2016年02月26日

奪還者 (The Rover)

監督 デヴィッド・ミショッド 主演 ガイ・ピアース
2014年 オーストラリア/アメリカ映画 103分 サスペンス 採点★★★

男の子って、女の子と比べると言葉の発達が遅いと言いますよねぇ。今度中学生になるうちの長男なんて、未だに質問から主語が行方不明になりますし。TVで志村けんなんかを観ながら大爆笑していたかと思いきや、ふいに「ねぇお母さん、志村けんって面白いの?」と聞いてくるみたいに。要は“お母さんは面白いと思うのかどうか”を知りたかったんでしょうけど、聞かれた方からすれば「なんだい?お前はそれも知らないで笑ってたのかい?」となっちゃうんですよねぇ。まぁ、そういう言葉足らずなところも男子の可愛い所なんでしょうけど。

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【ストーリー】
世界経済の崩壊から10年が経過したオーストラリアの荒野。その無法地帯を放浪していたエリックは、3人組の強盗に愛車を奪われてしまう。彼らが乗り捨てたピックアップトラックで執拗な追跡を始めたエリックは、道中3人組に見捨てられた男を見つけ、共に追跡を始めるのだが…。

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『アニマル・キングダム』のデヴィッド・ミショッドが、『ウォーリアー』のジョエル・エドガートンと共に練り上げた物語を映画化した、荒廃した近未来を舞台にするサスペンスドラマ。
謳い文句にある“オリジナルの『マッドマックス』以来の最高の世紀末映画!”の“『マッドマックス』以来”って部分を派手なアクションが繰り広げられるものと捉えてしまうと、ビックリするくらい肩透かしを食らうであろう本作。ただ、『マッドマックス』(2も含め)が素晴らしかったのはそのアクションのみならず、完成された世界観にもあることを踏まえれば、肩透かしからの軌道修正も十分可能な魅力を持った作品でも。
大国や都市部ではまだ辛うじて秩序が保たれているが、経済破綻の影響から立ち直るすべを一切持たない地方では軍がやる気無さげに治安維持をしている以外ほぼほぼ無法地帯と化してしまっているってのが、雰囲気として伝わって来る本作。貨幣価値を持つのは米ドルのみで、僅かに残る経済活動も中国人を中心とした移民が握っている。中国はまだ元気なのか、本国から大量の物資が輸送されており、それを守るために傭兵が貨物列車を守っている。いちいち説明はないが、どのような状況に陥っていて、人々がどのような心境で日々を過ごしているのかちゃんと分かるよう世界が描かれている。そんな見捨てられた土地で、愛する者に裏切られた二人の男が出会い、旅を通してその人物像や二人の心境の変化を描いた一本。

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敢えて多くを語らず、表情や間、僅かな情報で登場人物の過去や心境を浮かび上がらせようとした本作。その手法は嫌いではないですし、退屈することなく楽しめた一本でも。ある程度の把握は出来ましたし。
ただまぁ、主人公が単に「それオレの車。お前の車まだ動くから返せ」と言って強盗が「わかった!」と言ってれば済む話ってのは、口を開けばすかさずハエが入って来てしまいそうなので口を開けたくないんだろうなぁと考えるとしても、執拗に自分の車を追い続ける意味までをも観客に丸投げしちゃうのは言葉足らずが過ぎたのかなぁとも。愛する者に裏切られた男の最後の心の拠り所なのかも知れないし、単なる愛犬家なのかも知れないし、要は自分にとって大切なものは他人に理解されるとは限らないってことなのかも知れないんですけど、もうちょっとストンと落ちる説明が前後に欲しかったかなぁと。雰囲気重視で終わったのが惜しいとも。
ただ、風変わりな映画の中で輝きを放つ『アイアンマン3』のガイ・ピアースを筆頭に、困っちゃうと「フンフン」唸る可愛いアホちゃんに扮したロバート・パティンソン、『フライト・ゲーム』のスクート・マクネイリーなど、舞台の世界観にすんなりはまり込む役者が揃っており、足りない言葉を補っていたのは嬉しい。

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伝えてくるまで待つ忍耐も大事

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posted by たお at 15:53 | Comment(2) | TrackBack(6) | 前にも観たアレ■た行■ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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