2016年01月21日

カリフォルニア・ダウン (San Andreas)

監督 ブラッド・ペイトン 主演 ドウェイン・ジョンソン
2015年 アメリカ映画 114分 パニック 採点★★

私の中であの大地震を印象付けてるのって、大きく激しかった揺れではなくて“”だったりも。なんか列車が走るような音がするなぁと思ってたらそれがグングンと大きくなり、揺れの始まりと同時に庭の木々が軋み出し、それが家全体に移って家具やら浴室のタイルが壊れる音がし始める。大きくなっていく揺れ以上に、大きくなっていく音に身の危険を感じたもので。

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【ストーリー】
カリフォルニア州を襲った史上最大の巨大地震。たまたまロサンジェルス上空を飛んでいた救助隊のレイは、離婚話が進んでいる妻エマを救出。その足でサンフランシスコに居る娘の救出に向かうのだが…。

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『センター・オブ・ジ・アース2 神秘の島』のブラッド・ペイトンがメガホンを握った、巨大地震パニック。
災害時に家族を最優先に守るってのは当たり前の話なんですが、主人公が過去にトラウマを持つ凄腕レスキュー隊員って設定なもんだから、てっきり「身内は最後だ!」ってプロの責任と家族愛との間の葛藤を描くのかと思いきや、未曾有の大災難時にあっさり職務を捨てて家族を助けに行っちゃう本作。助け合いも犠牲の精神も捨てちゃったみたい。職場も「オッケー!気を付けてねー!」と非常にあっさりでしたし。家族のために軽く略奪しちゃったり、盗難車を奪い取ったりとやりたい放題なのだが、そこに“家族のためなら何でもやる”って必死さや物語を集中させるストイックさがあれば救いがあるのですけど、大混乱の中、目的の人物とたまたま出会い続けたり、妻の恋人が都合良く悪人になったりと、結局のところ物語に関心を払っている形跡はなし
でもまぁ、大破壊を楽しむ一種のアトラクション作品として完成されてれば文句も少ないんですが、破壊描写もこれまた雑。雑なCGで車がでんぐり返しを続けるオープニングの見せ場に感じた嫌な予感がそのまま的中してしまう、ただただ街が壊れるだけの単調さ。内陸型地震で津波が発生するとか、真っ先に止まりそうな電気が電線に通ってたりとかする細かいことは抜きにしても、音の恐怖や予兆の緊張感など、“地震”を描けてない演出力の拙さも残念だった一本で。

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主人公に扮したのは、『ワイルド・スピード SKY MISSION』のドウェイン・ジョンソン。今現在、最も“強さ”に説得力を持つアクションスターとしてのみならず、持ち前の器用さと表現力の豊かさで様々な役柄を演じれる彼だけに、今回のような大災害に立ち向かう救助隊の役柄はぴったりはまるんですが、如何せん物語がスッカスカだっただけに持ち味を活かしきれず。これだったら、倒れてくるビルを両手で支えたり、地割れを「フンガッ!」と抑え込んでた方が、作品としては大分アレですがまだ良かったかなぁと。なんかもう、ロックの持ち腐れ
見覚えのある顔触れが揃っているのに、その役柄にこれと言った印象を残さないのも本作の特徴。
凄腕レスキュー隊員の旦那との馴れ初めも謎だけども、その次に捕まえるのが大金持ちの社長という、どんな環境に居るのかさっぱり分からない妻役には、『ファースター 怒りの銃弾』でもドウェイン・ジョンソンと共演済みのカーラ・グギーノ。また、正直なところオッパイにしか目が行かなかった娘役に『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』のアレクサンドラ・ダダリオ。もう謎のオッパイ推し
その他、話を進める上でその方が楽だからって理由で悪人にされたとしか思えない『ファンタスティック・フォー:銀河の危機』のヨアン・グリフィズや、『ロック・オブ・エイジズ』のポール・ジアマッティらも共演。にしても、ふいに出てきたかと思いきや、あっという間に退場するカイリー・ミノーグの扱いが謎

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他人100人助けるよりも身内2人助ける方が大事

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posted by たお at 14:04 | Comment(2) | TrackBack(21) | 前にも観たアレ■か行■ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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