛けてれば、いつかあんな大人になれるですよ。
にしても、ロークってＡＶと親和性があるですねぇぇ(苦笑)。

Posted by カゴメ at 2007年03月01日 14:45

カゴメ様こんばんは〜♪
映画としての約束事をスッカリと忘れないと、どうにも楽しめない傾向にある作品のようで＾＾；
んー
まずは通りを娼婦が練り歩いているような所に住まないとなんないようですねぇ・・・。

Posted by たお at 2007年03月02日 20:10

スパンのミッキー兄さんもカッコ良かったですが、本作のミッキー兄貴は更にカッコ良かったです！
ドミノが加わる前の、弟分チョコと楽しくお仕事をしている様子が、物凄ぉ〜〜く見たいんですけど･･･

Posted by 哀生龍 at 2007年06月19日 20:11

哀生龍さまこんばんは〜♪
いい加減に見えて、いざって時に頼りになるアニキかと思いきや、やっぱりいい加減という、まさに男の鑑でしたねぇ、ミッキーさん＾＾

Posted by たお at 2007年06月22日 21:05

　ＴＢ＆コメントさせてもらいますね。
ついにキーラ脱いじゃってましたね〜。
でも、学生役の時に上級生に
「虫にでも刺されたのかい？」
とか言われてたそのままでしたね（爆

Posted by oguogu at 2007年08月08日 23:46

oguogu様こんばんは！
ミッキーさんの事しか記憶に残ってなかったので、このコメントで「あぁ、そういえば脱いでたなぁ」と＾＾；
次回観るときは、それを目的にｗ

Posted by たお at 2007年08月12日 23:02