1978年 イギリス映画 140分 サスペンス 採点★★★★
細かいカット割りとズームの多用で、俳優の顔は覚えていても、風景や街並みが強く印象に残る映画が少なくなってきている気がしてまして。映画の楽しみ方として、普段行けないような土地の景観に驚き、世界旅行をしているかのような贅沢気分を味わうのも一つではないかと。観光シーンが長過ぎて冗長な感はあるが、また観たくなる魅力がある映画がある。昔の『007』シリーズや、このアガサ・クリスティーのシリーズなどだ。
【ストーリー】
莫大な遺産を受継いだリネットは、婚約者と共にエジプトへハネムーンを楽しんでいた。彼女らが乗り込んだ豪華客船の乗客は、名探偵ポアロと旧知の友人レイス大佐を除く全員が、彼女に何らかの恨みを持つ者ばかりであった。そして遂に悲劇が起きてしまう。
正直、あんまりクリスティの小説って好きじゃないんですよ。どこにも書いてないのに、謎解きの手掛かりを探偵だけが見聞きしてたりするんで。この作品に関しては、そういうことはないのでご安心を。ま、たまたまそこにポアロが居たってことはしばしばですが。若い映画ファンには聞いたことのない俳優ばかりでしょうが、一応オールスターキャストです。これから見る方は、「オールスターだ」と思い込んで観ましょう。ありがたみアップします。俳優陣の豪華さに負けていないのが、前半に堪能できるエジプトの美しい風景。そして、そのバックに流れる音楽。「あぁ、今映画を観ているんだなぁ」って感じを思う存分堪能できます。後半は船ん中ばっかですけどね。
前作『オリエント急行殺人事件』で原作ファンにも評判だったアルバート・フィニーに代わり、今回からはピーター・ユスティノフが名探偵ポアロを演じる。原作ファンには非常に評判が悪いのだが、おフランスでざまぁすなイヤミ感が出ていて個人的には好きなんですけどね。ポアロはベルギー人ですが、私はベルギー人とフランス人の区別がつかないので、“ざまぁす感”が出てればフランス人と決め付けます。大物に囲まれた緊張感か、ユスティノフはひたすらポアロを演じるのに必死に見え、ユーモアに若干欠けている様にも思えたが、その分デヴィッド・ニーヴンが余裕しゃくしゃくのウィットとエスプリの効いた笑いを提供してくれる。“エスプリ”って言葉初めて使ったけど、使い方正しかった?
後半の謎解きが始まると、すっかり観光客気分でまったりとしていた気持ちも一気に引き締まるのは、さすがだ。驚きの連続に、ついつい声が出てしまう。もちろん「犯人はコイツです」なんて書けないが、説得力のある動機と、やや力技のトリックに魅了される事でしょう。人物のアップから、どんどんカメラが引いていき、景色全体を写して終わるのも非常に映画的。ストップモーションや、消火活動シーンで終わる日曜洋画劇場のエンディングみたいな映画って少なくなりましたよね。贅沢な気分を味わいたい方にお勧めの一本で。
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この手の映画、登場人物がすべて疑わしいとゆー定説があるので、どうしてもオールスター競演になるんでしょうか。ジャッキー役にミア・ファローを抜擢したことは、評価大だと思いました。
それから、先に謝罪しておきます。細かいコト言ってすみません。莫大な遺産を相続したのはリネットでした。コメントするまで気づかなかったアホな私です。
失礼をお許し下さい。
あらららら。これはこっ恥ずかしいミスを。
ありがとうございます。直しておきます。
じゅりまのです
お久しぶりです〜
確かに豪華オールキャスト&豪華旅行の映像は結構楽しめます。
私的にはオリエント急行のポアロ@フィニーさん
の方がキャラ的によかったかな〜
しかししつこすぎるジャッキーにげんなり?ってところでしょうか
このシリーズもっと作って欲しかったですね^^
案外評判の悪いユスティノフ版ポアロなんですが、この“ざます”感が結構好きで^^
こういう豪華な映画ってのも少なくなりましたねぇ。。。
特殊効果にはいくらでもお金をかけるってのに。