2015年11月25日

エンド・オブ・ホワイトハウス (Olympus Has Fallen)

監督 アントワーン・フークア 主演 ジェラルド・バトラー
2013年 アメリカ映画 119分 アクション 採点★★★

ハリウッド映画って、その時々の社会に潜む不安や不満を巧みに題材に盛り込みますよねぇ。タカ派が幅を利かせてる時にはリベラル的な作品が、リベラル政権の時は国威発揚的な作品が作られるみたいに。どっちか一方に傾き過ぎないよう自然発生的に表れるこのバランス感覚って、やっぱり一方に傾きっぱなしで他方の見識が重用されない国からすればはるかに健全だなぁと。

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【ストーリー】
朝鮮半島統一を目論むテロリスト集団に襲撃され、大統領を人質に占拠されてしまったホワイトハウス。そこに、、かつては大統領付きのシークレットサービスだったが、交通事故から大統領を救うも大統領夫人を救えなかった故に職務を外され、デスクワークに回されていたマイク・バニングが居合わせていた。大統領を救うため単身でテロリスト集団に立ち向かうマイクだったが…。

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イコライザー』のアントワーン・フークアによる、テロリスト集団に一人で立ち向かう男の姿を描いたアクション。ザックリと言えば、トム・クランシー原作による『ダイ・ハード6』みたいな感じ
アメリカの中枢中の中枢であるホワイトハウスが襲撃されるっていう、米国民にとっては大きな衝撃を受けると共にある種のカタルシスを味わってたのかなぁとも思える題材を描いた本作。平和と幸せからの落差が大きいオープニングと、ド派手でありながらも緻密そうに見える襲撃作戦が描かれる序盤が見事。
ただそれ以降は、韓国政府団にテロリスト集団が混ざってるザルさ加減や、知らん内に米軍秘密兵器が盗まれてたりと大雑把で大味な描写の連続となってしまうのだが、この辺の大雑把さがかつてジョエル・シルヴァーなんかが幅を利かせていた時代のアクション映画を思い起こさせ、懐かしさと共になんとも嫌いにはなれず。徹底的にホワイトハウスを破壊する情け容赦ないテロリストに対し、主人公も結構容赦ないってのも好みでしたし。
本来なら外国行ってあんなことしてる場合じゃなかったジョン・マクレーンや、衝突中の列車から文字通り一糸乱れぬ姿で脱出したケイシー・ライバックなんかが最終的に到達しなければならなかった場所でありながらも、それが描かれぬまま年月ばかりが経ってしまいモヤモヤが残ってる私のようなアクション映画ファンであれば、ある程度の欲求が満たされる一本なのかと。ロンドンが徹底的に破壊されるっぽい次回作『London Has Fallen』もちょいと楽しみに。

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基本顔がずっと怒ってる主人公に扮したのは、『完全なる報復』『300 <スリーハンドレッド>』のジェラルド・バトラー。“ブレない”とか“思いつめてる”とか“怒ってる”ってのが似合う役者なだけあって、悪者に対し嫌がらせにも近い圧倒的な強さを誇る主人公に不自然さを感じさせない好演。ラッセル・クロウの居たポジションにスポっとハマって波に乗るかと思いきや、最近ちょっと元気がない感もあったので、シリーズ化も期待できるこういうキャラを見れたのは嬉しい。
その他、『世界侵略:ロサンゼルス決戦』のアーロン・エッカートや、“こういう役でお馴染み”って紹介で済みそうな『オブリビオン』のモーガン・フリーマン、50を過ぎてまた美しさに磨きがかかったようだった『キンダガートン・コップ』のアンジェラ・バセット、『クレイジーズ』のラダ・ミッチェルに、『スティーブン・キング 血の儀式』のディラン・マクダーモットらといった、アクション大作らしい顔触れが揃ってるのも嬉しい。
そんな中でも、気品と親しみやすさを兼ね備えた、惚れ惚れしてしまう美しさに全くの変わりがなかった『妖精ファイター』のアシュレイ・ジャッドを短い時間ながらも見れたってのが一番嬉しかったかなぁと。

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「テロリストには負けません!」と言いたいのか、ホワイトハウスを壊したいだけなのか

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posted by たお at 11:23 | Comment(4) | TrackBack(18) | 前にも観たアレ■あ行■ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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