2006年01月26日

ちょっと怖いかもしれない話 その一

私が体験した『ちょっと不思議な話』を書く前に、私自身の立ち位置を明確にしたいので説明させていただきます。私は怖い話が大好きなんですが、信じているか信じていないかのどちらかといえば“信じていない”派に属すると思います。幽霊もUFOもUMAも大好きだし“信じたい”のだけど、目の前にドドーンと現れてでもくれないと自信を持って「信じてる」と言えないのが正直なところ。今後ポツポツと書くであろう不思議な体験も、別に目の前に幽霊が「やあ」と現れたわけではないので、気のせいや錯覚で説明が充分つくのだと思いますが、それでもなんとなく釈然としないので『不思議な話』として私の記憶に残り続けております。最近ちょっと面白い考え方を聞きまして、私自身も「なるほどなぁ」と納得してしまったんですが、幽霊というものは常にどこにでも存在しているが、信じていないがゆえに例え目の前にいたとしても「見えない」と脳が認識してしまっている、とその人は言います。ちょうどチャンネルを合わせないとテレビが見えないのと一緒で、見えないからと言ってその番組が「存在していない」わけではないということだと。私がよく想像してしまうんですが、無言で多くの人が行き交う街中ですれ違う人々の中に、一人や二人くらいは幽霊がいるんじゃないかなって。まぁ、言葉も交わすわけでもなく何の接点もない人々は、生きていたとしても私にとっては幽霊みたいなものですが。大勢の他人の中にいるという孤独感が、そんな想像をさせちゃうんでしょうが…。
前フリが長くなりましたが、私の立ち位置が少しでも理解していただければ幸いです。
それでは、「ドドーンと幽霊が出るわけでもない」ちょっと不思議だった話の始まりです。


陸橋の男

小学三年の夏、今の子供達と変わらずクワガタやカブトムシに夢中だった私は、夏休みとなると両親と虫取りがてらの散歩に行くのが日課でした。その夜も遅くに(といっても9時とか10時ですが)虫が集まる街灯を目指して散歩に出かけました。私の家からはかなり離れた位置にあるその陸橋は、300メートルほどの緩やかな上りと下りで構成される大きな物で、下を鉄道が通り、左手を国道、右手に町唯一の大きな総合病院に挟まれた立地でした。その陸橋の頂上へと向かう一本道の途中で、私は頂上の街灯に照らし出された線路を覗きこむかのように立つ男性の姿を見ました。虫の事で頭がいっぱいの私は別段気にするわけでもなく、頂上の街灯目指して歩みを早めました。頂上へ着く頃、虫を求めて目線を下に合わせていた私がふと辺りを見渡すとその男性の姿はなく、長く緩やかに続く下り坂にもその姿を見ることは出来ませんでした。何となく気になった私が両親にそのことを話すと、「あぁ、そうだねぇ。どこ行ったんだろうねぇ。」と大して気にもしていないかの返事。見通しもいい一本道なので、走り去ったにしても姿は見えるはずなのに。後日、町唯一の総合病院は医療事故が相次いで発覚し、遂には閉鎖される事となりました。その男性が眺めていたのは病院だったのかなと、思い出すことが今でもあります。

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タグ:雑記
posted by たお at 14:48 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日々のあれこれ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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