2015年11月09日

料理長(シェフ)殿、ご用心 (Who Is Killing the Great Chefs of Europe?)

監督 テッド・コチェフ 主演 ジョージ・シーガル
1978年 アメリカ/イタリア/フランス/西ドイツ映画 112分 サスペンス 採点★★★

独身の頃は、「あそこの店、美味しいよ〜」と聞けば気軽に食べに行ってたもので。味や香りに苦手なものが少ないので、どこの国の料理であろうがホント気軽に。ただまぁ、結婚して子供が親の数を超えた今はそう簡単に外食が出来なくなっちゃいましたねぇ。味よりも値段と量重視。そんなんだから、田舎者にとっては見たことも聞いたこともない街のお店を紹介するグルメ番組なんて、まったくもって他人事なんですよねぇ。

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【ストーリー】
料理雑誌の出版社を経営し自身も大の美食家であるマックスが選出した“世界一の料理人4傑”。しかし、その選ばれた料理人が、それぞれ得意とする料理の調理法に倣った方法で殺されていく。その4人に選ばれたパティシエのナターシャは、元夫のロビーと共に犯人探しを始めるが…。

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ランボー』『地獄の7人』とゴツゴツした作品ばかり撮ってる印象が強いが、本作でも主演したジョージ・シーガルの『おかしな泥棒ディック&ジェーン』や『バーニーズ/あぶない!?ウィークエンド』など、洒落ながらも多少ドタバタしたコメディにも才を発揮するテッド・コチェフによるミステリー・コメディ。
オーブンで丸焼きにされたり圧搾機で頭を潰されたりと殺害方法こそはかなり猟奇的だが、作品自体は洒落たコメディに仕上がっている本作。丸焼きの死体を前に「こんなに焦がす料理人がいるわけない」と言ってみたり、被害者=認められた料理人ってことになるんで死ぬ名誉を選ぶか無視される恥辱を選ぶか悩んだりと、独特なユーモアセンスも魅力。ミステリーとしてはちょいと粗すぎるが、想定内からほんのちょっとズレた所に犯人を設定したりする、サクっと楽しむには丁度いいさじ加減も良い感じ。一般人の口にまず入ることのない料理を芸術や文化として尊ぶマックスと、そんなマックスに忌み嫌われる低価格フランチャイズ店ばかりオープンさせるロビーとの対比もなかなか面白い。ちょっと憂鬱な気分にさせておいてからライトに戻すオチの丁度良さもなかなか。
そしてなによりも、登場する料理がなんとも美味そう。この辺は料理人一家に育ったテッド・コチェフのこだわりなんでしょうけど、ダイエット中や深夜に観るのは非常に危険な食欲促進映画に。

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そんな料理の数々以上に目を奪われるのが、『ドミノ』のジャクリーン・ビセットの美貌。さすがに『ザ・ディープ』の水濡れスケスケ白Tシャツほどのインパクトはないが、全体的に紗のかかった映像によりその美貌の際立つことったら。
その他、マックスに扮したロバート・モーレイや、『オリエント急行殺人事件』のジャン=ピエール・カッセル、『ニュー・シネマ・パラダイス』のフィリップ・ノワレ、『リーサル・ウェポン2/炎の約束』のジョス・アックランドといった、贅沢気分味わえる料理やロケ地に負けない欧州役者の顔触れも魅力だった一本。
ちょいと話はズレますが、私の世代にとってはTVの映画番組の恒例プログラムだった本作。今回も鑑賞中、滝口順平や鈴木弘子の声が脳内で自動再生されたりも。ただ、残念ながらDVDには日本語吹替えは収録されておらず。確かに、吹替え版のビデオが出てない作品の吹替え音源を捜すのは大変な作業だと思うんですよねぇ。権利が切れてれば放送局は処分してしまってるケースも多いでしょうし、新録するには金が掛かり過ぎる。まぁ、ユーザーの勝手気ままな要望でしかないんですけど、洋画劇場の雰囲気をもう一度楽しみたいってジャンルの作品も少なくないんで、当時の録画テープを持ってる人を探し出して音を拾い起すとか、そんな努力もして欲しかったなぁと。決して安い価格設定でもないんですし。

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食い気も色気も手の届かない所に

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posted by たお at 14:32 | Comment(0) | TrackBack(0) | 前にも観たアレ■さ行■ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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