1980年 アメリカ映画 115分 コメディ 採点★★★
もっぱら“感動”ってオプションが付いてないと、映画として認められなくなってきた感も強い日本映画ですが、往年の東映映画なんか思い出してみると、ベタで下品なんだけどもエネルギッシュで職人仕事が冴えてた作品がいっぱいあった気も。

【ストーリー】
賭け喧嘩もそろそろ引退の時期と考えていたファイロのもとに、その道最強と謳われる男との勝負の依頼が来る。莫大なファイトマネーに心が揺れるファイロだが、彼のもとに戻って来た恋人リンの願いもあり、依頼を断る。しかし、試合を牛耳るマフィアはそれを許さず、リンを誘拐してしまう。

全米で大ヒットを記録した『ダーティファイター』の続編。クリント・イーストウッドの一連の作品でスタントマンとしても活躍する、バディ・ヴァン・ホーン初監督作。
クリント・イーストウッドとレイ・チャールズのデュエットによる、のんびりとしたカントリー曲で幕を開ける本作。さらっと聞き流してしまいそうな曲だが、考えてみればとんでもない組合せ。その曲調同様のんびりとした作品テンポは前作とさして変わらないが、マフィアを絡めて物語に多少の起伏が生まれているし、お馴染の顔ぶれによる笑いが大幅に増量。その増量された笑いのどれもこれもベタで安易でベッドシーンには必ず猿が絡むしつこさもあるのだが、ベタならではの面白さに溢れているとも言える。お婆さんにムラムラくるお爺さんの脳内映像が、ボー・デレクの水着姿に婆さんの顔をはめ込んだだけという、「顔が婆さんでも身体がボー・デレクなら…」と一瞬躊躇させる、安易ながらも絵的に強烈極まりないシーンもありますし。
相手のメンツを保ったちょっぴりほろ苦い前作も好きだが、互いのプライドと本能で闘う男の子っぷりの良い本作も好き。

本作で50歳を迎え、“年齢”ってものが作品のキーワードになり始めていたクリント・イーストウッドだが、見事に鍛え上げられた肉体で繰り広げるクラシカルな拳闘シーンは見応え充分。馴染の顔ぶれで安心して仕事が出来たのか、主題歌を歌うは、滅多に見れない身体を張った猿ギャグも見せるはで、非常にリラックスしているご様子。
もちろんこの頃のイーストウッド映画には欠かせないソンドラ・ロックも出演しているが、わがままキャラとしての面白みがなくなってしまった分、見せ場は激減。その代わり、ママ役のルース・ゴードンと、相変わらず残念な扱いを受け続けるバイク集団のビル・マッキーニーの見せ場が増大してるので、まぁいいかと。実際、本作のソンドラ・ロックは人質とでしか機能してませんし。
前作から引き続き登場のジェフリー・ルイスとオランウータンも印象的だが、何気にオランウータンが2代目。TVでボーっと観てた時はさっぱり気付かなかったんですが、こう立て続けに観てみると顔が明らかに違う。芸風も、より人間っぽい。「猿も色々だなぁ」と当たり前の事を改めて実感。

彼女の前ではしゃぎすぎ
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