1987年 アメリカ映画 96分 ホラー 採点★★★★
人生も概ね折り返し地点を越え、「あと何回カブトムシを追っかけられるかなぁ」と残り回数が気になり始めた、たおです。あんだけうるさかった蝉はもう鳴いていませんが、相変わらず暑いですねぇ。で、『ハイランダー/悪魔の戦士』や『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』とか観ていていつも気になるのが、“永遠の命”ってやつ。まぁ、永遠ってのも大変そうですが、長生き出来るってのは魅力的。歳も取らないで。ただ、いつの時点から永遠の命を手に入れるかで、その先が大きく変わりそうな気も。永遠の年寄りってのも大変そうだけど、永遠の子供ってのも何か嫌だ。永遠の中年ってのも永遠に肩身が狭そうなので、やっぱり20代位ってのが一番良い感じ。となると、もう吸血鬼に出会うには遅過ぎちゃいましたねぇ、私。
【ストーリー】
美少女メイと出会い恋に落ちたケイレブ。しかしメイは吸血鬼で、彼女に噛まれたケイレブも吸血鬼と化してしまう。人間でなくなったケイレブは、ジェシー率いる吸血鬼の一団に連れ去られ仲間入りを強要されるが、人を殺す事が出来ないケイレブは…。
『ヒッチャー』のエリック・レッド脚本による、西部劇風味のアクションホラー。『ハートブルー』『ハート・ロッカー』のキャスリン・ビグローの、初単独監督デビュー作。
十字架や蝙蝠など従来の吸血鬼に付き物であるゴシック風味を徹底的に排除し、荒野をバンで爆走するアウトローな吸血鬼の姿を、歯切れ良くスタイリッシュなアクション描写満載で描く本作。正直なところ、物語自体はいたって雑。肝心の吸血鬼の扱いにしても、献血でなんとかなっちゃう雑さだし、ロマンスに関しても結構いい加減。これら映画にとって重要な部分が非常に雑であるのにもかかわらず、本作が強い魅力を放っているのは、やはり吸血鬼一団の描写の素晴らしさに限る。
吸血鬼になってもいつまでもウジウジしている主人公の物語ではなく、『デビルズ・リジェクト〜マーダー・ライド・ショー2〜』同様にアウトロー一家の姿を描いた本作。主人公は、あくまで彼らの引き立て役でしかない。一般的なモラルからは大きくかけ離れているが、独自のルールとモラルに則って行動する彼ら。遺伝子的繋がりこそないが、己の役割を理解し仲間に全幅の信頼を置く彼らの姿は、下手な家族よりも家族らしい。何気に画面上ではならず者ばかりを殺している彼らの何事も躊躇しない潔さは、ダークヒーローとしての魅力を存分に輝かせており、その輝きが、作品全体の魅力となっている。
どこまで進んでいるのか分かりませんが、リメイクの話が出ている本作。うっかりロマンスの部分にばかりうつつを抜かしたりせず、しっかりとアウトローの魅力を描いてくれればいいんですが。
順番的にはエイドリアン・パスダーがトップになっているが、本作の主役は間違いなく吸血鬼一家。
ジェームズ・キャメロンが口利きしたわけではないそうだが、『エイリアン2』からビショップとハドソンとヴァスクェスが揃って出演。撮影中の扮装のままドライブに出かけ、スピード違反で切符を切った警官に拳銃を握らせるほど尻込みさせた凄味を効かせる『ミレニアム』『ハード・ターゲット』のランス・ヘンリクセンにしろ、これでもかって程の悪童ぶりを見せる『フレイルティー/妄執』『マイティ・ジョー』のビル・パクストンにしろ、心の底で妻であり母である事を熱望する女吸血鬼の悲哀を演じたジャネット・ゴールドスタインにしろ、皆が皆見事なまでの適材適所。決して『エイリアン2』からの安易な移行ではなく、彼らにしか出来ないアンサンブルを見せてくれる。初見の時はランス・ヘンリクセンのカッコ良さばかりにやられてしまったが、観る回数を重ねる度に、ランス・ヘンリクセンのカッコ良さはそのままに、他のキャラクターの魅力が増してくる作品。『ランナウェイ/18才の標的』『ハードカバー/黒衣の使者』で10代の私をメロメロにしたジェニー・ライトも、この一団の中では若干浮いてしまっているが、そこはそこで何か良い。というか、この歳になっても相変わらずジェニー・ライトを見るとメロメロになるってことを、再発見。
因みに、「もう大人なんだ!」って言ってる割に、子供っぽい言動が目につく子供吸血鬼を演じたジョシュア・ミラー。本作と同じ年に製作された『ロストボーイ』で、成りかけ吸血鬼を演じたジェイソン・パトリックは異母兄弟だそうで。まぁ、ちょっとした偶然。
まぁ、確かに他人の家の食事はなかなか口に合わない
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