2009年 フランス映画 101分 アクション 採点★★★
今年こそ筋肉映画が日本中の劇場を席捲してくれたらなぁ、と願ってやまないたおです。まぁ、別にこれと言って筋肉映画に強い思い入れがあるわけでもないんですが、オシャレに決め込んだシネコン内のポスターが全部ギトギトと脂ぎった筋肉映画に埋め尽くされてたら、なんか圧巻だなぁと。何度か書いたんですが、普段なかなか観れないものを見せる映画に於いては、高い演技力と卓越した肉体技ってのはイコールだと思ってるので。どちらも自分には出来ないことですし。それでも時折「筋肉映画って、ただ身体鍛えてるだけじゃん」と言われることも。もちろん私も大人なので、「泣かせる映画って、人が死ぬだけじゃん」とは切り返しませんが、心の中で無限リフレインを。
【ストーリー】
無法状態が続くバンリュー13地区内で、警官射殺事件が発生。これを機に、政府は13地区の一掃に乗り出す。一方、潜入捜査官のダミアンは何者かの罠で投獄されてしまうが、旧友レイトによって救われる。二人はこの一連の事件の背後に、大きな陰謀があることを知り…。
次々と繰り出される驚愕のスタントの数々に、ただただ「ほぇぇぇ!」と声を上げるしかなかった『アルティメット』の続編。監督は、『赤ちゃんの逆襲』のパトリック・アレサンドランにバトンタッチ。
相も変わらずベッソンが空いた時間に自由帳にせっせと書いた“夢ノート”を、そのまんま他人に押し付けたような本作。痩せっぽちの女性も出てますし。
“続編=なにかとボリュームアップ”の法則から考えれば、更にビックリさせっぱなしのアクション増量を期待してしまうのだが、本作が増量しちゃったのは、残念ながらそこではなかったようで。
“政府がバンリュー13地区一掃を狙う”という、本筋自体は前作と何ら変わらない本作。ストーリーの程よいスカスカ具合が逆にアクションシーンを際立たせていた前作であったが、その“スカスカ”が気に入らなかったのか、今回はストーリーを増量。とは言っても本筋自体は変わらないので、結局回りくどさだけが増量されてしまい、映画自体のテンポが悪くなってしまう結果に。なんというか、カレーの大盛りを頼んだら、福神漬けが大盛りだったみたいな。
いささかテンポが悪くなってしまった本作ではあるが、やっているアクション自体は相変わらず凄い。やってる事は然程前作と変わっていないが、やはり見事の一言。しかしながら、見せ方の工夫までもが相変わらずされていない。序盤こそは凄いアクションシーンを繰り返し見せる良いクドさがあったが、後は淡白一辺倒。如何に凄い事をやっていても、細かすぎるカット割りや、画像処理で台無しになってしまってるのは、やはり痛い。
アクションの見せ方に不満を持ってしまうのも、主演の二人が持つ身体能力の高さ故のこと。
潜入捜査の為なら、臆することなくお尻を出すダミアンに扮するのは、前作同様『ダイ・ハード 4.0』『キス・オブ・ザ・ドラゴン』のシリル・ラファエリ。格闘係。小道具を巧みに使ったその格闘術は、今回も見事。「痛そう」と思わせた者勝ち。
そんなシリル・ラファエリに対し、飛び係のダヴィド・ベルの飛びっぷりも素晴らしい。若干体つきが重そうにはなっているものの、やってる事に対する説得力溢れる肉体と風貌は、今回もやはりスクリーン映えしている。
何かと不満もあった本作ではあるが、諸悪の根源が集まって和気あいあいとしている、考えてみれば何も改善されていない台無しっぷりと、“今年の心の一家言”にしたいほど魅惑的なサブタイトルに、★ひとつオマケで。
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