監督 ジェームズ・ワン 主演 ヴェラ・ファーミガ
2016年 カナダ/アメリカ映画 134分 ホラー 採点★★★★
実話ベースの映画に出てくる幽霊って、満ち足りた大富豪の家なんかじゃなく、経済的問題など家庭内に大きい厄介事を抱えている家に現れがちですよねぇ。ただでさえ問題山積なのに幽霊まで出てきちゃって、なんかもう
泣きっ面に蜂って感じ。ただ、その体験談で一家が一儲けもしてたりするんで、もしかするとそんな幽霊って、困窮している一家を助けるために「どれどれ、いっちょ一肌脱いだるか!」的に出てきてるんですかねぇ。そう考えると、なんか優しい世界。
その方法は間違ってる気もしますが。
【ストーリー】
アミティヴィル事件を調査したことで一躍脚光を浴びる一方で、世間から激しいバッシングも受けてしまう、心霊研究家のウォーレン夫妻。強力な悪魔の存在を身近に感じると同時に、夫エドの死の予兆を感じ取った妻のロレインは、今後心霊事件に深入りしすぎないことを誓う。そんな夫妻のもとに、英国で発生したポルターガイスト事件の調査依頼が舞い込む。短期間の調査だけで終わらせるつもりのウォーレン夫妻だったが…。
実在する心霊研究科ウォーレン夫妻の体験をベースにした、『
死霊館』の第二弾。今回は、子供時代に読んだ怪奇事件本にはもれなく載っていたメジャーなポルターガイスト案件、“エンフィールド事件”にちょろりと一噛みした時の体験がベースに。前作に引き続き『
ワイルド・スピード SKY MISSION』のジェームズ・ワンが監督を手掛け、主演には相変わらず惚れ惚れしてしまう美しさに目を奪われる『
ジャッジ 裁かれる判事』のヴェラ・ファーミガと、『
インシディアス 第2章』のパトリック・ウィルソンの、なんか
片田舎の元ジョックスカップルみたいなお似合いコンビが。また、共演陣には強面になっててビックリした『
ボーン・アイデンティティー』のフランカ・ポテンテも。タイプの顔だったのに。
前作から全ての面において進化を果たした本作。ジェームズ・ワンによる、往年のオカルト映画を彷彿させる静の恐怖演出と、唐突に
尼僧姿のマリリン・マンソンみたいなのが飛び出てくる動の恐怖演出のコントラストや、その配分バランスに至ってはもはや達人芸の域に。クライマックスでのアクション映画ばりのテンションも、唐突さや不自然さを全く感じさせない、計算された演出バランスの妙を。
夫婦や家族の絆を描く感情描写はより深みを増し、怖がらせ一辺倒の映画では味わえない人間ドラマ的側面を作品に与えていたのも素晴らしかった本作。また、超常現象を全て鵜吞みにするのではなく、もともとの事件にもある
胡散臭さを隠していないってのも好印象。日本のTVでの紹介され話題を呼んだ、ウォーレン夫妻がアミティヴィル事件調査の際に撮影したという、2階の部屋から顔を出す少年の霊や、少女がベッドで
楽し気に飛び跳ねてるようにしか見えないポルターガイスト写真などの再現性の高さも、好き者としては堪らなかった一本で。
こっから先は映画と全く関係ないんですけど、2週間ほど前の日曜日にあった出来事を。
夜の11時近くに仕事が終わり、終電までまだ時間があったんで一服でもしようと、ビルの10階にある喫煙所に向かった私。時間も遅く日曜なので人気の全くないフロアを進み、フロアの一番奥にある喫煙所に行くとドアが開かない。ドアに掛けられてたパネルを見ると、“喫煙所の利用は22時まで”と。
仕方がないんで帰ろうとエレベーターに乗り、1階のボタンを押す。「ドアが閉まります」のアナウンスが流れる。でも、
ドアが閉まらない。「あぁ、日曜日はセキュリティパスをかざさなきゃダメだったんだ!」と、パスをセンサーに当て、「ピッ!」と音がした後、1階のボタンを押し、また「ドアが閉まります」のアナウンス。でも閉まらない。1階のボタンは光ってるし、1階に行く分に関してはそもそもセキュリティパスが必要ないことを思い出す。
「なんだい?故障かい?」と頭を捻ってると、今しがた自分が向かっていた喫煙所の方から足音がする。フロアに敷かれたカーペットが擦れる音。「まだ誰か居たのかなぁ?」と思うも、喫煙所は締め切られているし、他のオフィスには人気がなかった。非常階段からこのフロアに来ることも可能だが、私がここに来てから
ドアが開閉する音は聞いてない。聞こえるのはエアコンの微かな音と、もう4度目になる「ドアが閉まります」のアナウンス、そしてこちらに向かっている足音のみ。
流石に嫌な感じがしてきて、再度パスカードをかざし、閉まるボタンを連打。足音がエレベーターホールに向かう曲がり角まで近づいて来た気がしたその瞬間、5度目のアナウンスと共にようやくドアが閉まり、1階に到着。そりゃぁもう、振り返らず帰りましたさ。
結局あれがなんだったのかいまだに分かりませんし、転職したての会社でこんな話して“話を盛るヤツ”とか“注目集めたいヤツ”なんて思われたくないんで、誰にも話しておらず。でもなんかモヤモヤするんで、映画レビューの流れを無視して書いちゃいましたよ。
自宅で呪われるだけの簡単なお仕事です
↓↓お帰りの際にでもぽちりと↓↓