2015年 ジョージア映画 105分 サスペンス 採点★★★
どちらかと言えば人を怒らせるほうが多いので、復讐したいほど恨んでる人間ってのがほとんどいない私。大抵その場でそこそこやり返しますし。それでも何人かはいつかこっ酷く仕返ししてやろうと思ってる人物もいるにはいるんですけど、アレコレ仕返しのやり方を想像しているだけで満足しちゃうもんなんですよねぇ。そもそも、そんな人にはもう二度と会いたくありませんし。
【ストーリー】
ジョージアの山奥にトレッキングにやって来たダニエルと婚約者のアリシア、そしてダニエルの親友クリスのアメリカ人三人組。しかし、ひょんなことからクリスが地中に埋もれていた地雷を踏んでしまい身動きが取れなくなってしまう。だがそれは、アリシアとクリスの浮気を知ったダニエルの復讐であった。そんな中、山中に取り残されたクリスとアリシアの前に地元住人のイリアが通りかかる。助けを求めた彼らだったが、イリアが求める見返りはどんどんエスカレートし、やがてアリシアをレイプして・・・。
未だに東欧的なエキゾチックさ溢れる“グルジア”って響きの方がやっぱり好みな、ジョージア産バイオレンスサスペンス。『セブンティーン・アゲイン』のスターリング・ナイト、『バイオハザード IV アフターライフ』のスペンサー・ロックらが出演。
浮気した仕返しに地雷を踏ませる導入部から、地雷踏んでて動けない状況下で愛する人が目の前でレイプされる中盤まで、もういろいろ突飛な本作。なんかこう、その後の復讐劇を盛り上げるためにだけレイプしやすい状況を無理やり練り上げたって感じが。そこに至るまでのやり取りも隙が多過ぎてイマイチ緊迫感も盛り上がらず。
ただ、そこから急転回する復讐劇はなかなか面白い。やられたことを逐一しっかりやり返す復讐劇には一種のカタルシスが味わえるし、その相手となるレイプ犯が単なる異常性愛者ではなく、戦場のような異常な状況下で残虐行為を平気で行う兵士が家に返ると単なる一般人に過ぎないのと同様に、ちょいと酒癖の悪い一般人でしかない様を描くことで、復讐者ともども人間の深層に潜む残虐性を際立たせる演出も巧い。また、果たしてしまった復讐が何も生み出さないどころか、負の感情と負の現実しか生み出さないことを明確にする結末も見事。無理やり過ぎる出だしに、そもそも原因となった人物が空気のようにフワフワとどっかに漂い去ってしまう展開など、難点も少なくない歪な作品ではあったんですけど、なんだかんだと最終的に強烈な印象を残す一本には仕上がってたなぁと。
旅先でいろいろ捨てるのはやめましょう
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