2009年 アメリカ映画 94分 アクション 採点★
便利だなぁ、ゾンビ。ホラーはもちろんのこと、アクションだろうがコメディだろうが、頑張ればラブロマンスにでも使えちゃう。もともと死んじゃってるんで、結構ムチャも利く。「そりゃぁ無理だろう」と思いつつも、かけてみれば案外どの組み合わせでも食べれちゃうマヨネーズみたいなもんなんですかねぇ。
【ストーリー】
謎のウィルスによってゾンビが大量発生。巨大な病院に立て篭もる生存者の前に、タオ率いるゾンビハンターたちが現れる。
“セガールVSゾンビ”ってよりは、“セガール版『アイ・アム・レジェンド』”的な一本。
誰が作っても大体食べれる範囲内に収まるカレールー並みに便利な素材である“ゾンビ”“謎のウィルス”“籠城”“タイムリミット”を揃えながらも、どこをどう間違えたかとても食べれないシロモノに仕上げてしまった本作。ほんの数メートル離れた仲間と瞬く間にはぐれてしまうほど方向感覚に乏しい登場人物が、いつの間にかゾンビが増えている病院内を、徹頭徹尾気ままに散策したうえに窮地に陥る様を延々と観させらる90分。肝心のゴア描写も、そこら辺に手足やらモツやらを置いてみただけの大雑把さ。まぁ、誰がどう考えてもゾンビがいる部屋に、わざわざ積まれたバリケードを壊してまで入る好奇心旺盛さには、あっぱれとすら思えましたし、“種の逆転”のニュアンスをちょぴっと盛り込んで、本家『アイ・アム・レジェンド』より原作を読んだことのあるスタッフが一人くらい多そうな感じを匂わせたのは、せめてもの救いでしたが。
で、セガール。
これでセガールがストーリーの中心となって、ゾンビを無敵のセガール拳でバッキンボッキンとやってくれれば溜飲が下がるのだが、さすがそこはセガール。一筋縄ではいかない。開始30分は登場人物と絡まない上に、絡んだら絡んだで今度はストーリーに絡まない。セガール拳も使わない。ただひたすら近くにいるゾンビを、びったんびったん鬼の形相で斬りまくる。遠くのゾンビは全て若い衆に一任。ここん所“動かないし喋らないアクションスター”という稀有な存在になっていたセガールであるが、本作では遂に“ストーリーに絡まない主演”という偉業を達成。おみそれいたしました。
そんなセガールも、そろそろ赤いちゃんちゃんこを着る年ごろ。いい加減枯れてもいい頃なのだが、さすがそこはセガール。本作でも、一言も喋らない東欧系美女2名をお持込み(及びお持ち帰り)されてらっしゃる。なんかもう、ただただ羨ましい限りで。
セガールの前ではゾンビも人間もおんなじ
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