噂のモーガン夫妻 (Did You Hear About the Morgans?)

監督　マーク・ローレンス　主演　ヒュー・グラント
2009年　アメリカ映画　103分　コメディ　採点★★

普段はお喋りなくせして、肝心な事には途端に口が重くなるたおです。口喧嘩が思いのほか苦手。一方的に罵倒するのは得意。もちろん色々と思ってる事なり考えてる事はあるんですが、いざ口に出そうとすると「あれを言ったらこう思われそうだし、これを言ったらああ思われそうだし」と頭ん中でゴチャゴチャ考え過ぎて、結局ダンマリ。まぁ、職場なんかで「今日は腹を割って話そうぜ！」みたいな相手に腹を割らないのは、大抵「なんでお前なんかに腹を割って話さなきゃなんないんだい？」ってのが理由なんですが。



【ストーリー】
ニューヨークに住む敏腕弁護士のポールと、超高額物件を取り扱う不動産会社を経営するメリルは、誰もが羨む理想の夫婦だったのだが、ポールの浮気をきっかけに別居。そんなある日、二人は殺人事件を目撃。証人保護プログラムによって、ワイオミングの田舎町へと行く羽目になるのだが…。



“ポップ・ゴーズ・マイ・ハート”が延々と頭の中で流れ続ける羽目になった、『ラブソングができるまで』のマーク・ローレンスによるラブコメディ。
“逆境下での夫婦関係の改善”“都会人を田舎に放り込むギャップギャグ”“殺人事件がらみのサスペンス”などなど、あれこれ詰め込んではみたものの、それら全部が中途半端で噛み合ってない本作。殺人事件云々はきっかけ以外に機能していないし、ギャグも空回り気味。夫婦関係についても「話し合いが大切よー」とは言ってるものの順序立てて描いているわけでもなく、なんとも唐突かつ一方通行。じゃぁ、ホホホなセレブが田舎で色々とお見舞いされちゃう話かと思えば、言いたい事をずらずら並べ表面だけをざらっとなぞり、そんでもってセラピーを受け終わった気分で帰っていく斜め上視点から変わらない。なんか、文句だけを言いに来たみたい。“子供”ってキーワードもそれなりに重要な意味合いを持っているのだが、まぁストーリー上の成り行きとはいえ、「一人多いんじゃね？」と思ってしまう。



こんだけメタメタになったのも、キャスティングに因るものが大きいのかも。
弾けっぷりの良さなりメリハリの利いた演技なりが求められるジャンルであるのだが、妻役のサラ・ジェシカ・パーカーにはそれらが皆無。場面を重くするわけでも軽くするわけでもない中途半端な演技で、地に足がさっぱり付いていないフワフワしたキャラクターを演じてしまっている。まぁそれでも、何かにつけてファッションの話をしてたのはオシャレ番長の威厳か。
相方がそうなだけに、ボケにツッコミにと負担の大きかった『アメリカン・ドリームズ』『ラブ・アクチュアリー』のヒュー・グラントなのだが、生憎受け手が存在してこそ更に輝く俳優だけに、今回は撃沈。見た目こそ随分と年齢を感じさせるが精神年齢はいつものヒューなので、年齢的及び動き的に若い相方だった方が良かったのかも。
内容・キャスティング共にかなり辛い作品ではあったものの、『ディフェンドー　闇の仕事人』のマイケル・ケリー、カウボーイ専門俳優とも言える『ゴーストライダー』のサム・エリオット、『エルフ　〜サンタの国からやってきた〜』のメアリー・スティーンバージェン、『ハード・ターゲット』のウィルフォード・ブリムリーらが、ギリギリの所で踏ん張ってくれている。特に、要所要所で画面を映画としてきっちりと締めてくれるサム・エリオットとメアリー・スティーンバージェンは素晴らしい。この二人の場面だけは良かったので、★ひとつおまけ。


なんか色々とチグハグ

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Comments

サム夫妻はよかったですね〜。
あの二人でなんとか救われたよな・・。
ヒュー様、昔から結構好きなんすが、ラブコメ俳優とか、早く辞めてもらいたいです。

Posted by sakurai at 2010年09月08日 22:57

sakurai様、こんばんはー！
ラブコメヒューも好きなんですが、今回はどうにも空回りで・・・。
あれもこれも「んー。。。」な作品でしたが、サム・エリオットとメアリー・スティーンバージェンのおかげで何とかもったなぁ、って感じでしたねぇ＾＾；

Posted by たお at 2010年09月09日 01:43

サラ・ジェシカ・パーカーは可愛い女性とは思うんですが、どうにも彼女の声を聞くと力が抜けて困りました（笑）
それなりに楽しめはしましたが、サム夫妻がいなかったら微妙だったかも(^^;)

Posted by at 2010年09月09日 21:43

多分りら様、こんにちはー♪
ティム・バートン映画で変な役してる以外は観たことないんで、サラ・ジェシカ・パーカーには期待も何もしてなかったんですが、この作品ではどうにもこうにも＾＾；
いやぁホント、サム夫妻に尽きるｗ

Posted by たお at 2010年09月10日 13:05

掛け合い漫才・コント系のコメディは、ボケとツッコミが相性良く噛み合ってくれないと･･･
モーガン氏は、奥さんとのやり取りより、熊や馬や秘書とのやり取りの方が面白かったんですけどぉ〜（苦笑）

保安官夫婦、万歳！

Posted by 哀生龍 at 2011年01月18日 06:31

哀生龍さま、こんばんは〜♪
一所懸命ボケをふっても、受け手がボーっとしてるんで成り立たないんですよねぇ。この女優、他の作品ではどうか分からないんですが、これではなんともかんとも酷かったですねぇ。。。
＞保安官夫婦、万歳！
ホント、それに尽きます＾＾；

Posted by たお at 2011年01月18日 19:25