2009年 アメリカ映画 110分 アクション 採点★★★★
誰だって、得意分野と不得意分野ってのがあるもの。その得意分野が、他人に妙な期待を与えてしまって、「アレも出来んじゃね?」と思わせてしまうのも、まぁ理解できる。ただ、その期待されるのが、本来得意なことからあまりにもかけ離れてるってのもしばしな。なんか、料理が得意ってことは指先が器用ってことだろうと、渡されたのがルービックキューブだったみたいな。
【ストーリー】
国際的なテロ事件にも関与する犯罪者マイルズの逮捕に成功した警官ダニー。しかし、その逮捕劇の過程でマイルズの恋人を死なせてしまう。その一年後、マイルズは脱獄しダニーの婚約者を誘拐してしまう。彼女を救うため、ダニーはマイルズが仕掛けた数々のトラップをクリアすることとなる。
WWEの人気レスラー、ジョン・シナ主演によるアクション。監督は、『クリフハンガー』のレニー・ハーリン。
“ダイ・ハード風味スピードの筋肉和え”の一言で済んでしまう本作。今となっては、“○○版ダイ・ハード”とか“○○版スピード”ってのは、つまらない映画付く決まり文句のようになってしまっているが、今回は意外にもその文字通り楽しめてしまった一本。
脳ミソの8割が筋肉で出来ているにもかかわらず、『マインドハンター』『コベナント 幻魔降臨』と、明らかに得意そうじゃないジャンルのせいか元気のない映画ばかり撮っていたレニー・ハーリンだが、今回は元気いっぱい。派手な見せ場の連続であるにもかかわらず、映画の流れを決して単調にしないのは、さすがレニー・ハーリン。いくらでも知的になりそうなトラップの数々を、知力2割筋力8割で解決するのも、さすがレニー・ハーリン。この人は本当に、娯楽映画が好きなんだろうなぁ。
なんかの同時上映で付いてきた“めっけもん”程度の本作に★4つってのは高評価過ぎるかもしれないが、楽しんじゃったんだからしょうがない。
『ネバー・サレンダー 肉弾凶器』において、ひたすら真っ直ぐ走る筋肉マット・デイモンのような主人公を演じたジョン・シナ。本作においても真っ直ぐだし筋肉デイモンでもあるのだが、前作と違うのは主演2作目とは到底思えないほど醸し出される、アクションスターとしての風格と説得力。無論ザ・ロックのような器用さは感じられないのだが、反面その不器用さが本作のような映画で魅力を発揮する。基本“知力2割筋力8割”なもんだから、概ね筋力で解決できなかったりすると「ゴメン、出来なかった…」とスゴスゴ戻ってきてしまう不器用さなんか、観ていて愛くるしいほど。
そんなジョン・シナの相手に、『シャンハイ・ナイト』のアイダン・ギレンでは若干役不足である気もしてしまうのだが、実際のところジョン・シナが相手をしなければならないのが、“推定120キロ超えの巨漢を持ち上げる”とか、“坂道を暴走する30トンの路面電車”とかいう筋肉一発勝負な問題の数々なので、特に問題もなく。
方法さえ問わなきゃ、外せない知恵の輪はなさそう
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プロの評論家でもなんでもない映画ファンとしては、自分が気に入ったかどうか・楽しめたかどうかで星の数は気兼ねなくつけちゃって良いですよね!!
>不器用さが本作のような映画で魅力を発揮する
刑事の割りに体力勝負名部分が目立つなと思ってみていたのですが、それが彼の持ち味だったんですね!
不器用さが魅力と言う表現、今なら良く分かります。
>刑事の割りに体力勝負名部分が目立つ
そう!全てを筋肉で解決しちゃうのも、不器用な役柄が似合う(しか出来ない)ジョン・シナの持ち味!
これ以降ちょっとお目に掛かってないのが残念ですが。