2014年 アメリカ映画 97分 SF 採点★★
「独占レンタルって、なんか気分悪いね!」と感情的には感じながらも、この厳しい時代に競合他社との差別化を図るビジネス的な意味合いでは理解も出来る私。これで、顔触れが地味だからとか配給会社が売り方を思いつかなかったとかの理由でお蔵入りした隠れた名品なんかを中心にリリースしてくれたら、映画ファンとしては嬉しいものなんですけど、結構な割合で在庫処分的な作品が多かったりするんですよねぇ。
【ストーリー】
謎のハッカー“ノーマッド”を追いネバダ州にある廃墟へと辿り着いた、MITの学生ニックとジョナ、そしてニックの恋人であるヘイリーの三人。しかし、彼らはそこで不可解な現象に遭遇して意識を失い、目を覚ますと政府機関の隔離施設に監禁されていた。デイモンと名乗る責任者とおぼしき人物に、地球外生命体に接触した為に何かに感染してしまったと告げられたニックは…。
『地球、最後の男』のウィリアム・ユーバンクによる、異星人と接触した若者たちの顛末を描いたSF。主演には『オキュラス/怨霊鏡』のブレントン・スウェイツが。
たぶん監督の頭の中に浮かんだ“UFOキャッチャーの中に囚われた人間”ってイメージを、好きな作品なのであろう数々のSF映画のモチーフを拝借しながら映像にまとめたって感じの本作。「これ、なんか○○っぽいよね?」って展開を、如何にもサンダンスっぽいセンス良さげな映像で飾り立てた“ぽいぽいづくし”な作品で。
深いテーマを持ってそうな雰囲気だけを楽しむ分にはまぁよいが、ちゃんと話を追おうとするとその支離滅裂さに頭が痛くなってくる本作。『未知との遭遇』みたいにシグナルを受け取った人間が「お分かり頂けたであろうか?」みたいに映り込む異星人と接触し、ちょいと改造されちゃうってのはまぁ良し。足に障害のある主人公がスーパー足を手に入れるってのは、もう一人の男の改造理由が不明ってのと、彼女がどうなってるのかさっぱり分からないってのはさて置いて、なんとも粋な計らいですし。で、それを理由に監禁されるのも、脱走しちゃうのも納得。
ただ、そっから突然『ダークシティ』になられちゃうと、さすがにわけが分からない。作品に重みを与えるためだけに存在する、『コンテイジョン』のローレンス・フィッシュバーンが扮していたデイモンの言ってること全部辻褄合わなくなるし、そもそも嘘をつく必要も監禁する必要もないですし。もう、この宇宙人と分かりあえる気がしない。
この支離滅裂さが計算のうえでなら付き合えるんですけど、なんか「雰囲気だよ!」と開き直っちゃってる感がちょいと嫌だったなぁと。「ボク、こんなことが出来ます!」っていう10分程度のPR映像なら傑作になり得るが、映画となると考えものの重厚な空っぽ映画で。まぁ、やっぱり宇宙人は牛に興味があるってとこは面白かったですけど。
やっぱり牛が好き
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