1996年 アメリカ映画 115分 パニック 採点★★★
特殊効果が飛躍的に進歩すると、とりあえずパニック映画が作られているような気も。「こんなすげぇミニチュアが出来ましたー!」「じゃ、壊してみよー!」、「CGでこんな事が出来ますー!」「じゃ、壊してみよー!」って感じでしょうか?人間って、本質的に壊すの好きなんですねぇ。
【ストーリー】
ニューヨークとニュージャージーを結ぶ海底トンネル内で、大規模な爆発事故が発生。生存者がトンネル内に取り残された状況のもと、偶然現場に居合わせた元緊急医療班のラトゥーラは、単身彼らの救出に向かうのだが…。
『ワイルド・スピード』『トリプルX』のロブ・コーエンがメガホンを握った、比較的正統派のパニック映画。
なにかとワケアリな登場人物が、つまらない人間のつまらない欲によって引き起こされた大惨事巻き込まれる王道的な展開を、ド迫力の破壊シーンで飾る導入部が見事な本作。老人にチンピラ、真面目に崩壊寸前の家族と目立ちたがり屋など、特徴的かつ劇中での役割分担が出来ているキャラクター配置も、パニック映画らしさを醸し出している。彼らが自力で逃げ出そうとする物語ではなく、追われた英雄である主人公が、何かを必死に取り戻そうとするが如く自ら死地に赴く物語ってのも、スタローン版パニック映画として十分納得がいく内容。惜しむべくは、見せ方があまりに大味。見せ場自体は派手なのだが、見せ場にドラマが絡まない。事件発生→皆が騒ぐ→スタローンが解決の繰り返しになっているので、単調な印象がぬぐえない。結局、スタローンの持つキャラクターイメージでなんとか逃げ切ったって感じも。
いつも「スタローンは良い!」って書いてるので説得力がないかもしれないが、本作のスタローンも良い!元々はニコラス・ケイジを主役に想定していたらしいが、『クリフハンガー』同様器用に生きる事が出来ないかつての英雄である本作のような主人公には、やはりスタローンがハマる。考えるより先に身体が動くその様も、映画に良いスピード感を与えてますし。
パニック映画と言うとスターが顔を揃えている印象もあるが、そう言った意味では本作の顔ぶれはいささか地味。登場人物が少ない割に印象に残るキャラクターも、木の板に括られたままどっかに流されてしまったであろう、なんか未開地の処刑みたいな扱いを受ける黒人のみって寂しさも気になる所。とは言っても、ブレイク直前だった『ヒストリー・オブ・バイオレンス』のヴィゴ・モーテンセンや、大した活躍もしないセイジ・スタローンも観れたので、ちょっとしたお得気分も。ハロウィンシリーズでばっかり見ている気もする、ダニエル・ハリスも見れましたし。
ところで、ダニエル・ハリス。次回作に、またまたリメイクされる“ナイト・オブ・ザ・リビングデッド”の3D版が控えているようで。それも、バーバラ役で。なにやら、『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド/死霊創世紀』に続いてトニー・トッドがまたベン役だし、ビル・モーズリイもまたジョニー役のようで。まぁ、まず間違いなくガッカリするだろうと思うので期待はしませんが、頭の片隅ででも記憶しておこうかと。
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