シャーロック・ホームズ (Sherlock Holmes)

監督　ガイ・リッチー　主演　ロバート・ダウニー・Ｊｒ
2009年　アメリカ映画　129分　アクション　採点★★★

男ってのは、とにかくヤキモチやきなんですよねぇ。彼女が他の男と仲良くしている場合どころか、友人に彼女が出来て疎遠になり始めちゃっても、ヤキモチをやく。彼女に対してなら容易に行動にも出せるし対処も出来るんですが、友達に対してとなると、自分が何でこんな気分になってるのかさえ理解できず、ただ闇雲に機嫌が悪くなるだけなので、より性質が悪い。



【ストーリー】
儀式めいた手口での連続殺人事件が発生するが、名探偵ホームズの活躍で犯人のブラックウッド卿が逮捕される。黒魔術の使い手と言われるブラックウッド卿は、復活をほのめかし処刑される。一件落着に思えた事件だが、数日後その言葉通りブラックウッド卿が復活し…。



アーサー・コナン・ドイル原作によるシャーロック・ホームズをモデルとした、バディアクション。マドンナと別れてから作品にキレが戻りつつある、『ロック、ストック＆トゥー・スモーキング・バレルズ』のガイ・リッチー初の監督専念作。
如何せんツルッツルの脳ミソの持ち主なんでまともに推理小説なんぞ読んだ事がない上に、観た記憶があるホームズ映画が『ヤング・シャーロック／ピラミッドの謎』とホームズがコカイン中毒の『シャーロック・ホームズの素敵な挑戦』のみなもんで、持ってるイメージが頭の良いパイプの人とメガネの医者のコンビってことくらい。でもまぁ、本作のホームズは明らかに違うってこと位は分かりましたよ。
そもそも、ホームズとワトソンをどんだけワンパクにイジリ倒すかがキモの作品でもあるので、明晰な頭脳が腕力にも活用される紳士さの欠片もない本作のホームズは、もう十分合格点。しかも、ただワンパクに改造されたキャラクターが暴れまわるだけではなく、どんな謎もスピーディかつ論理的に次々と解決していく、推理映画的快感も兼ね備えているのは立派。
ただ、せっかく“黒魔術”という解決し甲斐のある難題を扱いながら、それっぽいのが洗脳と復活だけってのは、いささか寂しい。既にキャラクターがワンパクなんだから、心臓を素手で引き抜かれても生きてる生贄みたいなのを論理的に解決するくらいの突飛さも欲しかった。また、各シーンの遊びやテンポの速さは非常にガイ・リッチーらしいのだが、シーン数が多すぎるのか、全体的に冗長なのも残念。まぁその辺は、キャラクター紹介に終始してしまう第一作目の宿命として、仕方がないとも。来年公開予定の第二作目に期待。案の定登場する宿敵モリアティ教授が、どう絡んでくるのかも楽しみですし。



ワトソンが結婚しちゃうと自分と一緒に居てくれなくなっちゃうので、何かと気を引くのに躍起なホームズ演じるのは、『ゾディアック』『キスキス，バンバン　-L.A.的殺人事件』のロバート・ダウニー・Ｊｒ。トラブル続きでこのまま消えてしまうと思われた彼も、今ではメジャー大作の主演を張るまでに完全復活。元々持ってる高い演技力に、「メジャーにはメジャーの楽しさがある！」と開き直った弾けっぷりが融合され、インテリ筋肉ホームズを見事に表現。
持ってたイメージが“濃い”のみで、イマイチ苦手だったジュード・ロウだが、本作ではその扮装のせいか、そんなに濃くない。それどころか、ホームズと相反する性格を持つバディの役割をしっかりと果たす良い仕事振り。他の作品を見ても同じ印象を持つか未だ自信はないが、本作ではすこぶるカッコイイ。
こっそりジェイソン・フレミングが潜んでそうで潜んでない本作だが、アンディ・ガルシアを脂抜きしたような『サンシャイン２０５７』のマーク・ストロングや、見る度に未だ“ジャッカルの弟”と呼んでしまう『パトリオット・ゲーム』のジェームズ・フォックスらが、シッカリと脇を固めている。特に、ワケあり悪女にしては影がなさ過ぎるアイリーン演じる、『ホット・チック』『ウエディング・クラッシャーズ』のレイチェル・マクアダムスが良い。まぁ、鼻がツンと上を向いてれば無条件に“好み”と変換されてしまうだけなので、その辺はご容赦を。
この作品の成功で、このパターンの作品が増えるのも面白いなぁと。ヒュー・グラント主演のポアロとか。事件そっちのけで、歌って踊って女性を口説く９０分みたいな。


