1997年 アメリカ映画 121分 サスペンス 採点★★★★
子供の憧れの職業って言えば、まぁサッカー選手とか歌手とかになるんでしょうけど、何人かいてもいいですよね、「怪盗!」っていうの。厳重警備も楽々とかいくぐってお宝を手にして、無益な殺生は一切しない。もちろん、モテモテ。警察にもある種一目置かれちゃってて、盗みを成功させると「さすがだ」とか言われちゃうの。いいなぁ、怪盗。
【ストーリー】
ある豪邸に盗みに入った凄腕の泥棒ルーサーは、女性が殺される現場を目撃してしまう。やがてその場に居た者たちが大統領とその警護官である事を知ったルーサーは、事件の真実を明かそうと決意するが…。
クリント・イーストウッド監督・主演によるサスペンス。
絶大な力を持つ大統領による犯罪を目撃してしまった事で、命の危機に晒されながらも闘う男の姿を描いた本作。事件の発端で主人公が大統領の顔に気付いてる様子がなかったり、調べればすぐにでもばれそうな粗末なもみ消し工作など、粗は確かに目立つ。ストーリーにも新味はない。しかしながら、徐々に歯車が狂ってくる事で高まる緊迫感の演出が出色だった発端シーンに代表されるように、しっかりと個性と人格を与えられたキャラクターの動きと状況をジックリと描くことによって、単純なストーリーラインを補うに充分な肉付けをすることに成功している。この演出もあってか、本作から得られる高い緊迫感は、読書時に得られるそれに似た感触もある。これは、スティーヴン・キングの“ミザリー”の中で、「作家兼脚本家の稀な成功例」として挙げられている『ドリームキャッチャー』のウィリアム・ゴールドマンの脚本に因るものも大きいのであろう。
“覗き”や“暴力に晒された被害者をまざまざと映し出す”など、イーストウッドらしい変態性も巧みに織り込みつつも、どこか抜けた印象も残す本作。『ファイヤーフォックス』同様イーストウッド七変化も楽しめ、「あぁ、今イーストウッドの娯楽作を観ているんだなぁ」と、強く実感できる作品に。ちゃっかり娘2人出てますし。決して出しゃばり過ぎず、ムードを高めることに集中しているレニー・ニーハウスによるスコアも良い。
“凄腕の泥棒”ってよりは、“筋金入りの娘ストーカー”って印象の方が強かった主人公を演じるクリント・イーストウッドを筆頭に、『許されざる者』でも共演済みの『エネミー・ライン』のジーン・ハックマン、劇中で一番美味しい役どころだった『ヒストリー・オブ・バイオレンス』のエド・ハリス、そのエド・ハリスと並ぶと宇宙飛行士の同窓会のようでもあった『ボーン・アルティメイタム』のスコット・グレンらと、男っぷりの非常に良い顔ぶれがずらりと並んだ本作。
そんな実力者らが、基本善人ながらも、泥沼の状況下で容易に悪に転がり落ちてしまう様を熱演する中、一際輝きを放っているのが、『エミリー・ローズ』のローラ・リニー。一見華奢ながら、実際は鼻っ柱の強い金髪美女という、いかにもイーストウッド好みの彼女だが、男優陣の熱演を時に往なし、時に上回る緩急のつけ方が見事。イーストウッドって、ホントこういう女性好きなんですねぇ。
お父さんプレイ?
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この作品は…役柄が泥棒!ということでやっぱり山田さんの吹替えで観てみたかったですね〜。
なんとなく復活してみました^^;
これの吹替え、まぁしょうがないんでしょうけど声がすっごくお爺ちゃんなんですよねぇ。。。山田康雄だったらなぁ。。。