2015年 アメリカ映画 102分 ホラー 採点★
面白くないギャグでも繰り返しやられると、つい笑ってしまいますよねぇ。でも、本当に面白くないものは、繰り返されれば繰り返されるほど腹が立ってくるもので。
【ストーリー】
医療費も離職率も全米最悪で、暴動も頻発する劣悪な刑務所。改善策を模索していた所長のビル・ボスのもとに、部下で会計士のドワイトから一つの提案が出される。それは、ドワイトが大好きな映画『ムカデ人間』を真似て、囚人全員の口と肛門を繋げてみるというものだった。その案を気に入ったビルは、囚人500人によるムカデ人間を作り始め・・・。
口と肛門を繋げる、とどのつまり強制ウ○コ食わせシステムであるムカデ人間を描いたシリーズ最終章。監督・脚本はもちろん『ムカデ人間』のトム・シックス。
刑務所を舞台に総勢500人を繋げちゃう本作。でも、それだけ。ひたすら下品芸に徹した『ムカデ人間2』では生理的嫌悪感や演出手腕にエスカレーションや進歩の具合が窺えたが、本作では人数が格段と増えた以外は何の特徴もなし。晴天の野外にいるムカデ人間にはこれといって嫌悪感を感じませんし。なんか、運動会の出し物みたい。
監督本人も出演して映画内で現実と虚構を更に交差させたり、セルフパロディ的笑いを全面に打ち出し“なにか違うもの”に挑戦した気配はあるんですけど、それらが上手く行ってるとは到底思えないのも残念だった本作。下品芸で誤魔化せていた“下手さ”が如実に出た結果かと。もともとSM嗜好の強い本物の変態と言うよりも、そういうキャラの体当たり芸人みたいな作り手なので本物臭に相変わらず乏しいのは仕方がないんですが、今回はその芸自体にもパワーがないので台無し。
一作目の主人公だったディーター・ラーザーや、普通の人になっててガッカリ甚だしいローレンス・R・ハーヴィー、荒ぶってなくてこれまたガッカリ甚だしい北村昭博らシリーズ組が揃ってるのはファンの人にとっては嬉しいのかも知れない本作。ただ、やる気の全く感じられない様がある意味衝撃的だった『インヒアレント・ヴァイス』のエリック・ロバーツや、『リトル★ニッキー』のトム・“タイニー”・リスター、『アウト・フォー・ジャスティス』のロバート・ラサードら半端に見たことのある役者が出てしまってる分“映画っぽさ”が出てしまい、観てはいけないものを観ている如何わしさや現実と虚構の交差感が弱くなってしまってたのも残念だったかなぁと。まぁ冷たい言い方ですが、“残念”というよりも“こんなもんだろうなぁ”って感じ。
それではー6年生によるームカデ人間ですー
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