2016年 アメリカ映画 144分 アクション 採点★★★★
私は“ずんだ”をこよなく愛しているんですが、同じ宮城県民でもずんだが大嫌いな人ってのは当然いるわけで。そういう人に対し、「あんな美味しいものを嫌いだなんて、人間として信じられない!」と断罪するのは大間違いですよねぇ。ましてや、「ずんだの素晴らしさを教えてやる!」とばかりに、口に無理やりずんだを詰め込むなんてもってのほかで。分かり合えない人ってのは必ず居るわけなんですが、そういう人には善意を押し付けず、敢えて“分かり合わない”ってのが互いの平穏にとって大切だと思うんですよねぇ。極論ではありますけど、今の世の混乱って、結局のところ善意の押し付け合いなんですよねぇ。
【ストーリー】
2012年。アメリカで製作された、イスラム教の預言者ムハマンドを揶揄した一本のアマチュア映画に激怒したイスラム教徒によって、イスラム諸国でデモが多発。最も危険な地域と化していたリビアの米領事館にも、武装集団が押し寄せ、米大使らが孤立してしまう。近くにあるCIAの秘密基地で職員を守る任務に就いていた民間軍事請負会社の兵士6人は、待機命令を無視し大使らを救出に向かうのだったが…。
2012年に発生した“2012年アメリカ在外公館襲撃事件”を基に映画化した、軍事アクション。メガホンを握ったのは、トランスフォーマー以外はことごとく日本未公開になってる気がする、『ペイン&ゲイン 史上最低の一攫千金』のマイケル・ベイ。
この事件の直接の発端や、そこに至るまでの経緯や背景など思うことは多いんですが、それを書き始めると長くなる上に、そんなことに考えを馳せさせるタイプの作品じゃないので割愛。そういうのが観たければ、ポール・グリーングラスの作品を観ますし。
で、本作。オバマ政権の及び腰っぷりや、欧米の傲り、その後の混沌を匂わす描写もあるが、全編を通し描かれているのは戦う男たちの絆と美しさ。もうそこ徹底的に。ザックリと言えば、『ザ・ロック』で最もカッコ良かったシールズのシーンだけで一本の作品にしたって感じ。アドレナリンとエモーションをコッテリと盛り込み、戦う男たちの美をネットリと映し出す、マイケル・ベイのフェチズム満載の一本。
非公式な存在故に援軍もない孤立無援の状況下、たった6人の民間兵士が熾烈な戦いを繰り広げるシチュエーションや、高学歴のCIA職員に見下されていた彼らが戦いの開始と共に立場が逆転する、鉛玉がインテリジェンスを凌駕する瞬間など、ベイの好きなものだけで構成されていた本作。
シーン毎に外の明るさが異なっていたり、人と出来事の位置関係が分かりづらいベイ演出の悪い部分は相変わらずだが、題材が題材なだけにベイ映画の良い部分が凝縮されているので、粗はほとんど気にならず。CGに頼らず実際にモノを破壊する、破壊王マイケル・ベイの本領もたっぷり発揮。
『ザ・マペッツ』のジョン・クラシンスキーや『THE GREY 凍える太陽』のジェームズ・バッジ・デールなど、所謂スターではなく“戦う男”の顔をした役者を集めていたのも好印象だった本作。みんな髭面なので、途中誰が誰だか分からなくなることも多々ではありましたが、誰かが突出するのではなく、チームを描く映画なので、然程文句のないキャスティング。家族を置いてでも戦地に向かう、戦うことでしか生きがいを感じられない男たちって感じが良く出てましたし。
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