2010年07月01日

狼の死刑宣告 (Death Sentence)

監督 ジェームズ・ワン 主演 ケヴィン・ベーコン
2007年 アメリカ映画 106分 アクション 採点★★

「あんまり怒らなさそう」「すぐ怒りそう」と、両極端な印象を他人に与えてるらしいたおです。実際は、短気です。筋金入りです。で、こうも短気だと日々腹が立つことも多いんですが、あれやこれやと込み入った仕返しを考えているうちに、大体において満足して寝ちゃいます。なんと言うか、テスト前に教科書に線を引いただけで、すっごく勉強をした気になるような感じで。

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【ストーリー】
投資会社に勤めるニックは、ある日目の前で息子をギャングたちに殺されてしまう。犯人は逮捕されるが、法の下では納得がいく刑罰を与えられないと知ったニックは、自らの手で復讐することを決意するのだが…。

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チャールズ・ブロンソン主演で大ヒットし、シリーズ化もされた『狼よさらば』。シリーズが進む毎に“おじいちゃんの若者狩り”の様相を増していったのですが。その『狼よさらば』の原作者であり、『W/ダブル』の原案も手掛けたブライアン・ガーフィールド原作による、復讐が生み出す負の連鎖を描いた一本。監督は、『ソウ』シリーズの生みの親、ジェームズ・ワン。
元々は『狼よさらば』の映画化により、“復讐”“法を超越した自衛行為”“私刑”の是非を問うどころか、概ね“是”に傾いてしまったことに対する“贖罪”の意味も込めて書かれたという原作。それもあって、本作ではほぼポール・カージーの主人公が、ほぼポール・カージーと同様の目に遭いながらも、迎える結末は全く違う内容となっている。そんな“復讐が生み出す負の連鎖”を描いているはずの本作なのだが、あまりにそれを見つめる立ち位置があやふや。どっちつかず。
復讐以外の方法を示す道筋がほんの少しでもあれば、あくまで“主人公が選んでしまった選択”として苦い味わいを残せるのだが、そんな道筋が見当たらない。“法の規範”としての警察描写がキチンと織り込まれていればそんな問題も発生しないのだが、警官も殺される大事件にまで発展しているのにもかかわらず、間違いなく殺しているに違いない容疑者グループも、これから何をしでかすかミエミエの被害者もノーマークで野放しとなれば、「法に任せてもダメだ」となっても仕方がない。そのくせ、最後の最後に取って付けたように復讐の虚しさを説かれても居心地が悪いだけ。

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そもそも、これをテーマに描くには映画の時間配分がおかしい。見た目の派手さを取ったのか、直接的な復讐の行為であるアクションシーンをメインにしているので、その行為に至るまでに溜めに溜めたであろう主人公の怒りがダイレクトに伝わりにくい。一般人であるはずの主人公が、“殺し”が加入条件と言うガチのギャング集団に対し、それこそ一人目の復讐には手間取るも、二人目以降はまるでその道のプロかのような強さと手際良さを示してしまう違和感の大きさも、その辺に起因しているようにも。一般人ならではの苦労や苦悩や工夫が欲しいところ。
警察の描写同様、肝心の家族描写も弱い。優秀で両親から寵愛を受けているっぽい長男に対して、次男は引け目を感じているってのはボンヤリとわかるのだが、『エコーズ』のケヴィン・ベーコンと『スカイ・ハイ』のケリー・プレストンの夫婦関係については、なんとなく良い夫婦って以外は伝わらない。というか、嫁ヴォルタ演じる妻がどんな人間なのか、さっぱり分からない。『エバン・オールマイティ』『ジャック・ブル』のジョン・グッドマンに至っては、大変面白くなりそうなキャラクターと期待させておきながら、期待させただけで終わってますし
結局印象に残るのが、髪型から包帯の位置、しまいには指が飛んで首を怪我する所まで真似た『タクシードライバー』ごっこの部分のみって所に、「あ〜、コレがしたかったのねぇ」と。

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「俺に話しかけてんのか?」 いいえ、別に

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posted by たお at 02:16 | Comment(0) | TrackBack(18) | 前にも観たアレ■あ行■ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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