2006年 アメリカ映画 101分 コメディ 採点★★★
本屋に行くと、ずらずらと並んでますねぇ自己啓発本。手に取ったことすらないのでよく分かりませんが、立派な事がいっぱい書いてあるんでしょうねぇ。経営セミナーとかも似たようなものらしく、なんか立派な事を言ってるそうです。行って来たらしい上司とかが、前日まで言った事がないような立派な事を熱く語り始めたりしますから。大体、一ヶ月くらいは。まぁ、私みたいな人間こそがそんな本読んだり、セミナー行ったりした方がいいんでしょうが、如何せん立派な事ばかり言う人間が信用できないんで、興味がわかない。そもそも、モットーが“困った時は自分を信じる”なんで。

【ストーリー】
気が弱く、何をやっても上手くいかないロジャー。そんな彼を見かねた知り合いの紹介で、とある自己啓発セミナーに参加することとなったロジャー。鬼講師の教えで順調に男らしさを増してゆくロジャーだったが…。

日本では長らく日の目を見てなかったが、『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』の話題もあってかようやくDVDが発売された、『スタスキー&ハッチ』『ロード・トリップ』のトッド・フィリップスによるコメディ。1960年に製作された同名映画のリメイクのようだが、元を知らないのでその辺はまぁ。
作りはコメディなのだが、もはやカルト集団にしか見えない自己啓発セミナーの講師と信奉者たちに主人公が陥れられていく様は、すっかりホラー。大いに笑って観てるが、自分の身に降りかかる事を考えると、これはかなり怖い。弱者が強者を打ち負かす爽快感も、そこに至るまでの間に充分取り返しがつかないほど打ち負かされちゃってるんで、然程なく。なんか、両者痛み分け。
とはいえ、キャラクターの持ち味を存分に活かした笑いを生みだすのが上手い監督だけあって、無茶なフリを必要とすることなく、その場の流れから精度の高い笑いをポンと入れてくるのは、流石。

元々『がんばれ!ベアーズ ニュー・シーズン』のビリー・ボブ・ソーントンが苦手な上に、出来れば関わりたくないキャラクターを演じているので、本能的に「この映画怖い!」と感じちゃったのだが、そういった意味では、本作のビリー・ボブは完璧。完全なる嫌な奴。会ったその瞬間に、頭の中の嫌な思い出でギューギューとなった“イヤ箱”の奥底にしまいたくなるような奴。
一方、『がんばれ!ベンチウォーマーズ』『恋人はゴースト』のジョン・ヘダーは良い。何もかにもが相変わらずなのだが、その相変わらずの部分が最高なんだから、良い。にしても、出る作品出る作品日本未公開が続くジョン・ヘダー。もはや、日本未公開になった映画のことを「ヘダる」と呼んでもいいほど、日本未公開の代名詞みたいになってきましたねぇ。日本に住んでた事があるにもかかわらず、この冷遇。日本にいた頃、なんかしでかしたんですか?
そんな2人の他に、『ポセイドン』のジャシンダ・バレット、『燃えよ!ピンポン』『ファンボーイズ』のダン・フォグラー、『タラデガ・ナイト オーバルの狼』のマイケル・クラーク・ダンカン、『ローグ アサシン』のルイス・ガスマンといった独特な顔ぶれが、基本的にオーソドックスなコメディである本作に“ただ事じゃない”雰囲気を与えているのだが、そこにとどめをさすのが『ナイト ミュージアム2』のベン・スティラー。拘束時間が2日だったそうだが、その2日間で思う存分やり尽くしたかのような存在感を示し、やや弛み掛けた終盤を一気に締める。その辺も含め、★オマケ気味。

他の男にも興味を持たれた時点で、もう負けてる気が
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