2006年02月26日

追撃者(Get Carter)

監督 スティーヴン・ケイ 主演 シルヴェスター・スタローン
2000年 アメリカ映画 102分 アクション 採点★★★★

思春期の大事な時期に、スタ公の映画ばっか観ていたせいか、どんなに「つまんねー」と言われても身体が拒絶できないんですよね。憎めないの。この映画も、あちこちでケチョンケチョンにけなされているんだけど、大好きなのよ。よーし、じゃぁ俺が褒めるかぁ。褒めちぎるぞぅ絶賛してやる!

借金取立人のジャック・カーターは、疎遠となっていた弟の葬儀に出席する為に故郷へ仕事を放っぽり投げて帰る。弟の死因に不審を抱いたカーターは、いろんな人を殴りながら解明しましたとさ。

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当時、タランティーノや『スナッチ』などのスタイリッシュな映像とこじゃれたセリフを盛り込んだ、6〜70年代風犯罪モノが大ブーム。「筋肉も終わりかなぁ」と先行きに不安を感じていたスタ公が、このブームに乗らないわけがない。「ヤクザな男はヒゲだ」とばかりに、ヒゲ生やしたくらいにして1971年製作の『狙撃者』のリメイクに挑戦。オリジナルでカーターを演じたマイケル・ケインと、若者向けにレイチェル・リー・クック一部の好事家向けにはミッキーさんと万全の布陣。ポルノサイト絡みの陰謀に、下手にない頭を使わずコブシひとつで乗り込むやんちゃなスタ公に、「やり口がヤクザじゃないか」との批判もあったが、「えぇ、そうだよ。そういう人が主人公だもん」と開き直らせていただきますが、なにか?てか、ヤクザが主人公の映画に、そういう批判って、逆に褒め言葉なのでは?

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『ロッキー』の頃から、ちとオツムの足りないチンピラ役がはまるスタ公は、この映画でもぴったりだ。小動物のようなレイチェル・リー・クックに、ない頭を振り絞って苦手な励ましの言葉をかけるシーンは絶品だ。歯切れの悪さに、心地よいイライラ感が全身を包む。あのとろい語り口で弁護士役とか会計士役とかなら噴飯ものだが、こういったチンピラ役なら彼の右に出るものはいないのでは。製作中の『ロッキー6』でも、そこらのチンピラ風情を堪能させてくれるに違いない。
昨日に引き続き登板のミッキーさんも、ムダにゴージャスな不良中年を熱演。スタ公との殴り合いは、若者同士のそれと違い刹那的で、「どうしてそんな大人になっちゃったんだろう?」と感慨深く観させていただきました。80年代なら、共演しただけで歴史的大ヒット間違いなしの二人だったが、この時期の共演は、映画全体を包む悲しげなムードを増長する役割となってしまった。いえいえ、キズの舐め合いみたいで痛々しいなんて思ってませんよ。映画のムードに貢献する、いいキャスティングだと思ってますから、本心で

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タイラー・ベイツによるテーマ曲のリミックスは素晴らしいできだ。しばらくの間、私の着メロとして大活躍するくらい。サビが鳴り出すまでのイントロが長いので、ちゃんと聞く機会はなかったけど。派手な爆発も銃撃戦もなく、基本コブシで立ち向かうこの映画。最近だったらもう少し話題になったのかも。ラスト、ヒゲを剃って登場したスタ公の姿は、なんかハムの人のようでこっ恥ずかしいが、それに目をつぶって観るのが大人ですから。

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スタ公の中での“ワル”のイメージ

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posted by たお at 01:35 | Comment(0) | TrackBack(0) | 前にも観たアレ■た行■ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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