2014年 イギリス映画 99分 サスペンス 採点★★★
“道に迷う”ってことが案外嫌いじゃない私。知らない土地で道に迷うダイナミックさも好きですが、馴染みの土地で一本道を外れて迷ってしまうミステリアスさも好き。時間が経過していくと共に確かに気持ちに焦りも生まれてきますが、それも含めたちょっとした非現実な感じが堪らないんですよねぇ。だから未だ人生に迷ってるんだ。きっとそうだ。
【ストーリー】
紛争が激しさを増す、1971年の北アイルランド。英国軍の新兵ゲイリーは、治安維持を目的にベルファストへと送り込まれる。しかし、暴動に巻き込まれた部隊は撤退し、その混乱の中ゲイリーは一人取り残されてしまう。右も左も分からなければ敵か味方かも分からない状況下、彼は兵舎へ向けて脱出を図るのだが…。
本作が長編デビューとなるヤン・ドマンジュがメガホンを握り、戦場と化したベルファストに一人取り残された兵士の脱出劇を描いたサスペンスドラマ。主演に『名もなき塀の中の王』のジャック・オコンネル、共演に今回も抜群の気持ち悪さを発揮する『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』のショーン・ハリスらが。
血の日曜日事件を翌年に控えた、紛争が激化の一途をたどる1971年の北アイルランドを舞台にした本作。一人の兵士を追う、イギリス軍、カトリック系のIRAの穏健派、それに反発するIRA暫定派、プロテスタント系の民兵組織アルスター義勇軍の姿と、複雑に絡み合うそれぞれの思惑を通し当時の状況を肌感覚に描き出している。16mmフィルムとヴィンテージ風レンズによる映像も、当時の空気をより明確に伝えていた。また、思春期特有の苛立ちと現状に対する怒りが溜まりに堪った青年ショーンの顔立ちや、頭数合わせに過ぎない一兵卒の命が政治利用される様に、紛争の暗部をまざまざと描き出していたとも。
ただ、その状況描写に重きを置き過ぎたせいか、脱出劇としての疾走感や緊迫感に欠けてしまってる感も強し。テーマや物語こそは興味深いが、盛り上がりに欠けるマッタリとした時間が流れ続けるのは少々もったいないなぁと。
因みに、劇中ボウイの記事と話題が出てきて個人的に「キャー!」となったが、記事の扱いや写真の時代考証が正しくないので、いつものアドバンテージ採用にまでは至らず。まぁ、どうでもいい話ではありますが私的にはそこ大事。
別に誰でもいい存在に
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