好きだからこそ、ついイジワルを

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Comments

ヒュー・グラント！！
すばらしい！
その発想はなかったです。
イメージのはじけっぷりがうらやましいデス！
小気味よい映画ふえるといいっすねぇ。イギリス映画が面白けりゃ、スチームボーイみたいな無駄な時間（二時間じゃないですよ、八年間ですよ）がなくなって日本のマンガも面白くなりますからね。win-winですよ！^^

Posted by inuneko at 2010年07月26日 09:46

>こっそりジェイソン・フレミングが潜んでそうで潜んでない
乗合馬車の御者でもいいから、ぜひカメオ出演して下されば良かったのに･･･（笑）

>事件そっちのけで、歌って踊って女性を口説く９０分
きゃぁ〜　灰色の小さな脳細胞くんがそんな事になったら･･･
なんて素敵なコメディに（爆）
きっとヘイスティングズ大尉が泣いちゃいますよ！

Posted by 哀生龍 at 2010年07月26日 11:38

inuneko様、こんにちは！

なんか、スチームボーイは紆余曲折あり過ぎたようですねぇ。観ていませんが＾＾；
映画業界も見た目の華やかさとは裏腹に、最近はどこも元気がないんで、作品だけは弾けていただきたいもので。

Posted by たお at 2010年07月26日 16:40

哀生龍さま、こんにちは〜♪
居たのかもしれないし、居たとしても気付かなかった可能性もありうるジェイソンｗ
にしても、観てみたいでしょ？
ヒュー版ポアロｗｗｗ

Posted by たお at 2010年07月26日 16:42

ロバート・ダウニーJrと言えば、あたしはいつまでも「レス・ザン・ゼロ」がつきまといますわ。
次は絶品の「チャーリー」ですが。
ほとんど復活は不可能と思われていたガイさんの不屈の魂に感服しました。

Posted by sakurai at 2010年07月27日 20:47

ヒュー版ポアロは見てみたいですね（笑）

せっかく黒魔術なんだから、心臓を素手で引き抜いても生きてる生け贄くらい激しいの観たかったです。
そしたら眠たくならなかったかもー
二作目も来年公開が決まってるようで楽しみ。

Posted by kenko at 2010年07月27日 21:29

sakurai様、こんばんは！
ロバート・ダウニー・Jrと言えば、私はやっぱり“青春映画の嫌な奴”って印象が強いですねぇ。正直、ここ数年の彼の方が好きです＾＾

Posted by たお at 2010年07月28日 01:29

kenko様、こんばんは！
妙なところが真面目なんですよね＾＾；
まぁ、次回作に期待ってことで。

Posted by たお at 2010年07月28日 01:30

ヒューのポアロ……いいかも（笑）
やんちゃなホームズとワトソンがいい味だしてましたね〜。ヤキモチ焼いて拗ねてるホームズがまた可愛くて（笑）
ワトソンがジュード・ロウって正直どうなの？　って思ってたんですが、意外とカッコよかったし……次が楽しみです〜(^^)

Posted by りら at 2010年07月29日 21:25

りら様、こんばんは〜♪
ジュード・ロウ、良かったですよねぇ。
濃くなかったですし。
にしても、思い付きで書いただけなのに、自分でも非常に観たくなってきましたねぇ、ヒューのポワロ。

Posted by たお at 2010年07月30日 00:17

こんにちは。

＞案の定登場する宿敵モリアティ教授が、どう絡んでくるのかも楽しみです

期待が高く無かった分、とても楽しめた印象が残ってます。
本当に、次も楽しみですね。

Posted by de-nory at 2010年08月07日 22:29

de-nory様、こんばんは！
あれこれスンナリ話が進められるであろう次回作は、確かに期待できそうですねぇ。

Posted by たお at 2010年08月08日 00:18