2007年 アメリカ映画 115分 コメディ 採点★★★
“自分とちょっと違う”という“違う”の部分が許容範囲内であれば人は面白がって付き合ってくれるんですが、許容範囲を僅かでも外れちゃうと恐怖を感じたかのように排除し始めるんですよねぇ。私も今の会社に入る際、面接をした副社長に「キミは変わってるから面白いよ!やっぱり、変わり者はいいよ!採用だ!」とえらく気に入ってもらったようなんですが、大丈夫か?私はキミの想像を軽く超える変わり者だぞ。怖くなるぞ。
【ストーリー】
妻を失った悲しみに暮れ過ぎたあまり、年金の受取人変更をし忘れてしまった消防隊員のラリー。名義変更の手っ取り早い方法が再婚であることを知った彼だが、亡き妻を忘れられない彼には他の女性なんて全く興味なし。そこで、同僚で大の女好きであるチャックとゲイカップルであるように偽装を図るが…。
今では日本でその主演作が公開される数少ないというか唯一のコメディアン、『もしも昨日が選べたら』のアダム・サンドラー主演作にして、久しぶりに未公開に終わったコメディ。やっぱり、コメディはコメディでも、頭に“ラブ”が付いてないとダメなようで。監督は、いつものデニス・デューガン。もう、安心。
ゲイ差別問題を中心に、妻の死から立ち直れない男、美人弁護士に惚れちゃったが相手は自分の事をゲイだと信じてるし困った、屈強な同僚が実はゲイで自分の活躍に勇気付けられカミングアウトを決心するが、自分は実はゲイじゃないなどなど、どのように着地するのかハラハラする要素がてんこ盛りの本作。それらのモチーフが次々と出てくる中盤までのモタつき具合はあまり頂けないが、テーマが明確になる中盤以降のスピード感はなかなかのもの。コンビ芸に徹してか、幾分控え目なアダム・サンドラーが発する笑いは少な目ではあるが、その分濃すぎる周囲が充分にフォロー。概ね“いつものアダム映画”を観ている満足感は味わえるものの、いささか強引に最も無難な場所に着地するオチのつけ方には、ややストンと腑に落ちない点も。そもそも、“友情”の為だけにしては、一方的に負担が大き過ぎるアダム・サンドラーの行動原理がいまいちシックリきませんでしたし。
作品自体に多少の不満は残るとしても、いつもの“アダムスファミリー”が見せる芸には高い満足を得られる本作。コンビ芸ということもあってノビノビとボケ役に徹するアダム・サンドラーを筆頭に、思いのほか細やかな芸を見せるケヴィン・ジェームズ、「自分の胸は天然巨乳なんだ!」と言い張る『ブレイド3』のジェシカ・ビール、役柄のギャップだけで充分に面白い『M:i:III』のヴィング・レイムスらだけで存分にお腹一杯だというのに、「もう食えない!」ってだけじゃ帰してくれない顔ぶれがぞくぞくと。
SNLの大先輩である『ポイント・ブランク』のダン・エイクロイドや、大御所リチャード・チェンバレンが飄々と現れたかと思えば、久々のアダム映画登場となる『コーヒー&シガレッツ』のスティーヴ・ブシェミは、ますますジョン・ウォーターズと見分けが付かなくなり、アレン・コヴァートやピーター・ダンテというお仲間に混じって、『がんばれ!ベンチウォーマーズ』のデヴィッド・スペードまで登場。そしてトドメはもちろん、常にアダム映画に潜んで観客をハラハラさせる『ホット・チック』のロブ・シュナイダー。あまりに強烈。その強烈過ぎる面白さが、日本未公開となった大きな要因なんだろうなぁと。
アダム・サンドラーが出てなくても、面白さが然程変わらない気も
↓↓お帰りの際にでもぽちりと↓↓
人気ブログランキングへ
なんかもー彼がツボ
ほーんと DVDオチのみで公開しないって勿体無いよっ
2人の掛け合いも良かったし(私は、字幕で見ないのでどう訳されているか解らないけど)
ブセミが、もっとアクのある役を演じると良かったな〜なんて思ったけど
この作品の抑え気味なブセミも、びみょーなアヤシサが好き
ジョン・ウォーターズと見分けがつかなくなってきたって・・・
ヾ('皿`)ゞダメ!ヾ('皿`)〃だめ!ヾ('皿`)ゞダメ〜
ケヴィン・ジェームズは『モールコップ』でも素晴らしかっただけに、『アダルトボーイズ 青春白書』って変なタイトルが付けられてしまったアダムの新作での活躍も楽しみですねぇ。
9.11の際に真っ先に被災地に向かい、誰にも気付かれぬまま救出作業を手伝うほどブシェミは男気溢れる俳優なんですが、どうにも最近ジョン・ウォーターズに見えちゃって。。。