2015年 スウェーデン映画 81分 ホラー 採点★★★
映画だけに限らず、“天国で愛する人と一緒になる”って話をよく聞きますが、自分がそう願ってても相手側がそこまで思ってない場合はどうなっちゃうんでしょうねぇ?いざ死んで会いに行っても、「あら、来ちゃったんだ…」みたいな気まずい空気が流れませんかねぇ?
【ストーリー】
夫に捨てられた中年女性のキャロリン。人生の新たなスタートを切るため古びたアパートの一室に引っ越すが、日に日に孤独に苛まれ、精神状態も不安定になっていく。そんなある日、ひとりの少女が彼女のもとを訪れ…。
各国のファンタ系映画祭で話題を呼んだという、スウェーデン産の心霊ホラー。製作/脚本/監督に、本作が初長編となるクリスティアン・ハルマンが。
全てを失った中年女性が、かつて忌まわしい事件があったアパートの一室で恐怖に襲われる様を描いた本作。“恐怖に襲われる様”と書いてはみたが、序盤から異常な出来事は起きてるものの、主人公がそれに気付き恐怖するのは終盤も終盤で、メインに描かれる恐怖は“孤独”。その孤独に苛まれ追い詰められていく描写が、主演のラナ・オールソンの生々しいまでにリアルな風貌と、寒々しい室内、そして更に寒々しい野外の風景と相まって、見事なまでに表現されている。身も心も冷え切ってしまいそうな孤独の描写が頂点に達すると同時に、室内に潜むもうひとつの孤独な存在が彼女と呼応する展開も非常に物悲しく、この作品が描く孤独をより深く描いているようにも。一途なあまり相手の都合を全く考えない子供らしさが描けているのも好印象。
雰囲気作り担当でしかない他の住人らの個性が前に出すぎちゃってて、本来もっとシンプルなはずである作品の世界観が多少複雑になってしまってる印象もあるが、パッケージの煽り文句に期待値を上げ過ぎなければ十分に楽しめる一本なのではと。
お母さんが探してるんじゃないの?
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