2010年09月13日

邦題について思うあれやこれや

最近、観た映画のタイトルがさっぱり覚えられない、たおです。セガールの映画なんて、どれがどの沈黙なのかさっぱり思い出せない。まぁ、概ね私の記憶力のキャパの狭さと、セガールの映画は、大体どの沈黙も似たようなものだからっていうのもあるんですが。

ただまぁ、そのタイトルを見てどんな映画なのかさっぱり分からない邦題が多いのも事実。『マシニスト』なんて、観たはずなのにタイトルだけを見ると思い出せない。原題のカタカナ化(及び単純直訳)か、『ワンス・アンド・フォーエバー』みたいによく考えると何の事を言ってるのかサッパリ理解できない謎の英語か、“俺たち”“40歳”“童貞”などのお決まりパターンの組合せばかり。最近だと『月に囚われた男』みたいに、内容もその周辺も彷彿させる良い感じの邦題がめっきりと少なくなった気が。

もちろん、製作側から「タイトル変えちゃダメだよー」って通達があるのかも知れないし、私なんかよりも遥かに経験も知識もあるプロが長時間白熱した会議を開いて決めてるんだから、それなりの意図があるんでしょうけど、古い話でアレだが、結果出てくるのが『バス男』だったりもするから、どうにもこうにも。

ちょっと話がずれますが、映画好きが集まる掲示板なんかを覗いてみると、“原題派”ってのが意外と多くて驚くことも。その原題原理主義な方々の意見を要約してみると、「作り手の込めた思いやテーマが表れているから」ってことに。あと、カタカナの方がなんとなくカッコ良いからってのと。
じゃぁ、その“作り手”ってのは誰なのかってことになってくる。原作があるなら原作者なのか、脚本家なのか、監督なのか、製作者なのか、製作会社なのかと。もし原作者だとして、その理論を適用すると、『スタンド・バイ・ミー』に本来付くべきタイトルは『死体』ってことになる。
本にしろ映画にしろ、商品として世に出る場合はまず“売れる”ってのが必要条件になるんで、作者の意向も重要だがアピールし易いタイトルを付けるってのも重要なのではと。それこそ、例えば私が恋愛小説なんかを書いてしまったとして、よりによって「タイトルは“鍋焼きうどん”が良い!」と言い張ったとする。もちろん編集者はそれをやんわりと受け流して、“愛と哀しみのボロネーゼ”とかなんとか付けるだろうと。

「じゃぁ、公開された原題のまんまで良いじゃん。カタカナにするとかで。英語っぽくてカッコ良いし」ってことにもなりそうだが、そうなると目と耳から入る情報って面で問題がある。如何せんここは日本。英語教育を受けてるとはいえ、いきなり“エクストリーム・プレジュディス”って言われても何のことかサッパリ分からない。直訳して“すっげぇ偏見”にすると、今度はどんな映画か分からない。英語ですらこの様なのだから、ウクライナ語とかになったら始末に負えない
言葉のニュアンスって、やっぱりその国々で異なるのは当然で、同じ単語でも受ける印象が違うってのも十分にあり得る。

そもそもこんな事を考えてしまうのも、別に「言葉を大事にしよー!」なんてことなんかじゃなく、結果的に騙されることになるかも知れないが「面白そうだな!」と思わせる、遊び心ある邦題が少ないってことがあるから。単語そのものは意味を成していなくても、目に入りやすいインパクト、口に出しやすいリズム感なんかがあった『ガバリン』とか『カランバ』とか『デモンズ』とか、なんか濁音と“ン”にこだわる東宝東和作品ばっかりな気もするが、そんなのがなくなっちゃったなぁと。

作品のテーマや雰囲気を壊さず、尚且つ目と耳に入りやすいタイトルを考えるってのはとんでもなく大変な作業だとは思いますし、下手なタイトルつけて興行的に失敗すれば「そんな邦題にするからだー!」と槍玉に挙げらるから嫌だってのも分からなくもないですが、原題のままなら興行的失敗を、少なくてもタイトルの面では責められないで済むってのも随分と後ろ向きですし、そもそもその大変な作業を、制限内に知恵を絞ってやるってのが仕事なんじゃないのかと思うので、是非とも頑張っていただきたいもので。
こんな感じで、今日の愚痴はおしまい。

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タグ:雑記
posted by たお at 01:23 | Comment(2) | TrackBack(0) | 映画雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
『バタリアン』とかもよぉワカラン邦題でしたが『マイドク』とか、トロマだととりあえず『悪魔の毒々』がつくとか、題名ってのは悩ましいものでありますよね。
 
ただホント、監督によっては題名がどうでも良いとしか思ってないんじゃね?って人もいてまぁ『Ong-Bak (『マッハ!』)』は「仏像の首」だからまだいいけど『Tom Yum Goon』とか本編に特に関係無いと担当者も大変でしょうね… あ、でも「バス男」の命名者とそれを許可した人には天誅が下るべきだとは思いますが。
 
ただこの翻案ってのですかね? ワリと日本だけでもなく世界各国でも結構悩ましいもののようで、シンプルだけど意味のあるタイトルの場合は結構変わってたりするんですよね。どうもそれらと比べると最近のカタカナ邦題の多さはチョイ私も安直に思えますわ…
(『THE OTHER GUYS』はやっぱ「俺たちスーパーポリスメン!」になるんですかいのぅ… って、それもぅ『Hot Fuzz』(以下略))
Posted by USA-P at 2010年09月13日 23:07
USA-P様、こんにちはー♪
まぁ、『トムヤムクン』は誰が観ても「タイの映画かな?」と思えるタイトルでしたがw
タイトル決めるのって、ホント大変だと思うんですよねぇ。ずっとそのタイトルが残ったりしますし。ただ、それを生業としている以上は頑張っていただきたいなぁと。安易なタイトルが多すぎますしねぇ。。。
Posted by たお at 2010年09月14日 13:57
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