1994年 アメリカ映画 92分 コメディ 採点★★★★
誰だったか忘れちゃったけど、「ロックとは、その態度だ」と言ったミュージシャンがいた気がする。いたよね?技巧や音楽スタイル、ましてや知識などではなく、その佇まい・人となりこそがロックである。そうなると、「伝えたい事は?」とマイクを向けられ、何を言うかと思えば「ロックンロール!!!」と絶叫する脳味噌まで筋肉で出来ているような彼らの生き様は、じゅうぶんロックだ。
ロックスターを夢見るチェズら“ローン・レンジャーズ”は、「ラジオで流してもらえりゃ、売れるんじゃね?」とラジオ局を訪問。あれやこれやあって、ラジオ局のスタッフを人質として篭城するハメになった彼らの運命は?
スティーヴ・ブシェミがメンバーにいる時点で、もう全く売れる気がしないバンドを主人公にしたお気楽なコメディだが、意図してかしないでか、はたまた私の深読みか、巨大産業と化してしまった音楽業界の現状を描き出している。内容は“バカvs背広組”のお馴染みの構図。曲の出来など度外視で、お金を生み出す話題性のみでビジネスを進める背広組に、魂までは売り渡さんと最後まで抵抗するバカの姿は痛快。某サイトには「ロックが足りない」「ロックを知らない」と紹介されていたが、ロックが足りないのはキミの方では?少なくとも、ロックマニアのCD屋の店員によるウンチクを聞かされているかのようだった『スクール・オブ・ロック』よりも、ロック(のバカ)魂のこもった快作。
公開当時でも、「ラジオで流してもらって、一発当てよう!」というロックバカのファンタジーを描く映画だったが、全米のラジオ局のほとんどがDJが存在せず、ヒットチャートの上位を占める大手レコード会社のヌルイ曲ばかりを延々と流し続ける“クリア・チャンネル”に買収されてしまった現在では、本当の幻想となってしまっているのが悲しい。
主演のブレンダン・フレイザーや、相変らず変な顔のスティーヴ・ブシェミについてはあまり語ることもないのだが、メンバー3人の中で一番小さな役回りのアダム・サンドラーが素晴らしい。今では、その主演作が日本で劇場公開される数少ないコメディアンの一人になるまで大きくなったが、ここではTVから映画へと進出し始めたばかりの、まだまだヒヨっこ。お得意の小学生低学年的な役回りを見事に演じ切り、気が付けば笑えるパートのほとんどを、彼一人が担う結果に。この作品の後に、主演作が次々と作られるのも納得。
「音がデカイと感じたら、オマエはジジィだ」は、座右の銘にさせていただいております。
全く売れそうな気がしない
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albrechtです。
>スティーヴ・ブシェミがメンバーにいる時点で、もう全く売れる気がしない
あははは!
でも、ぜったいコアなファンはつくと思います。「もう付いてくるな!」といっても付いてくるような(笑)。
>「音がデカイと感じたら、オマエはジジィだ」
すっかりジジイになっちゃったな〜(←遠い目)。
ジョン・カーペンターのファンと一緒ですねw
albrecht様、大丈夫ですよ!
毎日30分、ツェッペリンのセカンドをヘッドホンで聞いてれば若返りますから。