2014年 アメリカ映画 79分 ホラー 採点★★★
両親が何かと忙しかったため、日中ほとんどの時間を祖父母と過ごしていた子供時代の私。常に穏やかだった祖母と、寡黙で孫と戯れてる姿を見られるのは少々気恥かしいと思ってるカッコつけしいのくせに、私の運動会にはコッソリと必ず観に来ていた祖父。私の名付け親であり、あれこれあって私の出産を諦めていた母をひと押ししてくれた存在でもあるそんな祖父母を、亡くなって久しいまでも大好きな私。ただまぁ、激動の時代を生きてきたはずなのに、若い頃の話ってほとんど知らないんですよねぇ。祖父は泳ぎが得意だったから河童って呼ばれてたとかいう、どうでもいいエピソードばかりが記憶に。
【ストーリー】
養護施設を退所させられる祖母マーシーの世話をするために祖母の古い屋敷へとやってきた、お婆ちゃんっ子の少年ジョージに母と兄の3人。やがてジョージは、マーシーの悲惨な過去と一族にまつわる因縁、そして土地に潜む邪悪な存在のことを知り…。
スティーブン・キングによる、ブクブクと太って呪文みたいな意味不明の言葉ばかり発する婆さんが怖くてしょうがない少年が、婆さんの中に潜んでいた邪悪な存在に乗っ取られるっていう後味悪い短編“おばあちゃん”を、『エクトプラズム 怨霊の棲む家』のピーター・コーンウェルが映像化したDVDストレートのホラー。“ウォーキング・デッド”のチャンドラー・リッグスが主演し、共演には『ゴースト・ハウス』のディラン・マクダーモット、『モール・コップ ラスベガスも俺が守る!』のシャーリー・ナイトらが。また、製作者の中には『チャーリーズ・エンジェル』のマックGの名も。
古の時代から存在する土着の邪悪な存在や、一族にまつわる因縁、少年にしか見えない善なる存在や家族愛など、原作とは異なる展開ながらもキングらしさってのがそこかしこに描かれていたのが嬉しい本作。大きな愛が生み出した悪に対し、やはり大きな愛が生み出す善で立ち向かうという、愛の両面性を描いているのも興味深い。
ただ、演出にあまりにもメリハリがないせいか、その因果関係や邪悪な存在の目的に立ち位置など、肝心な事柄がモヤモヤしてなんとも分かりづらい。理解不能な恐怖を演出する為に何がどうなってるのか分からないなら良いのだが、どうにも意図的とは思えない混沌っぷり。60年代の回想から幕を開けるが、映画の終盤にパソコンが現れるまでその回想がダラダラと続いているかのような印象も。“婆さんが怖い”ってだけのネタからの膨らませ方が悪くないだけに、この平坦過ぎる演出が惜しい。
まぁ、プレイする度に私を号泣させた名作ゲーム“ラスト・オブ・アス”でサラ役だったハナ・ヘイズが、主人公だけに見える“隣の家の少女”という思いのほか重要な役柄で出ていた嬉しさもあったので、採点は甘めに。
身内のダークサイドって、わざわざ語り継いだりしないよなぁ
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